東京都墨田区での子育て体験談。子育て支援情報や子育てにおすすめのエリアを紹介
都内在住の一人娘の新米パパです。建築・不動産法務の専門家として、住宅環境や住まい選びに知見が豊富です。墨田区は、昔ながらの下町文化と現代の利便性が調和する、まさに暮らしやすい街です。アクセスのよさ、公園や商業施設の充実、そして区の手厚い子育て支援制度に惹かれ、わが家は墨田区を新たな拠点として選びました。本記事では、わが家の体験と公式データをもとに、墨田区での子育ての魅力をお伝えします。
墨田区で子育て中
まずは、墨田区の概要や子育ての地として選んだ理由を紹介します。
墨田区の概要
墨田区は東京都23区の東部に位置し、2025年4月1日時点の調査によれば、人口は28万7,766人、世帯数は17万1,082世帯です。下町情緒あふれる歴史ある街として名を馳せつつ、東京スカイツリーやすみだ水族館など、現代的な魅力も併存しています。
都心へのアクセスに優れ、JR総武線・半蔵門線・東武線など複数路線が通り、通勤や買い物にも便利です。住環境としては、住宅地と商業施設、公園がうまく混在するバランスのよい街です。
わが家が子育て環境に墨田区を選んだ理由
現在、墨田区で一人娘と暮らす私が、墨田区を選んだ理由を紹介します。
墨田区を選んだ理由(1)交通が便利で都心へのアクセスがよい
多方面への移動がスムーズです。具体的には、東京、千葉、横浜方面、成田空港へのアクセスは容易で、遠出にも便利です。子どもとの行動範囲を容易に広げることができます。
墨田区を選んだ理由(2)公園、緑や川などといった自然が多い
錦糸公園や隅田川沿いの緑地など、自然に触れ合える遊び場が充実。水場のある公園もあるので、夏場に子どもが大喜びするスポットも多数あります。
墨田区を選んだ理由(3)下町ならではの地域コミュニティの温かさ
小さな交流や世話好きのご近所さんなど、人とのつながりを感じる環境です。特に東武線沿線は下町感たっぷりで、コミュニティの温かさを感じます。
実際どう?墨田区の子育て
数字で見る墨田区の子育て事情
墨田区の総人口は、2024年4月1日時点で28万5,784人。そのうち、年少人口(0~14歳)は、2万7,422人(2024年4月時点)です。
公設公営保育園:19園
公設民営保育園:8園
私立含む認定こども園:63園
待機児童に関する最新のデータは見つけられなかったものの、保育園やこども園の数からも待機児童の解消について墨田区が力を入れていると感じます。
また、学童クラブ待機児童の対策計画も進められており、共働きでも子育てができる環境が整いつつあります。
墨田区の子育て支援情報
墨田区では「墨田区こども計画」に基づき、切れ目のない支援を展開しています。以下、特徴的な制度を5つご紹介します。
子育て支援情報は、毎年更新があります。最新情報は、墨田区の公式サイト等で確認してください。墨田区の子育て支援(1) 出産・子育て応援交付金給付
出産世帯に現金10万円(子どもが1人の場合)または電子クーポンの還元があります。わが家は、これらのポイントを活用して、ベビーカーの購入やおむつやお尻拭きなどの赤ちゃん用品を購入しました。
区内共通ポイントは、区内の西松屋や薬局でも使用できるため、家計に非常に助かりました。具体的な適用内容は年度によって異なるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。墨田区の子育て支援(2)すみだ住宅取得利子補助制度
区内で住宅を取得した子育て世帯を対象に、住宅ローンの利子の一部を補助する制度です。この制度を利用すると、住宅ローンの支払利子から年間最大10万円、5年間で最大50万円まで補助されます。長期的に安定した居住を支援しています。
子どもが増えると、広いお家が欲しくなりますよね。人生で大きな買い物になる住宅購入ですが、その分、利子も数百万円規模になることもあるので、このような補助制度があると大変ありがたいです。墨田区の子育て支援(3)児童扶養手当(ひとり親家庭への育成手当)
ひとり親家庭を対象に「児童育成手当」を支給する制度があります。これは、児童を監護・養育しているシングルマザーやシングルファーザーの家庭に対し、経済的負担を軽減することを目的としています。手当の対象は、18歳に達した後の最初の3月31日までの児童を扶養している方。1人当たり月額で一定額が支給されます。
生活費や教育費の一部をカバーできるため、子どもに必要な体験や学習機会を確保するための重要な支援となります。(2025年8月30日時点)墨田区の子育て支援(4)すみだファミリー・サポート・センター
「すみだファミリー・サポート・センター」は、子育てを助けてほしい人と支援できる人をつなぐ会員制の相互援助の仕組みです。保育園や習い事の送迎、一時的な預かりなどを依頼でき、料金は平日昼間なら1時間800円、夜間や土日祝日は1,000円です。
