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マンガ『火の鳥』の世界観を見せる、「手塚治虫「火の鳥」展」が2025年5月25日まで、六本木『東京シティビュー』で開催中

さんたつ

hinotoriten_KV_yoko(C)Tezuka Productions小

原画を中心として、映像、関連資料、『火の鳥』の世界観を表現したグラフィックまで、計約800点以上が展示。壮大な叙事詩を生命論の視点から読みとく“手塚治虫「火の鳥」展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡(どうてきへいこう)=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴-”が2025年5月25日(日)まで、東京都港区の『東京シティビュー』で開催されている。手塚治虫「火の鳥」展キービジュアル (C)Tezuka Productions

マンガ『火の鳥』と眺望が融合した新感覚の没入体験を味わう

プロローグ 火の鳥・輪廻シアター イメージパース ※イメージ画像。

『東京シティビュー』のエントランスには、「プロローグ 火の鳥・輪廻シアター」と題して、『火の鳥』の作品世界が空間全体にダイナミックに展開される。展望台の窓面、複数の大型モニター、床面すべてを通して、『火の鳥』の魅力や奥深さを伝え、マンガと眺望が融合した新感覚の没入体験が生み出される。中央の画面には、粒子の動きで表現した「動的平衡」のイメージに重ねて火の鳥が飛翔しているオリジナル映像が流れ、左右6基のモニターには「黎明編」から「太陽編」まで主要12編の中から、名シーンがランダムに表示される。大迫力の空間から幕を開け、期待に胸が躍りそうだ。

広報担当者は「本展の見どころは、『火の鳥』の『生と死』『輪廻転生』といった哲学的なテーマを表現した壮大な世界観を、企画監修を担当する福岡伸一氏を道先案内人として、新たな生命論の視点から『火の鳥』の意味を読みとくところにあります。作者・手塚治虫氏が描くことを約束しながら果たせなかった物語の結末を、そして生涯をかけて表現し続けた『生命とはなにか』という問いの答えを、ぜひ一緒に見届けていただけたらと思います」と語ってくれた。

時空を超えて変容する“いのち”の象徴として描かれる火の鳥。東京の絶景が広がる展望台で、生命が多様に輝く美しい世界をぜひ体感してみよう。

『火の鳥』の世界観を3章に分けて展開

「COM」創刊号 表紙 (C)Tezuka Productions。

全3章に分け、マンガ『火の鳥』の壮大な魅力を余すことなく伝える本展。

『火の鳥』では、紀元前から西暦3000年を超える未来に至る時間軸とともに、邪馬台国から果ては宇宙のかなたへ広がる物語の舞台まで、時空を超えた壮大な叙事詩が連作されている。第1章では、この複雑な物語構造を明らかにし、作品舞台の時代背景とともに年表形式によってたどっていく。また、この偉大な物語を手塚治虫はどのように発想し、構想を深めていったのか。創作の原点にも迫る。

第2章「読む!永遠の生命の物語」では、主要12編(「黎明編」から「太陽編」まで)の直筆原稿が約400点展示されるのが見どころ。火の鳥は、その生き血を飲めば不老不死になれると信じられ、生に執着する人間を翻弄しながら物語を動かし、人類の来し方行く末を常に見守る存在として描かれている。“火の鳥”は、いったい何を象徴しているのか。「生命とは何か」という問いにどのような答えを示そうとしたのか。福岡氏が読みとき、観る者とともに考えさせられる内容となっている。

『火の鳥』ヤマト編 (C)Tezuka Productions。

第3章「未完を読み解く」では物語の結末に注目。35年もの間『火の鳥』を描き続け、物語の結末について問われたとき「死ぬときに描いてみせる」と言明した手塚治虫。しかし未完のまま終わった作品をどのように完結させる予定だったのか。永遠の生命をもつことは幸せなのか?——生命は、有限であるがゆえに輝く——『火の鳥』最大の謎に福岡氏が1つの答えを導き出していく。

また会場内では、現代美術家・横尾忠則氏と福岡氏が『火の鳥』について語り合う対談映像も上映。横尾氏が描いた『火の鳥』が展示されている。

横尾忠則氏。
『火の鳥』鳳凰編 (C)Tezuka Productions。
『火の鳥』鳳凰編 (C)Tezuka Productions。

本展でしか手に入らない限定グッズにも注目

ホログラムステッカー各605円。

ミュージアムショップには、ホログラムステッカーをはじめ、切り絵ブックマーカー、豆皿、眼鏡ケース、ボールチェーンマスコットなど限定グッズがずらり。さまざまなジャンルのグッズがそろい、デザインのバリエーションが豊富なのも魅力だ。

ボールチェーンマスコット2640円。
眼鏡ケース1980円。
豆皿(丸/扇)各1430円。
切り絵ブックマーカー (はばたき/フェイス)各550円。

開催概要

手塚治虫「火の鳥」展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡(どうてきへいこう)=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴

開催期間:2025年3月7日(金)~5月25日(日)
開催時間:10:00~22:00(最終入館は~21:00)
休館日:無
会場:東京シティビュー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F)
アクセス:地下鉄日比谷線六本木駅から徒歩3分、地下鉄大江戸線六本木駅から徒歩6分
入館料:平日:一般2300円、高校・大学生・専門学校生1700円、4歳~中学生800円、65歳以上2000円
土・日・祝:一般2500円、高校・大学生・専門学校生1800円、4歳~中学生900円、65歳以上2200円
※全日日時指定制。チケット販売はチケットカウンター(六本木ヒルズ森タワー3F)、東京シティビューオンラインチケット、 イープラス、 ローソンチケット、 アソビューにて。

【問い合わせ先】
東京シティビュー☏03-6406-6652
公式HP  https://hinotori-ex.roppongihills.com/

取材・文=前田真紀  ※画像は主催者提供

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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