【紙幣の原料としても使用】春の訪れを告げる花『ミツマタ』｜地球派宣言
3月上旬、県内の山あいに春を告げる花が咲き始めました。
その中には、わたしたちの生活に欠かせない花もありました。
春を告げる花のひとつ『アズマイチゲ』。実は、日の当たる時間だけ花を開かせる珍しい花なんです。
木漏れ日の暖かさを感じ、およそ30分待つと花が咲き始めました。
その可憐な姿から『春の妖精』と呼ばれています。
安芸高田市向原町には、町の人たちが守る春を告げる花があります。
案内してくれるのは、長年この場所を見続けている渡辺さんです。
その花とは『ミツマタ』。
取材時は咲きはじめでしたが、これからきれいな黄色になっていくそうです。
ミツマタは、その名の通り枝が3つに分かれています。
木の年輪のように、1年ごとに枝分かれするのだそう。
虫居谷の群生地には、およそ4000本あり、年々増え続けています。
ミツマタは70年以上前、地域の産業として期待され和紙の原料として植栽されたのですが、原料として使われることなく放置されていました。
日当たりが良く水はけが良い場所を好むので、この谷に自然に広がっていきました。
およそ25年前、虫居谷に増え続けるミツマタを地元の人たちが手入れし、守り始めました。
和紙を作る材料となるのは、木の皮。
普通ならはがしていくと切れるのですが、ミツマタは繊維が強いので、どこまではがしても切れません。
繊維が丈夫で耐久性があるため、今も1万円札などの紙幣の原料として使われています。
群生地には、若い木が生えてきています。
渡辺さんによると「木が古くなると花が小さくなって見栄えがしない」のだそう。
若い木の方がきれいな花になり、勢いもあるので、下に生えてくる木を育てていくのだそうです。
今年、咲き始めたミツマタはおよそ10日後に満開を迎えます。
満開になると、ピンポン球くらいの大きさになり下向きに黄色い花を咲かせます。
暖かな日差しのもとに訪れる春の気配。
咲き誇る黄色い花を見ながら春を感じてみてはいかがですか？
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー（2024年3月13日放送）