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学校を休みがちな小5娘。避難場所に「通級の教室」を提案すると「絶対イヤ!」と拒否!?

LITALICO発達ナビ

監修:新美妙美

信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教

夏休み前の通級の先生との面談

小学5年生の5月から学校に行けなくなり、その後五月雨登校だった次女。
夏休み前に、保護者と通級指導教室(通級)の先生との面談がありました。

私は、担任の先生以外にも、学校内に次女の事情を良く知っていて相談に乗ってくれる先生がいるということを、とても心強く感じていました。

次女が低学年の頃、学校での支援になかなか繋がらずに不安な思いをしていましたが、いろいろなところに相談した結果、通級に通うことができるまでの環境になったことを、とてもありがたく感じる瞬間でした。

今後のことを考えて、学校での次女の避難場所について聞いてみた

先生と情報交換をして、次女の夏休み明けのことについてお話をしました。この時の次女は、本当になんとか学校に行っているという状態でした。このまま夏休みを迎えたとしたら、2学期はスムーズに学校に戻れないかもしれないという不安がありました。

私は、次女のために何かできるサポートはないか考えました。そして、教室にいることに疲れてしまった時などに、一時的に次女が避難できるような場所があると良いのでは……?と思って、良く聞く「保健室登校」のように、保健室を利用することはできるか確認してみました。

通級での対応

この時は、コロナ禍だったこともあって保健室の利用は制限されており、そういった感じでの保健室の利用はできないとのお話でした。

ただ、一時避難場所として、通級の空いている教室を利用できるとのことでした。先生のお話では、以前に通級を利用していた不登校気味の子が、避難場所として通級の教室を利用していたこともあったそうです。

やっとの状態で学校に通っていた次女なので、「2学期が始まったらまた学校に行けなくなってしまうかもしれない……その時はどうしたらいいんだろう……」と、2学期が始まることを私自身かなり不安に感じていました。

ですが、「もしもの時に、学校内で少し休むための場所がある」ということが分かっただけで、2学期に向けての不安が少し軽減されました。

次女に話してみたところ…

ところが「教室にいるのが疲れてしまった時に、避難場所として通級の教室を利用してもいい」ということを、次女に伝えてみたところ、
「ええ~?通級の教室?……絶対イヤだ!」との返答が……。

休めるのはいいけれど、通級の教室を使うのが気まずい、恥ずかしい、とのことでした。

場面緘黙の次女にとっては、まず、「通級の教室に行って休みたい」と先生に声をかけるハードルが高く、人と違うことをするのは恥ずかしいし気まずいので、それをするくらいなら我慢するか家に帰りたい、ということでした。

次女と話し合って、2学期学校が始まってから、もし教室にいるのがつらくなってしまって、その時に利用できそうだったら試しに使ってみる……という感じで話はまとまりました。

夏休みゆっくり休めた次女の2学期

こうして、親としては、また来るかもしれない不登校の対策を考えるなどして2学期に備えていました。
次女は、夏休み期間中は毎日ダラダラと過ごして、日に日に元気になっていきました……!

こうして元気をチャージした次女、2学期の始業式には無事に登校できました!……が、その翌日は休んで……次の日はまた行けて……その次の日はまた休んで……。

その後は、徐々に学校に行く日が増えてきて、週に1、2回ほど休みながら学校に通うようになりました。学校に行く頻度自体は夏休み前と変わりませんが、夏休みにしっかり休んだことで、学校に通う負担が少し少なくなったように見えました。

結局、次女が学校で疲れた時に通級の教室を使って休む、ということは1度もありませんでした。親としては「こうしたらラクになるのでは……?」といろいろ考えたりしますが、本人の希望・できることのなかでの最善を探っていかなくてはいけないな~と改めて思ったのでした。

執筆/まりまり

(監修:新美先生より)
場面緘黙の娘さんが、五月雨登校になりつつあるときのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。
個人差がありますが、場面緘黙傾向のあるお子さんは、自分が発言したり行動したりすることへの周囲のリアクションを極度に怖れるような方もいて、目立つことや、特別扱いと感じることや、今までやったことがないことを避ける方は多い傾向があります。決まった時間の通級に行くのは決まっているからいいけれど、自分から発信して通級の部屋に行くというのはハードルが高かったのかもしれません。例えば、疲れた時に通級に行きたいと自分から発信するというのを提案する前に、休み時間に先生が迎えに来て通級で休むことを経験してみるといった、自分発信ではないこと、目立たないやり方から提案してみるなどもいいかもしれません。

まりまりさんが書かれていたように、良かれと思っていろいろおぜん立てしてみても、本人が受け入れないということはありますよね。本人が安心して取れる手立てでないと意味がないので、いろいろ提案しながら本人が受け入れられるものを探していくしかないですね。まりまりさんの娘さんは、試行錯誤しているうちに、週に1、2回休みながら登校するというよいリズムがつくれてきたようでよかったです。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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