かぎ針も! 棒針も! 春夏ニットもぜひ楽しんで
はじめてでも安心! 夏糸 LESSON
夏糸ってどんな糸?
秋冬の毛糸はウール素材が中心ですが、夏糸は、綿や麻素材が中心。形状はストレートタイプのほかに、平らなテープ状の糸もよく見られます。素材が綿の場合、編み地は柔らかく保温性があります。麻素材は編み地にハリやコシがあり、通気性がよくさらりとした感触が楽しめます。
綿麻素材なら、両方の利点を兼ね備えているといえるでしょう。綿素材の糸は特に、ウールに比べると重くなりがちですが、最近は軽い糸も増えてきました。
糸選びのコツは?
ストールやキャミソールなどの身に着けるアイテムを編むなら、綿の入った糸を選ぶと着心地のよい柔らかさが楽しめます。ただ、ハリがない分、体のラインが出てしまうことも。その場合は、綿麻素材の糸を選びましょう。軽くて触り心地のよい糸がおすすめです。バッグやかご、帽子など形を保ちたいアイテムを編む場合は、ハリのある固い編み地に仕上がる麻素材の糸がよいでしょう。選ぶ素材によって仕上がりの違いが楽しめるので、好みに合った糸を見つけてください。
編み方のコツは?
夏糸のいちばんの特徴は「糸に伸縮性がないこと」。そのため、糸がたるんでいたり引っ張り過ぎたりしてしまうと、編み地がふくらんだり、短くなったりします。編む調子を一定に保つよう心がけましょう。また、テープ状の糸は指でしっかり平らに伸ばしながら編み進めていきます。糸によっては、本来は平面の編み地が波打ったようにうねってしまうことも。編む際はアイロンを横に置き、ときどきスチームを当て、編み地や糸を整えながら編んでいくときれいに仕上がります。
さあ、編んでみましょう!
初夏に楽しむニット! 透け感トップス
編み物大好き! という方にも、棒針編み初心者にもうれしい、初夏のニット。
カットソーやブラウスに重ね着するときれいな透かし模様は、いつもなら「失敗」の落とし目で作ります。
サラッとした質感の綿麻の糸で編んだ、キャミソール形のトップス。
アラン模様のなわ編みの間に糸が渡り、これからの季節にぴったりの透け感です。
編みながら作る透かし模様ではなく、編み終えてから目を落とした列を広げて作ります。
落とし目の部分の幅が広がるので、案外早く編み上がるのもうれしいところ。
出来上がりは身ごろの伏せ目からやや広がって、Aラインのシルエットに。
なわ編みは身ごろから肩ひもまできれいにつながって、すっきりとした印象です。
ハナサイード
ニット作家。大学で美術史を学び、在学中にフランスへも留学。祖母の影響で、小学生の頃から編み物を始め、学生時代から本格的に編み物に取り組み、独学で技術を習得。サラッと毎日着られ、モード系のファッションにも合うニットを目指している。
透かし模様が涼しげ! かぎ針編みのフリルつきトートバッグ
洗練された透かし模様と、大胆なフリルが印象的なボックス形のトートバッグ。
これからの季節にぴったりのテープヤーンで編めば、心弾む夏のスタートに、役立つはずです!
