【京都ツウ】和菓子に欠かせない『寒天』発祥地はココ!精進料理の僧侶が命名した偶然の産物☆
汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は伏見区にある和菓子や精進料理にも使用される食材『寒天』発祥地。
偶然が重なって伏見の旅籠で生まれた『寒天』
京都の酒処として知られる伏見区にある京都市立伏見中学校。今回は学校のそばにある、とあるものを探し求めてやってきました。
学校校舎、向かって東側に石碑と案内板があります。
石碑には旧漢字も使いつつ『寒天発祥之地』と書かれ、さらにその下にこの地の住所『伏見区御駕籠町』とあります。
この場所は、和菓子やダイエット食にも広く活用される寒天の発祥地。京都にも寒天を使った甘味や和菓子の人気店多数。特に夏場などの暑い時期には、冷して食べたり、そののど越しの良さが重宝される食材。
ちなみに、京都でオススメの寒天を使った和菓子、スイーツ類を挙げると、枚挙に暇がないわけですが、中には祇園祭後祭期間限定スイーツの永楽屋『氷あずき』であったり、大極殿本舗栖園『琥珀流し』、とらや『羊羹』、みつばち『あんみつ』など。寒天はその汎用性の良さから、自在に変化して活用されている食材。
ところで、寒天と言えば海で採れる天草を加工して造られる食材ですが、こんな海のない山に囲まれた盆地の京都市内で、一体どんな経緯を経て寒天ができるまでに至ったのでしょうか?
17世紀半ば、薩摩藩主が参勤交代の途中、この場所にあった旅籠『美濃屋』に宿泊。その際天草を煮て作ったところてん料理の食べ残しを外に捨てたところ、冬場の寒さで凍結。それが日中溶けて乾燥し干物状態になっているのを発見。溶解して試食してみたところ、従来のところてんより見た目よく、海藻臭さもなく美味。
これを黄檗山萬福寺を開創した隠元禅師に試食してもらったところ、精進料理(普茶料理)の食材として奨励され、その際に禅師により『寒天』と命名されたのが起源であるとか。
またまたちなみに、こちらはその黄檗山萬福寺の普茶料理。中国風の精進料理になりますが、そういえば寒天が使われていました。
こんな具合に和菓子はもとより、料理にまで幅広く活用され、伏見の旅籠で偶然が重なって生まれた寒天。教科書やガイドブックには掲載されないような、面白い歴史をたどる史跡ですね。
基本情報
名称:寒天発祥之地
場所:京都市伏見区御駕籠町97