Yahoo! JAPAN

ひとりで生きるけれど「孤独に生きる」のは避けたい…。そのためにできること

ウレぴあ総研

日本の未婚率は年々上昇しています。日本人の生涯未婚率は、2020年時点で、男性約28%、女性約18%と、過去最高を記録しています。2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が生涯未婚者になると予想されています。

「結婚できない」のではなく「結婚しない」という選択をする人が増えてきている今の時代。

一生独身でも何の不自由もない、むしろその方が自分らしく生きられる、と感じている女性も多いことでしょう。

とはいえ、「孤独に生きる」ことは避けたいもの。単身世帯の増加に伴い、孤独死の問題が社会課題として浮き彫りになっています。これは決して高齢者だけの問題ではありません。

孤独に生きるのを避けるためには、周囲や身近な人たちとの関係性を良好にする必要性があります。

一人でも安心して楽しく生きるために知っておきたい、人間関係を良好に保つコミュニケーション術についてお伝えします。

高齢者以外に1万8千人が孤独死している現実…

2025年1月に発売された書籍『マンガでわかる孤独死対策 ひとりぼっ死の後始末』(家の光協会)には、「年間にすると、高齢者以外の人でも約1万8000人が孤独死している」と明記されています。

本書のまんが内では、孤独死のつらいイメージが少しでもやわらぎ、身近なものと感じれるように、孤独死を『ひとりぼっ死』という造語で呼んでいます。

本書に書かれているまんがの主人公・今田仁成は、58歳で『ひとりぼっ死』しました。今田仁成はフリーカメラマン。ペットの猫・ココと共に気楽に一人暮らしをしていましたが、ある日、酒に酔って家に帰ったところ、突然具合が悪くなり急死。幽霊となって自分の死後の後始末に奔走する甥の良介の様子を見ることになります。

もし自分が、親族が『ひとりぼっ死』してしまったら…?

mimot.(ミモット)


「まんがでわかる孤独死対策 ひとりぼっ死の後始末」(家の光協会)より マンガ/浅田アーサー 

本書の主人公の仁成は、運良く通報により早期に発見してもらうことができました。その後、甥の良介が葬式や諸々の処分、相続などの手続きをやってくれました。長らく疎遠だったにも関わらず、です。

実際はそうスムーズにはいかないでしょう。孤独死は、今後の日本の一層深刻な問題になることは間違いありません。

一人の生活は確かに気楽です。しかし、やはり日頃から周囲や身近な人たちとの関係性は良くしておいた方が、いざというとき安心できます。

・ご近所さんとコミュニケーションをとる

(引越し時の挨拶は必ずする、日頃から感じの良い挨拶を心がける、等)

・仕事が忙しくても友人や家族とは定期的に連絡を取るようにする

などは、普段から意識して心がけたいものです。

『マンガでわかる孤独死対策 ひとりぼっ死の後始末』(家の光協会)の中には、自分や親族が孤独死してしまった際の対応法や、孤独死しないための対策について、具体的かつ分かりやすくまとめられています。テーマは重いですが、あたたかい雰囲気のまんがで、無理なく読み進めて行くことができます。ぜひ手に取ってご覧になってみてください。

「孤独に生きる」を避けるコミュニケーションのコツとは?

mimot.(ミモット)

一人で生きる決断をしている人の中には、他人との心の深い交流を避けている人も少なくありません。人間関係は確かに煩わしいことも多いですが、孤独は心身の健康に悪影響を及ぼします。一方、人との心の繋がりを実感できていると、いざというときに頼りにできるだけでなく、充実感や幸福感が増します。

ここからは、孤独に生きるのを防ぐために、周囲や身近な人たちとの心の繋がりを強くするコミュニケーションのコツについてお伝えします。

自己開示する

他人とのコミュニケーションにストレスや疲れを感じ、避けてしまう傾向にある人は、「人にどう思われるか」を気にしすぎて、本来の自分を必要以上に隠してしまっていることが多いようです。ですが、自分から心を開かずに他人と打ち解けるのは難しいでしょう。

他人と良い関係性を築いている人は、よく『自己開示』をしています。『自己開示』とは、ありのままの自分の情報や気持ちを相手にさらけ出す、打ち明けることです。

特に、苦手なことやダメな部分、失敗話などは、心の距離がぐんと近づきます。「この人にもこんな一面があったんだ」「自分と同じような思いを抱いているんだな」と思ってもらえて、親近感と安心感が増すのです。すると、相手も本当の自分を見せてくれるようになり、コミュニケーションが楽になります。

身近な周囲の人たちに自分のことをよく知っておいてもらえると、いざ異常事態が起こったような時も、気にかけてもらえます。

「話を聞く」を大切に

コミュニケーションが苦手と感じる人ほど、「何を話せばいいか」に集中しがちです。おもしろい話をしなければ、役立つ話をしなければ…と思えば思うほど、精神的に疲弊し、会話はぎこちないものになります。

人は、“自分の話に興味を持って熱心に聞いてくれる人”に好感を抱きます。他人とのコミュニケーションは、自分が話すことより、『話を聞く』ことを大切にしましょう。

相手が話している最中にスマホやパソコンをいじる『ながら聞き』は嫌われる行為です。また、相手が話している途中で「そういえば私も~」などと割り込んで話す『会話泥棒』も嫌われます。

話を聞くのが上手な人は、相手の顔を見てバリエーション豊かに相槌をうち、表情や言葉で共感を示します。

相槌の際は、相手の言葉をそのまま繰り返す『オウム返し』(心理学用語では『バックトラック』と言います)をすると、話を熱心に聞いてもらっている感覚が増します。

物事に対する見方を増やす

物事に対する見方が1つしかないと、他人の言動に嫌悪感や拒絶感を抱くことが多くなります。

物事には、必ず2つ以上の見方があります。物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、新しい視点を与えることを、心理学の技術で『リフレーミング』と言います。

(例)

「大雑把でだらしない」→「おおらかで細かいことは気にしない」

「言うことがコロコロ変わる」→「柔軟性がある」

リフレーミングができるようになると、今までだったら「嫌な人だな」「許せない」と思っていた人も受け入れられるようになり、人間関係の幅が広がります。人間関係でストレスを抱えやすいと感じている方は、ぜひ専用の『リフレーミングノート』を作って、物事の見方を増やすことにチャレンジしてみてください。

***

孤独な人生になるかどうかは、築いてきた人間関係で大きく変わります。あなたの周りには、信頼できる人や心の拠り所となる存在はいますか?もし見当たらない場合は、今回ご紹介したコミュニケーション術を活用して、新たな繋がりを築いてみてください。

【参考】『マンガでわかる孤独死対策 ひとりぼっ死の後始末』(家の光協会)

(mimot.(ミモット)/黄本 恵子)

【関連記事】

おすすめの記事