相模原市体育館 67年の歴史に幕 惜しむ声や不安も
市民のスポーツ・文化活動や相模原の弓道文化を長年にわたり支えてきた相模原市体育館(富士見)が3月末で廃止される。思い入れのある施設が使えなくなることを惜しむ声や他施設への移行を不安に思う声もある中、67年の歴史に幕を閉じる。
市体育館は比較的小規模だが、市役所に面した好立地で、ダンスやレクリエーション、バドミントンなどのさまざまな団体に親しまれてきた。
設立から60年を超え老朽化が課題となっていた2021年、市は財政健全化のために「相模原市行財政構造改革プラン」を策定。その中で指定管理者の更新のタイミングで廃止することと、周辺施設の活用により代わりとなる場所を確保することが決まった。跡地の活用方法は未定。
市は、ほねごりアリーナ(緑区)と相模原ギオンアリーナ(南区)の利用枠を1日あたり1時間分拡大するほか、相模原スポーツ・レクリエーションパーク(小山)内に昨年オープンした多目的室や公民館の利用を促している。
弓道利用に懸念も
市体育館の22年度の利用者数は年間7万4000人ほどで、19万人のほねごりアリーナや32万人の相模原ギオンアリーナと比べると小規模。一方、市体育館の弓道場は他体育館の2倍以上となる2万5000人超が利用しており、今後の活動に懸念の声があがっている。
県立相模原高校の弓道部は今まで、市体育館で週に2回練習してきた。今後は他校やほねごりアリーナに活動の場を移すが、多くても月6回程度に練習量が減ってしまうという。
300人弱の会員が所属する相模原市弓道協会では、市内で活動している会員の8割ほどが市体育館で練習している。他の体育館で引き続き活動できるが、距離を理由に退会する人が既に20人ほどいるという。小川弘事務局長は「これから1、2年はやめる人がさらに出てくるかもしれない」と話している。