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魔法がはじまる場所「フォーブル・サントノーレ」

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魔法がはじまる場所「フォーブル・サントノーレ」

2024年、エルメスの年間テーマは「フォーブルの魂」である。パリでいちばん有名な住所が生まれた陰に、ひとりの女性の存在があった。

フォーブル・サントノーレ24番地に位置するエルメス第一号店。屋上には、スカーフを持った騎馬像「花火師」が設置されている。この像は1987年、エルメスの創業150周年の祝賀に行われたセーヌ河上での花火の際に使用されたもので、以後、花火をスカーフに持ち替え、店舗の守護神となっている。©Studio des Fleurs

 春のエルメスの店頭には、たくさんの「24」の文字が躍ることだろう。これはエルメス・ファンなら、ピンと来る数字だ。パリ、フォーブル・サントノーレに位置するエルメス第一号店の番地なのだ。もしかするとパリで一番有名な住所かもしれない(今でもガイドブックを片手に大勢の買い物客が押し寄せる)。

 馬具商であったエルメスがこの地に移ってきたのは1880年。創業者ティエリ・エルメスの息子、シャルル=エミール・エルメスが当主を務めていた時代である。さらにその息子エミール・エルメスは、1924年に土地・建物を買い取り、社屋を改造してほぼ現在に近い設えとした。

 実はこのとき、エミールには不動産を買う資金がなかった。そこで妻のジュリイが助け舟を出した。ふたりが結婚してから22年間が経っていたが、ジュリイは父が何かあったときのために持たせてくれた持参金を、遣わずにそのまま取っていたのだ。彼女はそのお金を差し出した。持つべきものは賢妻である。

 2024年のエルメスの年間テーマは、The spirit of the Faubourg (フォーブルの魂)である。エルメスの「聖地」をモチーフにしたさまざまなアイテムがリリースされる予定だ。敬うべき女性に思いを馳せつつ、歴史を紡ぐ逸品たちを入手されたし。

フォーブルのルーフトップで美しい雄鶏が花火師のお供をしている様子を描いたスカーフ《ココリコー!》。

左:ふたつのHで形作られる《H リフト》のタイ。この模様はフォーブルのエレベーターの鉄細工をモチーフにしている。 右:ブティックに用いられている意匠を取り入れた《フォーブルのモザイク》のタイ。

24の数字があしらわれたメンズモカシン《ケネディ》。プレッピースタイルにレトロとカレッジのアクセントを加えて。

フォーブルのさまざまなテーマに対応したワッペンが縫い付けられたスニーカー《イリコ》。左右で異なるワッペンが取り付けられている。

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