2人目以降は半額になるため、きょうだいで利用しやすいのも特徴です。預かりは主にサポート会員宅ですが、合意があれば依頼会員宅での短時間預かりも可能です。突発的な残業の際などにも相談でき、地域のネットワークを活かした心強い支援制度となっています。墨田区の子育て支援(5) 訪問型保育支援事業“はぐHug”(病後児・一時預かりサービス)
墨田区では、区が認定した子育てサポーターや病後児サポーターが自宅に訪問して子どもを一時的に保育する「すみだ子育て支援ネット『はぐ(Hug)』」というサービスを提供しています。
利用には事前登録が必要で、区または委託運営者が訪問して登録手続きを行います。登録後、必要に応じて相談・申請を行う仕組みです。(登録料:1,000円/世帯)
子どもを保育園に入れると直面する風邪の連鎖。体調不良の子どもや感染症完治後すぐの子どもは保育園では預かってもらえないので、その場合の一時預かりサービスは、働いている親世代にとっては大変重宝します。
墨田区での子育て体験談
ここからは、実際に墨田区で子育てしていて感じる魅力や、子育てに役立つスポットをご紹介します。
墨田区で子育てをする魅力
墨田区で子育てをしていると、下町ならではの人とのつながりを日常の中で強く感じます。道で子どもと歩いていると「大きくなったね」「元気だね」と声をかけてくれるご近所の方も多く、地域全体で子どもの成長を見守ってくれている安心感があります。
都心に近い便利な立地でありながら、人との距離が近く、子育て中の親にとって心強いサポートにつながっています。
私自身も、急な残業で子どもの預け先に困ったとき、地域のファミリー・サポート・センターを通じてサポーターさんにお願いした経験があります。初めての利用で少し不安もありましたが、子どもは楽しく過ごせたようで「また遊びたい!」といってくれました。こうした地域に根づいた支えがあることで、安心して子育てができています。
下町情緒あふれるまちの雰囲気と、都会的な便利さが同居しているのが墨田区の大きな魅力です。日々の生活の中で、地域の温かさに触れながら子どもを育てられることは、他の都市部ではなかなか得られない貴重な環境だと感じています。
墨田区の子育て環境
子どもが遊ぶ場所が多く、児童館や公園も充実。スカイツリー周辺など観光エリアにも徒歩圏内で、週末のお出かけにも困りません。子ども同士の関わりも自然と生まれやすい環境です。ここでは実際にわが家も利用している子育て施設を紹介します。
墨田区の子育て環境(1)墨田児童会館
墨田児童会館では、遊戯室(幼児室)に遊具や絵本、紙芝居などが豊富にそろえられており、親子で自由に利用できる居心地のよい空間です。子育て世帯の親子が気軽に訪れられるよう、遊具や子育て雑誌、紙芝居の展示など、配慮された環境づくりがされているなと感じます。
館内には遊戯室に加え、乳児室、図書室、音楽室、体育室など多様な専用スペースがあり、子どもたちが遊びや学びを通して豊かな体験を得られる場として活用されています。
さらに、子育て相談や専門家による講座が定期的に実施され、子育てに関する不安や悩みを気軽に相談できる環境が整っています。また「乳幼児ひととき預かりサービス」により、保護者のちょっとした用事や気分転換に、短時間だけ子どもを預けられる柔軟な支援も行われています。
施設名:墨田児童会館(フレンドリープラザ墨田児童会館)
所在地:東京都墨田区墨田二丁目30-15
アクセス:東向島駅から徒歩10分
営業時間:平日 9:00-20:00
土・日・祝 9:00-19:00墨田区の子育て環境(2)墨田区両国子育てひろば
「墨田区両国子育てひろば」は、親子が遊びを通じて自然に交流できる居心地のよい場所です。館内ではおもちゃや絵本を自由に楽しめるほか、リトミックやベビーマッサージ、わらべうたなど、多彩なイベントが定期的に開催されています。
また、育児や発達に関する相談をはじめ、栄養や授乳の専門的なサポートも受けられるため、初めての子育てで不安を感じている保護者にも安心の施設です。子どもを遊ばせながら気軽に相談できるので、地域の子育て仲間とのつながりが自然と広がるのも魅力といえます。
私も初めて娘を連れて訪れたときは、場所に慣れず不安そうにしていたのですが、スタッフの方が優しく声をかけてくださり、すぐに安心して遊び始めました。遊びに来ていた同じ年齢の子どもを持つ親御さんとも自然に会話が広がり、「今こんなことに困っている」といった悩みを共有できたのは大きな安心につながりました。イベントに参加したときも、子どもが音楽に合わせて体を動かしている姿に成長を感じられて、とても嬉しかったのを覚えています。
施設名:墨田区両国子育てひろば
所在地:東京都墨田区横網一丁目2-13 ヒューリック両国リバーセンター2階
アクセス:JR両国駅西口より徒歩5分
