うつわにグルメに大賑わい!「備前焼まつり」を楽しもう
毎年10月に岡山県備前市のJR伊部駅周辺で開催される「備前焼まつり」。歩行者天国、窯元による備前焼の即売、そして数々の地元グルメ!全国から多くの観光客が訪れる、秋の一大イベントの見どころをおさえて楽しんでくださいね。
「備前焼まつり」とは?
岡山が誇る焼き物の里・備前市伊部(いんべ)に、毎年約10万人もの人々が訪れる備前焼の大イベントが「備前焼まつり」です。JR伊部駅を中心に焼き物のテントが立ち並び、街中が備前焼一色になります。作品や作家さんと直接触れ合ったり、地元グルメを味わったり。2024年で40回目を記念するおまつりを、みんなでたのしもう!
【第40回備前焼まつり】
開催日:2024年10月19日(土)、20日(日)
開催時間:9:00~17:00 ※最終日は~16:00
開催場所:赤穂線JR伊部駅周辺
まつりの旗がたなびく「JR伊部駅」
「備前焼まつり」の朝。赤穂線には臨時列車が走り、JR伊部駅のホームは人があふれるほどです。ぞろぞろと人混みにまぎれながらいざ備前焼の町へ!駅前の信号を渡った先は歩行者天国になるので、思う存分キョロキョロと。備前焼の世界をさまよいましょう。
※おまつりの期間中、JR伊部駅周辺は大変混雑します
特設会場が大集結!「炎の里大通り」
JR伊部駅の目の前からのびる「炎の里大通り」には、備前焼販売の特設会場が大集結。通りの左右にはテントがずらりと並び見きれないほどです。「こんな花瓶ほしかった」「お父さんにいい徳利ないかな」。
室町時代から続く窯元・桃蹊堂
「炎の里大通り」のいんべ駅前公園の先には、室町時代から続くとされる窯元・桃蹊堂のレンガの煙突がそびえています。
【桃蹊堂(とうけいどう)】
所在地:岡山県備前市伊部1527
TEL:086-964-2147
蔦のからまる伊部橋
備前焼本通りと不老川にかかる伊部橋は、風情たっぷりのフォトスポットです。欄干にからまる蔦。ちょこんと佇むお地蔵さん。そして築200年の茅葺屋根の古民家「茅葺ギャラリー陽山居」など。医王山や不老山の山並みとあわせて、こころ和む景色ですよ。
【伊部橋】
所在地:岡山県備前市伊部(伊部2207付近)
不老川のお茶席
不老川には階段でおりられるようになっていて、お茶席が設けられていました。川のせせらぎに野点傘。伊部の町が、自然が、訪れる人をおもてなし。川床から町並みを見上げるもよし。そのまま川を下ってもよし。すぐそばの「履掛天神宮」にも迷いこんでみましょうか。
備前そだちの日本酒をいただきました
備前焼本通りを西へとぶらぶら。人間国宝を父に持つ山本雄一氏のギャラリーの前に、岡山市の蔵元「萬歳酒造(まんざいしゅぞう)」のテントを発見。備前井田(びぜんせいでん)を1杯なみなみといただきました。地元で人気の手作りドーナツ「フロレスタカーロ」の移動販売車の大行列にならんでドーナツもぱくり!シンプルで美味しかった。
「かべりだいまつ」コースへ
今度は備前焼本通りを「天津神社」方面へ。いよいよ賑わいが増してきます。このルートは「備前焼まつり」の前夜祭に、大松明をもった人々が練り歩く行事「かべりだいまつ」のコースになっているんだとか。旧山陽道(西国街道)の古い街並みと、松明の行列。さぞかし幻想的なんだろうな。
ちょっと座って一休み
「天保窯」へ続く路地の入口でちょっとブレイク。さながら野点珈琲!? ハンドドリップでコーヒーを淹れていただきました。喧騒からはなれて、しばし抽出を待ちましょう。
備前焼の器にはこまかい気孔があり、空気が多くふくまれて水やお酒が美味しくなると言われています。保温効果も高く、コーヒーやお茶の器にもふさわしいんだとか。地元の縁起物・わら細工の亀さんを愛でながら、まろやかで香り立つコーヒーをゆっくり味わいました。
ワイルドな魚の炭焼き。野良積みの枝付き枝豆。歩くほどに、地元色がどんどん濃くなっていきますよ。古民家の軒先にかかる備前焼の風鈴。トウガラシや綿の民芸品。「備前焼まつり」の魅力と人気の意味がひしひしと伝わってきます。ローカル最高!
伊部の鎮守さま「天津神社」
「天津神社(あまつじんじゃ)」の鳥居をくぐると、備前焼の赤褐色の世界が山の斜面にひろがっています。山門の瓦に鯱。大きな大きな狛犬。さすがは伊部のまちの総鎮守。町並みからのロケーションに至るまで、とにかくフォトジェニックです。いぬ、ひつじ、ねずみなど、備前焼の十二支もふるえるほどの可愛さですよ。
【天津神社】
所在地:岡山県備前市伊部629
路上で陶芸実演!
「すごい人だかりがだな…」と近づいてみると、作家さんによる陶芸の路上パフォーマンスが行われていました。自在にかたちを変える土のかたまり。羨望のまなざしで取り囲むひとびと。とっても貴重な瞬間に立ち会えました。ライブ感がすごかったです!
念願のマイおちょこ
選びきれないほど並ぶ備前焼の中で、きらりと光る「わたしだけの器」にも出会えました。備前焼らしく、素朴で飾らないマイファースト・マイおちょこ。どんどん使って自分だけの味わいがでるといいな。
「土に飲まれよ」。伊部の町でみかけた何気ない書が、「備前焼まつり」をとてもよく現わしていました。さあみなさんも、備前焼に飲まれに出かけてみませんか?