森保ジャパン、最終予選3連勝を目指してサウジアラビア戦へ。静岡学園高出身の旗手怜央&関根大輝に出場チャンスはあるか
【サッカージャーナリスト・河治良幸】森保一監督が率いる日本代表は10月10日午後9時(日本時間11日午前3時)、最終予選の3試合目となるサウジアラビア戦に臨む。静岡県勢からは静岡学園高出身の旗手怜央(セルティック)と拓殖大学4年の関根大輝(柏レイソル)がメンバーに選ばれている。
これまで日本が勝ったことのないジェッダでの“完全アウェー”の戦いとなるが、9月シリーズで2試合12得点無失点という圧倒的な結果を残した森保ジャパンが、この“鬼門”をしっかりと潜り抜けてホームのオーストラリア戦に繋げてくれることを期待したい。
旗手「まずはチームのために」
旗手は前回の中国戦とアウェーのバーレーン戦で、2試合続けてベンチ外という悔しさを味わった。しかし、現地では練習中に名波浩コーチと2人で話し合う姿も見られ、表情も明るい。旗手は「選ばれたって言うのはやっぱり評価してもらってるということ。まずはチームのためにやりたい」と語る。
9月シリーズに続き、3−4−2−1のシステムであれば2シャドーの左右どちらかに入ると予想されるが、旗手は「一緒にやる選手によって動き方は変わってくる。周りとの連携も見えるというところが、僕はできると思う」と自信をのぞかせる。
静岡学園の5年後輩にあたる関根とは、これまで特別な面識があるわけではなかったという。チームに合流して「ちょっとしか話してないです」と語るが、大島僚太からつながる日本代表での“シズガク”の系譜に、素直な喜びを見せる。
久保建英(レアル・ソシエダ)、南野拓実(モナコ)など、自慢のスカッドを揃える2列目でも、旗手はボールの動かしからフィニッシュワークまで、幅広く攻撃に絡めるところが強みであることは間違いない。ゴールやアシストという、目に見える数字を残すことに対するこだわりを代表でもぶつけていく意気込みだ。
関根「初戦まで時間ない」
関根は同じパリ五輪世代から招集されていたDF高井幸大(川崎フロンターレ)が怪我したことによる追加招集となった。関根は「ちょっとでもアピールしていかないと初戦まで時間もない。自分も試合に出て活躍したいという思いがある」と語るように、良い経験で終わらせるつもりはない。
関根の意識を大きく変えたのが夏のパリ五輪だ。1次リーグを3戦全勝で勝ち上がったが、準々決勝でスペインに敗れて大会を終えることとなった。「最後のスペイン戦で、本当に相手の質の高さに驚いた。帰ってきてから、ひとつひとつのトラップ&パスにこだわっている」という。
ダイナミックさを発揮できるか
3−4−2−1なら右ウイングバックと3バックの右で候補になるが、高井に代わって招集されたことを踏まえると、今回チャンスを得るなら右センターバックである可能性が高い。
板倉滉(ボルシアMG)という9月の2試合でスタメン起用された主力選手はいるが、今回は高井がいない分、右センターバックの二番手を同じくサイドバックを本職とする望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)と争うことになる。
全体の構成バランスを考えても、今後はパリ五輪世代の関根と望月が出場チャンスだけでなく、23人のベンチメンバー入りを争う関係になるかもしれない。
所属クラブの柏やパリ五輪代表では右サイドバックで攻守に奮闘している関根だが、3バックは大学や柏で経験しており、「全然、苦にしていない」と強調する。やはりシステムや戦術よりも、周囲のプレー強度にしっかりと付いていきながら、局面で関根らしいダイナミックさを発揮できるかが出場チャンス、そして試合での活躍の鍵になりそうだ。
9月シリーズの悔しさをぶつけて森保監督へのアピールをうかがう旗手と、追加招集というチャンスを必ずモノにする意気込みの関根。“シズガク”出身の2人がいかに出場チャンスをつかみ、活躍に繋げていくか注目したい。