新しい海鮮料理に出会える新潟駅前の「新潟 魚 旬 みなも」。
様々な飲食店がひしめくJR新潟駅前に「新潟 魚 旬 みなも」というお店があります。店名からも想像できるように、魚をはじめとした旬の食材で作る和食を楽しめるお店です、ここでしか食べられない料理をたくさん味わうことができるのだとか。落ち着いた雰囲気の店内で料理長の小林さんにお話を聞いてきました。
新潟 魚 旬 みなも
小林 克美 Katsumi Kobayashi
1991年新潟市中央区生まれ。新潟市の飲食店グループが経営する割烹居酒屋で15年間修業を重ね、2023年よりオープンした「新潟 魚 旬 みなも」の料理長として店を任されている。
今も生きている、修業時代の教え。
——早速ですが、小林さんが料理人を目指したいきさつを教えてください。
小林さん:僕は子どもの頃からものを作ることが好きだったので、手に職をつけたいと思って料理人を目指したんです。
——手に職をつけるにしてもいろいろな道があったように思うんですけど、どうして料理人を目指したんでしょうか?
小林さん:祖父の代から料理人の家系だったので、父の勧めもあって料理人を目指すことにしました。専門学校で学ぶよりも現場で学んだ方が効率的だと考えたので、新潟の飲食店グループが経営する割烹居酒屋で修業することにしました。
——なるほど。その修業でどんなことを学びましたか?
小林さん:小さなお店ではめったに経験できないような、ブリやマグロを捌く機会に恵まれたのは勉強になりましたね。おかげで大きい魚の構造を知ることができました。卸す魚の数も多かったので、いやでも仕事を覚えました(笑)
——大変そうですけど、仕事を覚えるにはとてもいい環境だったんですね。
小林さん:あと洋食出身の料理長の下で修業をしたので、洋食のノウハウも教わることができました。ときどき洋食の専門用語で指示されることがあるんですが、わからないことが悔しかったので洋食の本で独学しました。そういう負けず嫌いなところがあるんです(笑)
——その洋食の知識が、今にも生かされていると?
小林さん:おかげさまで、料理に生かされていますね。うちは和食と洋食が融合した「新和食」と呼ばれる創作料理なんです。
——他にも修業時代の経験で印象に残っていることがあったら教えてください。
小林さん:たくさんありますけど、大きかったのは仕事に対する姿勢でしょうか。働きはじめた頃は、とにかく料理長に怒られないためだけに仕事をしていたんです。忙しいから時間を優先して丁寧さに欠ける仕事をしたこともありました。でも料理長から「我々がやっているのは人の命を預かっている仕事なのに、お前の仕事は人を殺しかねない仕事のやり方だ」と怒られたことがあるんです。それ以来、自分の仕事のやり方を見直すようになりましたね。
——料理の仕事でいちばん大切なところかもしれませんね。
小林さん:食べるお客様に対しても食材に対しても、生命にたずさわる仕事だということを肝に銘じて、真摯に向き合うよう心掛けています。「食」という漢字は「人を良くする」と書くじゃないですか。そういう意識を持って取り組んでいますね。
——なるほど。
小林さん:あと大きなお店になると、料理人がお客様の顔を見る機会ってほとんどないんですよ。でも店長を任されるようになってホールの仕事も兼ねるようになったことで、よりお客様を意識して料理を作るようになりましたね。
新しい食の発見がある、非日常的な店を目指す。
——「新潟 魚 旬 みなも」で働くことになったいきさつを教えてください。
小林さん:前のお店を辞めたときは、包丁を置いて別の仕事に転職しようと考えていました。そんなときに知り合いの経営者から「駅前で小さな店をはじめる予定なんだけど、店を任せられる板前を探している」とお声掛けいただいたんです。ひとりで店をやってみたいと思っていたので、チャンスだと思ってお引き受けしました。
——駅前のお店にしては落ち着いた雰囲気ですね。
小林さん:そうですね。落ち着いて料理を楽しんでいただけるよう「駅前にあるけど古町にあるような店」「新潟にあるけど東京にあるような店」を意識しています。
——かなり駅近なお店ですよね。やっぱり県外客が多いんですか?
小林さん:3割くらいは県外のお客様です。駅前で営業する以上、県外のお客様がご来店されることは明らかです。そのお客様に「新潟の魚ってこんなもんか」って思われたら悔しいので、恥ずかしい料理は出したくはないんです。少し値は張ったとしても、納得していただけるような料理をお出ししたいと思っています。
——そのために心掛けていることがあったら教えてください。
小林さん:食材を生かすことは当たり前のことだし、新潟に住んでいる方は美味しい食材を食べ慣れていますよね。だから同じ食材でもいつもと違った食べ方をご提案して、新しい一面を知っていただけるように心掛けています。お刺身は醤油につけて食べるのが定番ですけど他の食べ方をお勧めしたり、和食に洋食の要素を取り入れたりしていますね。
——新しい発見があることで満足度も上がりますね。
小林さん:見たことがないような料理を味わっていただくことで、非日常感を楽しんでいただけるような店にしたいんですよ。
——なるほど。ちなみにお薦めの料理があったら教えてください。
小林さん:カツオのたたきや、なめろうをお薦めしたいです。特になめろうはアジだけではなく、カンパチやトビウオといった色々な魚をお楽しみいただけます。魚の脂と味噌が絶妙に合って美味しいんですよ。それを薬味と一緒に海苔で巻いて召し上がっていただきます。
——お話を聞くだけでも美味しそうですね。
小林さん:有り難いことに「何を食べても美味しい」と仰っていただけることも多いんです。もちろん嬉しい言葉ではあるんですけど、裏を返せば個性がないということにもつながると思うんですよ。だから、いつか看板メニューを生み出して、店名を知らなくてもメニューで覚えていただけるようになりたいですね。
——ちなみに「みなも」という店名にはどんな由来があるんですか?
小林さん:海鮮をメインにしたお店ですから海の水面という意味なんですけど、水面に広がる波紋みたいに皆さまとのご縁を広げていきたいという意味もあるんです。
新潟 魚 旬 みなも
新潟市中央区東大通1-5-27 駅前セーヌビル2F
025-290-7741
18:00-2:00
日曜休