凝ったデザインながら、実は長編み、細編み、鎖編みと基本の編み方で編むことができる手軽な仕立て。
本体部分はテープヤーンを2本どりにすることで自立し、実用性も十分です。
1色で編んでも、透かし模様部分の色をかえて、華やかなツートーンにしても。
好みのカラーバリエーションで楽しみましょう。
500mLのペットボトルが、縦横どちらの向きでもすっぽり入るうれしいサイズ。
底は細編みでしっかりと編んでいるので、財布やストールなど、外出に欠かせないアイテムをたっぷり入れて持っても安心です。
LAGOON 長井 萌 (らぐーん ながい・もえ)
クロッシェデザイナー。新潟県在住。子どもが生まれたことをきっかけに、本格的に編み物をスタート。スタイリッシュなニットアイテムを数多く製作。SNSでの自作販売や、オンラインレッスンなどを行う。
ひもつきクロッシェハット
おしゃれアイテムのひとつとして最近注目されているひもつきハット。
ひもを無造作に垂らすだけで個性を出すことができ、風に飛ばされにくい、フィット感が出るなど、実用面でも優れています。
ひもとひも止めも編んで作る、糸だけで出来上がるうれしいデザインです。
トップからぐるぐると模様編みでブリムまで続けて編めるデザインのハット。
一見複雑な模様に感じるかもしれませんが、実はシンプルな繰り返しの楽しい編み地です。
ナチュラル系と3色使いのカジュアル系。
好みのテイストで選んでみて。
透け感のある編み地は通気性のよさも魅力のひとつ。
ひもは、首からえり元に縦長のラインを作り、フェイスラインをすっきり見せる効果も。
ひもの通し方は自由でOK。
ひも止めを外し、模様の穴に何か所か通して、サイドや後ろで結んでも。
軽いのが魅力のヘンプのテープ糸。
たたんでバッグに入れられるので、外出時や旅行のお供におすすめ。
橋本真由子(はしもと・まゆこ)
ニット作家。大学卒業後、ニットの通信教育で基礎を学ぶ。メーカーでニットデザイン、製作を手がけるほか、雑誌や書籍で作品を発表。シンプルな編み方を組み合わせて作る、独特で新鮮なデザインが魅力。
花とリーフの編み込みポーチ
草花がすくすくと育つ季節にぴったりの、花とリーフのポーチ。
2色使いの編み地は、編まないほうの糸を編みくるんでいるので、ハリがあって裏布いらず。シンプルで楽しいデザインです。
すじ編みの側面に規則的に配置した花模様。
後ろ側も同じ模様を繰り返して編み、華やかに仕上げます。
縦に生き生きと伸びる葉のモチーフを、作品Aと同様、両面に編み込みます。
クリームイエローと青のコントラストが爽やかな印象です。
薄手でフラットなポーチなので、バッグの中がすっきり。
おの・ゆうこ(ucono・ゆこの)
幼少期から祖母に編み物を習い、その後ニットスクールで本格的に技術を学ぶ。優しい色合いのニット小物からユニークなデザインの編みぐるみまで、さまざまなテイストの作品を発表。
糸とビーズで手軽に編める 大人のバングル&ブレスレット
ビーズを糸に編み込んで作るバングル&ブレスレット。
編み方は鎖編みと引き抜き編みだけなので、実はとっても簡単です。
バングル
きちんと並んだビーズが端正な印象のバングル。
ハリのある糸(コード)を使っているので、形状もしっかりしています。
シンプルな作り方だから、ビーズ編みが初めての方でもきれいに作れます。
ブレスレット
鈴なりのビーズが華やかなブレスレット。
メタリックカラーのコードが効いています。
一見複雑そうですが、ビーズを編み込んだ鎖編みのループを、1つ前のループにくぐらせていくだけ。
出来上がりが待ち遠しくなります。
バングルは編み始めを鎖編みの輪でぐるりと覆い、ワンポイントにしています。
ブレスレットのボタンパーツもビーズ編みなので、材料が少ないのもうれしいポイント。
Ronique(ろにーく)
札幌市出身。幼い頃から棒針編みなど手芸に親しみながら育ち、子育てを機に独学でかぎ針編みを始める。シンプルで編みやすいパターンと、ふだん使いしやすいデザインが人気。
初夏に楽しむニット! 透け感トップス
撮影/白井由香里 モデル/阿久津ゆりえ
透かし模様が涼しげ! かぎ針編みのフリルつきトートバッグ
撮影/ローラン麻奈
ひもつきクロッシェハット
撮影/白井由香里 モデル/阿久津ゆりえ
花とリーフの編み込みポーチ
撮影/白井由香里
糸とビーズで手軽に編める 大人のバングル&ブレスレット
撮影/白井由香里 モデル/阿久津ゆりえ
ヘッダー画像
撮影/ローラン麻奈