飲む金木犀!?中国発祥のお茶が今日本で注目 【山梨県富士吉田市】
街角で愛される秋の香り、金木犀(きんもくせい)。日本では観葉植物として、また香水の香りとしても、老若男女に人気ですが、中国では桂花茶(けいかちゃ)といい、お茶としてはるか昔9世紀以前から飲まれてきました。今回は実際に桂花茶を飲んでみた感想や、日本での金木犀の歴史についてお伝えします。
飲む金木犀
10月に入り、街中で甘くて優しい金木犀の香りがし始めると、秋の始まりを感じます。日本では、香りのイメージが強い金木犀ですが、中国ではお茶として楽しまれています。その名も、桂花茶。花のお茶と書いて、花茶(はなちゃ)という技法は宋〜明の時代に広まり、桂花(日本でいう金木犀)は中国の江南(こうなん)エリアを中心に菓子や酒にも用いられてきました。
効能が多く、健康的な桂花茶
桂花茶は、紀元前の時代から宮廷や貴族の間で重宝されています。中国では人工栽培が少なくとも2000年以上にわたり行われてきたという記録があります。芳醇(ほうじゅん)な香りは心を落ち着かせるとともに、消化も助けるといわれていて、体にも良いというメリットもあります。近年では健康志向の高まりとともに人気が再燃し、季節と文化を映す香りの茶として、伝統と現代の感性をつなぐ存在となっています。
日本への上陸。取扱店舗急増中
そもそも金木犀は日本原産ではなく、江戸時代に中国から持ち込まれました。そのため、日本では昔からメジャーな飲み物ではありません。桂花茶を購入できる場所はまだまだ少なく、日頃見かけることはあまりないかもしれません。しかし、この夏、無印良品で「金木犀&烏龍茶」というブレンド茶葉が発売されるなど、徐々に桂花茶を取り扱うお店が増えており、手頃に楽しむことができるようになってきました。
実は、私自身、金木犀の香りがする香水を4、5種類持っています。香りと結びつきのある思い出も多く、花が咲いていない時期でも香りを楽しみたいと思うほど、とても好きな香りです。
桂花茶を飲むと、好きな香りが鼻を抜け、優しい甘さと共に体が温まります。香りが好きな人ほど、まずは一杯を試してみる価値があると思います。