<不登校、娘のせい?>不満げな娘「なんで私が!?」先生からお世話係に任命され……【まんが】
私はフミノです。夫のヤスハル、中2の娘マヨと3人で暮らしています。マヨはいたって真面目な性格で責任感も強く、中1のときにはクラス委員をつとめていたほど。やるべき仕事はきちんとこなそうとするマヨの姿勢には、私も親として感心することがよくあります。しかし中学生になりいろいろと複雑な悩みも出てきたのでしょう。最近は学校やお友達のことでストレスを抱えているような気配もあって、少し心配です……。
マヨが給食を一緒に「食べさせられた」と表現をしているということは、きっと不本意だったのでしょう。「たまには他の子に頼んでくれてもいいのにさ。確かに不登校になる前から同じクラスだったけど、別にそこまで仲が良かったわけじゃないし……」
他の学校がこのような方法をとっているのかはわかりません。ただ、うちの学校では、というよりカナエちゃんに関しては、きっとこのような環境がいいと思って先生も配慮しているのでしょう。しかし頼まれている側としてはモヤモヤしてしまいます。
マヨの同級生で、現在はときどき別室登校をしているカナエちゃん。マヨは先生に頼まれて話し相手になってあげたり、給食を届けて一緒に食べてあげたり……。なんだか「お世話係」として駆り出されているように思えます。 頼んでくる先生が「カナエちゃんは仲良しのマヨに会えて喜んでいるから」とそれほど深く考えていない様子なのも引っかかります。これ以上マヨが困るようなことがないといいのですが……。 親としてはマヨばかり負担を押し付けられているようで気になるばかり。学校側の対応に、大きなモヤモヤを抱えてしまうのでした。
夫「イヤだったら断るはず」モヤモヤだけど……様子見でいい?
「それなら様子見でいいんじゃない?」「え!?」私はヤスハルの言葉に驚いてしまいました。「同級生のチカラになってあげたいと思ってるのかもしれないよ?」自分では思いつかなかったヤスハルの考えに、思わず首をひねってしまいます。
「あまりにもマヨにこだわるなら、相手の子がマヨを指名してる可能性もありそうだね」ヤスハルはそう指摘します。でもその場合は指名されたマヨの意向も聞くべきでしょう。学校の対応としてどうなのだろうと思ってしまいます。
ヤスハルに相談をしたら少しはスッキリするかも……なんて思っていたのですが、余計にモヤモヤが募ることになってしまいました。 カナエちゃんの方から先生に「マヨちゃんと話したい」「マヨちゃんと給食を食べたい」と頼み込んでいる可能性があります。ただマヨもそれに対してハッキリ断ることはしていません。ヤスハルも「カナエちゃんのチカラになってあげたい気持ちがないわけではないはず」と言います。 親としては歯がゆい思いではありますが、今は見守ることしかできないのかもしれません。マヨに負担がかかりすぎることがありませんように……と願うばかりです。
【娘の気持ち】私ばかり指名されるお世話係「……もう辞めたい」
私はマヨ、中学2年生です。学校には友達もたくさんいて楽しく通っています。しかし最近の私には悩みがひとつ。それは1年生のときに同じクラスだったカナエちゃんのことです。1年生の途中から学校に来なくなり、2年生になってからはときどき別室登校をしているカナエちゃん。そのカナエちゃんの話し相手を、なぜか私がさせられているのです。特別仲が良いわけでもないのに……。どうして先生が私ばかり指名するのか全然わかりません。
私はうなだれながら給食を用意し、カナエちゃんのいる別室へ向かいました。カナエちゃんは私の姿を見てとても嬉しそうな顔。けれど私は複雑な気持ちを抱いてしまいます。私たちは机を向かい合わせに並べ、話をしながら給食を食べます。
だいたいはカナエちゃんが一方的にマシンガントークを繰り広げ、私はただ聞いているだけ。私はこれまで不登校に「学校に来る気力がないから休んでいる」というイメージを持っていました。だから元気に見えても心がつらい状態なのかもしれないけれど……。
カナエちゃんのいる別室へ行くこと自体は、そこまでイヤなことではありませんでした。ときどきは話をしていて楽しかったと思うこともありました。でも先生が毎回私ばかり指名するので、だんだん「なんで?」と不満が募っていったのです。 それにカナエちゃんからはたまに、こちらの気持ちがずっしり重くなるような言葉が出るのです。「私に会えなかったら学校に来る意味がない」そんなことを言われてどう反応していいのかわかりません……。 私はいつまでカナエちゃんのお世話係をすればいいのでしょうか。なんだか私まで学校に行きたくなくなってしまいそうです。
【私の気持ち】ゾッとする手紙「必ず来て!」恐怖と重圧を感じ⇒娘ゲンカイ!
ある日、学校から帰宅したマヨの様子がなんだかおかしくて……。
明らかにいつもと様子が違うマヨの姿に、私は心がざわつくのを感じました。一言も話そうとしないマヨ。乱暴に放り投げられたスクールバッグのそばに手紙が落ちているのが目に入りました。そしてマヨは身体を震わせて泣き出したのです。
マヨを束縛するような文面に、私はサッと青ざめました。マヨはきっと手紙の内容を鵜呑みにしているのでしょう。こんなふうに言われたら、カナエちゃんから命を預けられているかのようなプレッシャーを感じて押しつぶされてしまうだろうと思います。
カナエちゃんからの重いメッセージが入った手紙に、私は思わず驚いてしまいました。「自分が我慢してお世話をしつづけなければ、カナエちゃんが学校に来られなくなってしまう」と追い詰められてしまったマヨ。精神的な重圧を受けて思いつめている様子に、親としてこれ以上黙って見ていられません。 カナエちゃんはいつも面倒をみて相手をしてくれるマヨに頼りきっています。学校側が軽く考えてマヨに押し付けているのであれば絶対に許せません。私の心にはふつふつと怒りが湧いてきました。いったい先生はマヨのことをなんだと思っているのでしょうか。とりあえず明日、私が直接学校に出向いて話をしようと思います。
いざ、学校へ「娘だけに押し付けないで!」……先生の反応は?
私はマヨがカナエちゃんからもらった手紙を渡しました。束縛するような文面に先生はギョッとした顔をしています。そしてマヨを脅すような「二度と学校に行きません」「消えちゃいたい」という強い言葉を見て、先生の顔色が変わりました。
「カナエちゃんは登校がなかなか難しいと聞いていますし、少しでも学校に来られるよう優先したい気持ちもわかります。しかしそのために他の生徒に責任を押し付けたり、我慢を強いたりするのは間違っているのではないでしょうか」
先生は責任感の強いマヨにカナエちゃんのお世話係を任せられれば安心だと思っていたことでしょう。思わぬかたちでトラブルになってしまいましたが、しっかり学校側と話をすることで解決に向かって良かったと思っています。悩む娘を目の当たりにして、親としてすぐに動かなくてはと思ったのですが、結果的にマヨにとってもカナエちゃんにとっても良い方に向かってホッとしました。 カナエちゃんもその後、頑張って別室登校を続けているようです。いろいろな先生方のフォローもあって、マヨに頼り切っていた心を別の方向へ切り替えることができたのでしょう。これからもそれぞれのペースで学校に通えるといいなと思っています。