学校施設再整備計画 海老名中は移転方針 有馬小・中は施設一体に
海老名市は4月24日、将来的な児童・生徒の減少に対応した「海老名市学校施設再整備計画」の今後10年間の方針が決定したことを発表した。現在、国分南にある海老名中学校の市役所周辺への移転や有馬小学校と同中学校の統合なども示された。
市は老朽化する学校施設の環境や機能向上を図るため、校舎の移転や新築・統廃合を行い、将来的な児童・生徒数の減少を見据えた再整備計画を進めている。
その中の短期計画として、「海老名中学校敷地移転」「有馬小学校及び有馬中学校の施設統合を含めた効率的な学校運営」「今泉小学校及び今泉中学校の児童・生徒数増加に伴う施設整備」の3つが決定した。今後10年間は市内の児童・生徒数の減少が少ないと想定される中、市はその先を見据えた再整備に取り組む。
将来的は統合も
老朽化が著しく学校敷地が道路で分断されている海老名中学校。ほかにも校舎敷地の大半が借地など、さまざまな課題を抱えている。
そのため方針では、学校を市役所西側地区に移転することが示された。新市街地のまちづくりなどの環境が整った段階で、移転させたい考えだ。また、今後の生徒数減少を見据え、近隣の海西中学校(さつき町)との統合も踏まえた整備とした。
市内初の一貫校
有馬小学校(中河内)は全校児童が約270人で、比較的規模が小さい。将来的に児童数の減少が見込まれていることから、隣接する有馬中学校と統合を図る方針となった。
海老名市初の一貫校として、9年間の学びのカリキュラムによる、より柔軟な児童・生徒に寄り添った学校運営を行うとしている。
一時的な人口増に対応
海老名駅西口地区の開発に伴い、今泉小学校(上今泉)と今泉中学校(同)は、児童・生徒数が増大している。大規模マンションの開発などで今後も人口増加が見込まれるため、軽量鉄骨造校舎を建設し一時的な対応を図る方針が示された。積極的な学区の再編にも取り組むとしている。
再整備の方針に対し内野優市長は、「今回の3地区の計画は重要課題。より良い教育環境をつくるため10年間での再整備を目指す」と話す。伊藤文康教育長は、「児童・生徒が安全で安心な学校に通い、最新の教育環境となるよう、対処的ではない先を見越した整備を図る」と話した。