【新店】京都で磨いた日本古来の色使いをバウムクーヘンに【わの色がさね】県産米粉100%、甘麹、海洋深層水塩を使用 新高岡駅そば専門店
2025年5月、北陸新幹線 新高岡駅のすぐそばに、バウムクーヘンの専門店「わの色がさね」 がオープンしました。
色彩豊かなグルテンフリーのバウムクーヘンに付けられた名前は、「香(こう)」「今様(いまよう)」「木賊(とくさ)」。
実はこれ、すべて日本の伝統色の名前なんだそう。
店がこだわるのは、和の美しさなんだとか。なんだか優雅な気がしますよね。
その味わいも気になります。
新高岡駅すぐ 手土産にも最適なバウムクーヘン専門店
「わの色がさね」がオープンしたのは、富山県高岡市の下黒田。
北陸新幹線 新高岡駅のすぐそばで、道を挟んだ南側には県西部随一のショッピングモール「イオンモール高岡」もあります。新幹線を利用する観光客やビジネス客、日ごろからショッピングモールを利用する地域住民、どちらも利用しやすいロケーションです。
和×モダン 洗練された店構え
建物は、濃厚な藍色の外壁と木の柱が特徴的なモダンな見た目。
店名の横に掲げられているのは、長寿を願う“亀甲”をモチーフにした印象的なロゴです。
店内も無駄がそぎ落とされたスタイリッシュな装い。
目線よりも少し低めに陳列されたバウムクーヘンの存在感はややひかえめで、格子や照明にも日本ならではのあたたかなぬくもりを感じます。
和と輪――京都で磨いた感性とバウムクーヘンへの想い
「店名の“わ”には、和と輪、そして、わたしの想いも重ねています。日本古来の色彩文化“かさねの色目”を大切にして焼き上げたバウムクーヘンを通じて、縁とよろこびの輪を広げていけたらと思っています」(オーナー 楠 芳春さん)
平安時代から伝わる「かさねの色目」とは、衣の重なりで季節や心情を表す美の様式。
京都の有名菓子店に約20年勤務していたというオーナーの楠さんは、自然と調和しながら、繊細な感性をも表現する日本古来の配色美に魅了されたんだそう。そして、その美しさをバウムクーヘンの焼き上がりに追求しています。
こだわりは色合いだけに留まりません。
「富山にはおいしいものがたくさんあるので、地元の風土にゆかりのある素材を厳選して使っています。バウムクーヘンで富山のよさをアピールできますし、そうすることで地域全体も盛り上げていけたらうれしいです」(楠さん)
バウムクーヘンは、きめ細やかな県産米粉100%で作られています。
甘みを出すために使用するのは、甘麹。こちらも、県産コシヒカリを使って昔ながらの製法で作られたものです。そして、塩は、富山湾の海洋深層水100%原料にした塩を使っているんだそう。
さらに、外側にかけている蜜とその色合いにもこだわりがあります。
「バウムクーヘンには2層の蜜(オリジナルグレーズ)をかけているんですが、甘麹や深層水塩の滋味な味わいと色彩を楽しんでほしいです」(楠さん)
富山の食材と和の色彩を生かす4種のバウムクーヘン
そんな富山の食材と和の色彩を味わう「わの色がさね」のバウムクーヘンは、4種類あります。
香 -塩と甘麹-
4種のうちもっともスタンダードに位置づけられているのが、「香(こう)-塩と甘麹-」。
薄茶色で、黄色みを帯びた“香”の色が何層にも重なり、口に入れるとしっとりやわらかな食感です。外側は甘麹と海洋深層水塩の蜜が2層になっていて、甘味と塩味が交互に主張してきます。食べ進める手が止まらない、クセになるおいしさです。
香 -塩と甘麹- ハードタイプ
平安時代には、貴族に好まれ、高価な色とされていた“香”。その名を冠するバウムクーヘンには、ハードタイプもあります。
「ソフトタイプとは、生地の温度や焼くスピードが違っていて、かなり時間をかけて焼き上げています」(楠さん)
ハードタイプの食感は、ソフトタイプよりも跳ね返ってくる弾力が少し強めで、もっちり感と噛みごたえがあります。ほのかな塩気と甘麹の自然な甘さに加えて、バターの風味をしっかりと楽しめる味わいです。
今様 -いちごと梅-
紅花で染めた濃い紅梅色の「今様(いまよう)」の名前を付けられたバウムクーヘンには、国産のいちごピューレがたっぷり使れています。
淡いピンク色の見た目とは裏腹に、口に入れた瞬間にパッといちごの香りが広がる華やかな味わいです。
外側の2層の蜜には、いちご蜜と梅、赤紫蘇が使われいて、梅と赤紫蘇のほのかな香りと酸味が漂ってきます。梅や紫蘇はちょっと苦手…という人でも、いちごの余韻にたっぷり浸ることができる味わいです。
木賊 -抹茶とミルク-
黒味を帯びた緑色「木賊(とくさ)」の名前がついたバウムクーヘンにはプレミアムな抹茶が使われているんだそう。
「宇治茶を栽培している農園から直接仕入れている貴重な抹茶を贅沢に使っているので、なかなか味わえない抹茶バウムクーヘンに仕上がっていると思います」(楠さん)
楠さんが自信をのぞかせる通り、食べると上品な抹茶の香りが鼻から抜けていきます。
しっとりした食感と少しの苦み、上品な甘さのバランスが絶妙で、抹茶とミルクでコーティングされた蜜のカリッとした食感と甘さも楽しめます。
「人生の大切な瞬間に寄り添えるような、心に響く存在になるようなギフトを作りたかったんです」(楠さん)
富山づくしのギフトとして、新幹線を利用する人にもとっておきの土産物になりそうです。
【わの色がさね】
住所 富山県高岡市下黒田1686番2
営業時間 10:00~17:00 ※なくなり次第終了
定休日 火・水曜