営業時間:火〜日 9:30〜17:30
定休日:月曜日・祝日・年末年始墨田区の子育て環境(3)隅田公園
隅田公園は、春には桜、夏には花火大会の名所として親しまれている公園です。広々とした河川敷では、子どもが思い切り走り回ったり、自転車やボール遊びをしたりと、自然に触れながらのびのびと遊べます。四季折々の景色を楽しめるため、親子で季節の移ろいを感じながら過ごすことができます。
また、公園内や周辺にはすみだリバーウォークなどの観光スポットもあり、散歩やピクニックを兼ねて立ち寄ることも可能です。休日には家族連れや観光客でにぎわい、地域の交流の場にもなっています。
春には娘を連れて桜を見に行ったことがあります芝生で遊ばせながらお弁当を食べる時間がとても幸せでした。夏の花火大会では少し早めに場所取りをして、川沿いで涼みながら花火を楽しみました。娘も大喜びでいい思い出になったと思います。
隅田公園は、自然と触れ合える遊び場としてだけでなく、親子の交流や地域のイベントを楽しむ場としても、墨田区での子育てに欠かせないスポットです。
施設名:墨田区立隅田公園
所在地:東京都墨田区向島一・二・五丁目
アクセス:とうきょうスカイツリー駅より徒歩10分
墨田区の住まい事情
住まい事情として、特に気になるのは「広さ」と「家賃相場」ではないでしょうか。ファミリー向けとしては、2LDK以上の間取りであれば、子ども部屋も確保しやすく暮らしやすいと思います。
墨田区の家賃相場を見てみると、ファミリー向けの2LDKは、23.54 万円、3LDKは、27.97万円でした。隣の葛飾区は、2LDKが16.34万円、3LDKが18.31万円となっています。
比較すると墨田区の方が相場は高めですが、JR総武線、東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄浅草線など、多彩な路線が利用可能で、都心へのアクセスが良好なため、通勤通学にも便利です。
また、東京ソラマチや隅田公園など子ども連れで楽しめる施設も豊富なため、子育て世帯にとっては生活しやすいと感じます。
墨田区の子育て世帯におすすめエリア
墨田区で子育て世帯におすすめのエリアを3つ紹介します。
墨田区の子育て世帯におすすめエリア(1)錦糸町駅周辺
JR総武快速線と東京メトロ半蔵門線・総武線が乗り入れる錦糸町駅は、交通アクセスに優れた拠点です。大型商業施設「オリナス」や「テルミナ」や、西松屋、ベビーザらスなど育児グッズの充実度も高く、急な買い出しにも対応できます。
さらに、錦糸公園は遊具・広場が充実しており、週末のファミリーのお出かけ先としてもおすすめです。
墨田区の子育て世帯におすすめエリア(2)押上駅周辺
東京スカイツリーを中心に広がる押上エリア。カフェ・商業施設の充実度が高く、休日も楽しみが豊富です。
「すみだ水族館」や「プラネタリウム(コニカミノルタ)」は親子での体験にもぴったり。また、すみだリバーウォークを通り浅草へ徒歩で行けるのは大きな魅力。周辺には隅田公園や東武橋緑地などゆったり過ごせる緑地も点在しています。観光地ならではの利便性と遊びどころの多さは、日々の育児にちょっとした刺激とゆとりを与えてくれるでしょう。
墨田区の子育て世帯におすすめエリア(3) 向島百花園周辺
向島百花園周辺は、園内のせせらぎや四季折々の自然を身近に感じられる環境が魅力です。春には桜や梅、夏にはホタルや緑の風景、秋には紅葉、冬には落ち葉の香りなど、四季を通して自然と触れ合うことができます。
このエリアのもう一つの特徴は、昔ながらの長屋文化や下町の風情が色濃く残っていることです。細い路地や昔ながらの商店街、地域の人々の温かい交流があり、地域コミュニティがしっかりしているため、子育て世帯にとって安心して暮らせる環境となっています。
わが家も休日に娘を連れて向島百花園を訪れることがあります。子どもは小川のせせらぎで水遊びを楽しみ、花や木々に触れる中で季節の変化を自然に学んでいました。また、近所の方々から「元気に遊んでいるね」と声をかけてもらったり、地域の子どもたちと一緒に遊んだりと、親としても安心感を持てました。
墨田区は子育て支援が充実。地域の温かさを感じながら子育てできる街
墨田区は子育て支援制度の充実や保育施設の整備、地域のあたたかさ、交通の利便性、住環境、文化の魅力がバランスよく整った街です。親子で安心して暮らせる環境があり、都心へのアクセスも良好でありながら、下町ならではの温かみや地域コミュニティのつながりを感じられる点も大きな魅力です。
公園や児童館、子育てひろばなど、子どもがのびのび遊べる場所も多く、親同士の交流や子ども同士のふれあいも自然に生まれます。都内で子育てを考えている方は、ぜひ墨田区も候補に入れてみてください。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。