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【ワンオペ】イヤイヤ期の娘(2才)と2人で新幹線に乗って旅行したらこうなった

ロケットニュース24

私の娘は現在2才と3ヶ月。ハードな時期である。育児をすでに経験された方、あるいは今まさにされている方はお察しだろうが、妻と私は心身ともに削られまくる日々を過ごしている。「魔の2歳児」は誇張表現でもなんでもない。

もちろん、個人差はある。すべての2才児が大変と言うわけではないものの、私の娘は1日に500回くらい「イヤ」と言っていると思う。ご飯を食べるのもイヤ。パンじゃなきゃイヤ。パンを出したら「パンはイヤ」……。

そんな娘と2人っきりで、新幹線に乗って旅行に行ってみた。正直なところ、出発前日の夜は「俺はなんて無謀なことを計画したんだ」と思っていたが、実際にやってみると……

・マジで行って良かった

結論から言うと、アリだった。心の底から「行って良かった」と思った。ただし、同時にこうも思う。準備がすべてだと。もっと言うならば、準備を怠ると地獄を見るだろうと。

そこで、私が事前に用意していたもの等を紹介していきたい。まずは、買っておいたオモチャなのだが、その写真を撮って……ちょっと待て!

なんじゃこりゃああああ!

娘よ、父のジャージのポケットに勝手に恐竜入れんな! スマホを取り出そうと思って手を入れたらビックリしたやないか!!

……失礼。思わず取り乱してしまったが、早い話が家の中で写真1つ撮るのも苦労するのが今の私の生活でもある。

こんな状態で果たして新幹線に乗れるのか? しかもワンオペ。不安しかなかったので、そのぶん準備にも気合が入った。何をしたかは以下で紹介していこう。

その1:娘がお昼寝する時間帯に出発する新幹線を予約

シンプルながら最も重要だと思うのがコレである。子供の昼寝の時間帯に合わせて移動の予定を組むこと。狙いはもちろん、車内で寝てもらうため。もし寝てくれたら、これほど楽なことはない。

ちなみに、JR東海によると「こども料金」がかかるのは6才から12才未満。2才だったら無料で乗れる。ただ、無料の恩恵をこうむろうと思ったら、私が膝の上で娘をずっと抱っこすることになる。

うーん、大丈夫だろうか? 隣の人がクレーマーっぽい人だったら旅行が台無しになるかも……とビビったので、結局はこども料金で娘の分も席を取った。それで楽にはなったが、あとで考えると不要だったかも。

その2 :新規のおもちゃを持参

ここで重要なのは、新規のおもちゃってこと。つまり、新幹線に乗ってから初めて娘に見せる。それまでは隠しておくという作戦が、今回は見事にハマった。個人差はあるだろうが、その方が食いつきがいいし、長く集中してくれるのではないか?

なお、上のおもちゃはぜんぶ100均で揃えたので、費用は数百円。もちろん家に帰ってからも使っている。

その3:食べるのに時間がかかるお菓子を持参

お菓子の時間はすなわち娘が静かになる時間。なるべく長く続いて欲しいので、噛んで飲み込むのにそこそこ時間がかかるものを用意した。

そんなの時間的には数分の差でしょう? と思うかもしれないが、その数分が大事なのだ。あと当然ながら、だからといって噛めないようなものや幼児の口に入らないほど大きいお菓子はマジで危険だからやめよう。

その4:最後の砦iPad

そして最後の砦がiPad。これを出すと、おそらく娘は速攻でYouTubeのアプリを開くだろう。

我が家はなるべく動画を見せないようにしているが、今回ばかりは仕方がない。おもちゃとお菓子が突破されたら、YouTubeという名のゴッドにすがるしかないのだから。

ついでに言っておくと、YouTube神の攻撃力を最大化するために、数日前にYouTubeプレミアムに加入済み。オフライン再生という最強の一撃があれば、さすがになんとかなる……はず。

・旅行当日

こうして迎えた旅行当日。目的地は京都で、泊まるのは私の実家である。京都駅に着いたら私の親が迎えに来てくれているが、それまではワンオペだ。

ちなみに、旅行に必要な着替え等はすでに宅配便で実家に配送済み。やれることはすべてやったような気がするが……なにか抜けてはいないだろうか? 不安を抱えながら、新幹線に乗車した。

席に着くと、娘のテンションは予想以上に上がりまくっている。人生初の新幹線……というか、なにか特別なことが始まる予感に興奮を抑えきれない感じ。

マズい。マズすぎる。経験的に分かる。この雰囲気は寝ないぞ。下手したら、京都までずっと起きてるかもしれん。

仕方がない。こうなったら気持ちを切り替えて、用意したおもちゃ(シール帳)の1つを出すか。

お! 食いついた!

とりあえず写真を撮って……

って待て!

よく見たら、弁当とか置くトレーにシールを貼っとるやないか! やめろやめろ! そこは貼るとこちゃう!!

慌ててシールを剥がし、娘がシール帳にきちんと貼るように誘導していく。「これはどこに貼る?」なんて言いながらシール帳をめくっていると、シールの量が結構あることに気づいた。

よし、これだけのシールがあれば富士山が見えるくらいまでは持つのではないか? そのあたりでおやつタイムにして……と計算していたら娘の動きがスローになっているような……。

おや?

これはもしかして……

寝たーーー!

メチャクチャ早い段階で寝たーーーーー!!

新横浜すぎたくらいで寝たーーーーー!!!!

準備の勝利!!

圧倒的勝利――――!!!!

こうして娘は京都に着くまで起きることはなく、無事に両親と合流。

それから数日間を京都で過ごし……

帰りの新幹線でも、娘はシール帳で遊んだら……

すぐに寝た

あまりにも楽勝だったので拍子抜けすると同時に、2歳児を連れて新幹線に乗ることにそこまでビビる必要はなかったとつくづく思う。

まぁ確かに、新幹線の車内でイヤイヤが爆発して2時間以上も騒がれることを想像するだけでゲンナリするし、それがワンオペだったら地獄である。しかも最近は「車内で泣く赤ちゃんに老人がブチギレ」みたいな動画がSNSで話題になっていたりもするから余計に怖い。

だけど、そのようなネガティブ面を気にしすぎたらもったいない。というか、キリがない。そもそも、冷静に考えればイヤイヤ期ってメチャクチャ可愛い時期である。大変さだけがピックアップされがちだが、そうじゃない。

言葉づかいといい、体の動かし方といい、甘え方といい、チート的な愛らしさが爆発している。「目に入れても痛くない」とはこのことか! という感じである。

そんな尊い存在と一緒に旅行できるなんて幸福以外の何物でもない。だからまた近いうちに一緒に旅行しよう……

と思いながら家に帰ったら、娘が玄関で靴を脱ぐのを嫌がって大泣きし、挙げ句の果てに私のポケットからスマホを奪って床に投げつけた。おい、マジで勘弁してくれ。

──というわけで、1日に何度も「マジで勘弁してくれ」となる日常を過ごしているのだが、にもかかわらず「一緒に旅行して良かった」と心の底から思っているのもまた事実。

その気持ちが伝わればいいと思って本記事を書いた。小さいお子さんを連れての旅行に躊躇(ちゅうちょ)している方の参考になれば幸いだ。

参考リンク:JR東海「きっぷのルール」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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