米作さかんな散居村の意地!? 米高騰でもごはん大盛りおかわりOKな砺波の970円 日替わりランチ【Cafe&restaurant M2】
平地を縫うように用水が張り巡らされ、一面に広がる水田とその中にぽつぽつと民家が点在する散居村で有名な富山県砺波市。水田を管理、小作する農家が効率的に作業できる典型的な農村の風景とされ、米どころの富山を象徴する景色です。
そんな米どころの砺波でも全国的な米価の高騰の影響は避けられず、スーパーなどでの販売価格は1、2年前に比べて2倍ほどの価格となっていますが、以前からのスタイルを守り、ごはんのおかわりOKでリーズナブルな日替わりランチを楽しめる喫茶店があります。
大量のマンガと一緒にごはん、休憩…昔ながらの喫茶店
「Cafe&restaurant M2(エムツー)」。
珍しい名前ですが、M2は店主の昌仁さんと妻の雅美さんのイニシャルから。MがふたつでM2です。
店内に入ると、向かって右側にはカウンター席とテーブル席。
昔ながらの洒落た喫茶店という佇まいですが…
左側のほうを振り返ると、壁一面の本棚。
マンガの単行本を手にテーブルへ…って、これもスマホ全盛期の今ではあまり見かけなくなった光景かもしれません。
その奥には畳敷きの小上がりがあり、ランチ時には足を延ばしてゆったりとくつろぐ客の姿も見られます。
カレー、スパゲティなど定番の喫茶店メニューに、定食も
ミニサラダ付のカレーが9種類、スパゲティが10種類。エビピラフやオムライスなど、メニューも豊富で、いかにも喫茶店らしいものが並びます。
定食のバリエーションはもっと多く、エビフライ、ハンバーグ、メンチカツなどの定食に、メインが2、3つにミックスされたものもあります。
これはさぞ、選ぶのが大変そうと思いきや…
常連客が注文するのは、日替わりランチのほぼ1択。
メインにエビフライやロースカツなどのフライを中心に約10種類のおかずを用意していて、毎日通う客でもいろんなおかずを楽しめるよう、曜日を変えて提供しています。
常連客がほぼ全員頼む「日替わりランチ」
この日はロースカツが早々に売り切れて、ヒレカツ定食になっていました。
やわからいヒレ肉のカツ3枚には、特製のデミグラスソースがたっぷりとかかっています。
これだけでボリューム満点のメイン皿ですが、小鉢に漬物もつきます。
さらに、砺波市内の契約農家から仕入れた米をふっくらと炊き上げたごはんは、大盛りでも値段は変わりません。
しかも、蓋ができないほどの山盛りで提供してくれます。
「大盛りでおかわりする学生さんもいますよ」(雅美さん)
おかわりしても値段は変わらず!
お米が高くなっているにもかかわらず、おなかいっぱいおいしいごはんが食べられるなんて…ぜいたくです。
食後には一口サイズのおいしいハンドドリップコーヒーか紅茶(アイスも可)もついてきます。
「本当はもっと大きいカップで出してあげたいんだけど、これが限界…実は、値上げを考えることもあるんですけど…」と、申し訳なさそうに雅美さんが話してくれました。
「日替わりランチは1000円以内」 今も変わらないこだわり
1986年に店がオープンした当時は、ランチは680円でした。
予算1000円でランチを食べて、食後に100円で缶コーヒーと200円でたばこ1箱…時代とともにコーヒーの値段もたばこの値段も変わりましたが、それでも「ランチだけは1000円以内に収まるように」と、店主の昌仁さんと妻の雅美は工夫を重ねます。
実は、6枚綴り税込5520円のランチチケットがあって、これを使うと970円のランチがさらにお安く、920円で食べられます。
「新型コロナの時も見捨てずに足を運んでくれたお客さんがたくさんいて、助かりました。昼休みの1時間、うちでゆっくりしながら、納得してもらえる価格で日替わりランチを食べていってもらいたい。そう思って作っています」と、昌仁さん。
店主夫妻の人柄にも惹かれ、常連客が多い「M2」。1000円でおなかいっぱい、貴重なランチタイムにゆっくりとリフレッシュできる昔ながらの喫茶店です。
【Cafe&restaurant M2】
住所 富山県砺波市豊町2-9-6
営業時間 11:30~19:00(ランチは15:00まで)
定休日 不定休(月2~3回)
※当面の間 日曜休み(2025年4月現在)