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【看護師から保健師になるには】通信や大学編入も!働きながらキャリアチェンする3つの方法

「みんなの介護」ニュース

山崎 晋平

看護師と保健師の違いを理解しよう!役割と働き方の比較

看護師と保健師は、ともに国家資格を持つ医療職種ですが、その役割や働き方には大きな違いがあります。看護師と保健師は、医療や健康に関する専門的な知識と技術を持っていますが、その活躍の場や目的、対象者などは異なります。

看護師は主に病院や診療所で患者の看護にあたり、治療のサポートや日常生活の援助を行います。一方、保健師は地域住民の健康づくりや予防活動に力を入れ、行政機関や保健センターで働くことが多いのが特徴です。

看護師は、病気やケガで治療が必要な患者に寄り添い、医師の指示のもと、投薬や処置などの医療行為を行いながら、患者の回復をサポートします。

それに対し、保健師は、地域全体の健康状態を把握し、病気の予防や早期発見、健康増進のための活動に注力します。保健師は、健康教育や健康相談、家庭訪問などを通じて、地域住民の健康意識を高め、住民の主体的な健康づくりを支援しているのです。

また、看護師と保健師の職場環境を比べると、勤務場所や勤務時間に差があります。看護師は病院などで交代制勤務が多いのに対し、保健師は行政機関で日勤のみのことが多いです。

看護師は、患者の容体に合わせて24時間体制で看護を提供する必要があるため、日勤・準夜勤・深夜勤などのシフト制で働くことが一般的です。一方、保健師は、主に平日の日中に勤務し、地域住民への健康支援や関係機関との連携業務に従事します。

看護師と保健師の役割の違い

看護師と保健師の大きな違いは、対象とする人々と目的にあります。

看護師は病気やケガで治療が必要な患者個人に寄り添い、治療をサポートすることが主な役割です。一方、保健師は地域全体の健康を守ることを目的とし、病気の予防や早期発見、健康増進のための活動に力を注ぎます。

看護師の役割 患者の病状や治療内容を把握し、適切な看護を提供する 医師の指示に基づいて、投薬や処置などの医療行為を行う 患者の日常生活を支援し、快適な入院生活を送れるようサポートする   保健師の役割 地域住民の健康状態を把握し、健康課題を明らかにする 健康教育や健康相談を通じて、住民の健康意識を高める 感染症予防や母子保健、介護予防など、幅広い分野で予防活動を行う

看護師と保健師の職場環境の比較

働く場所や勤務形態にも違いがあります。看護師は主に病院や診療所で働き、夜勤や休日勤務を含む交代制勤務が一般的です。

一方、保健師は行政機関や企業などで働くことが多く、基本的に日勤のみで残業も少ないのが特徴です。

看護師の職場環境 主な勤務先:病院、診療所、介護施設など 勤務体制:夜勤・交代制勤務あり 勤務時間:週40時間を基本とするが、夜勤や残業もあり   保健師の職場環境 主な勤務先:保健所、市町村、事業所など 勤務体制:日勤のみ(夜勤・交代制勤務なし) 勤務時間:週35~40時間程度、残業は少ない

また、看護師は病院内で患者と接する機会が多いのに対し、保健師は地域に出向いて住民と関わることが多いという違いもあります。

保健師に必要なスキルと心構え

保健師になるには、看護師とは異なる専門的なスキルと知識が求められます。

地域の健康課題を把握し、解決策を立案・実行するためには、以下のようなスキルが必要不可欠です。

保健師に必要なスキル 疫学的な視点で地域の健康状態を分析する力 地域の関係機関と連携し、協働する力 住民の健康意識を高め、行動変容を促す教育指導力 地域の実情に合わせた保健事業を企画・運営する力

また、保健師には地域住民に寄り添い、信頼関係を築こうとする姿勢も大切です。個人の健康だけでなく、家庭環境や社会的背景にも目を向け、きめ細やかな支援を行うことが求められます。

看護師から保健師へ転職する際は、これらのスキルや心構えを身につける必要があります。保健師として活躍するには、地域の健康課題に主体的に取り組む姿勢と、地域住民に寄り添う心が欠かせません。

看護師から保健師になるための3つの方法

看護師から保健師へのキャリアチェンジには、主に次の3つの方法があります。それぞれの特徴や必要な条件、期間、費用などを詳しく見ていきましょう。

保健師国家試験を受験する方法 大学編入で保健師養成課程を履修する 働きながら通信教育で保健師の資格を取得する

保健師国家試験を受験する方法

看護師から保健師になる最も一般的な方法は、保健師国家試験を受験することです。看護師免許を取得後、3年以上の実務経験を積んだ上で受験資格が得られます。

保健師国家試験の受験資格 看護師免許を取得していること 看護師免許取得後、3年以上の実務経験があること

保健師国家試験は年1回行われます。試験科目は「公衆衛生看護学」「疫学・保健統計」「保健医療福祉行政論」の3科目で、合格率は例年90%前後と高めです。

国家試験合格後は、保健師免許を取得し、保健師として働くことができます。ただし、看護師経験3年以上が必要なため、注意してください。

大学編入で保健師養成課程を履修する方法

看護系大学の編入学試験に合格し、保健師養成課程を履修する方法もあります。看護師免許を持っていれば、3年次編入が可能な大学が多く、2年間で保健師免許を取得できます。

編入学試験では、英語や小論文、面接などが課されることが一般的です。また、大学によって履修内容や実習形態が異なるため、自分に合った大学を選ぶことが大切です。

大学編入のメリットは、体系的なカリキュラムで保健師に必要な知識とスキルを身につけられること。一方、学費や生活費がかかるため、経済的な負担は大きくなります。

働きながら通信教育で保健師の資格を取得する方法

看護師の仕事を続けながら、通信教育で保健師の資格を目指すこともできます。看護師免許があれば、1年半~2年程度で保健師免許の取得が可能です。

通信教育の場合、自宅学習が中心となるため、仕事と両立しやすいのが特徴です。ただし、スクーリングや実習があるため、一定期間の休暇が必要になります。

やはり通信教育のメリットは、仕事を続けながら学べること。デメリットは、自己管理が求められることと、スクーリングや実習のために休暇を取る必要があることでしょう。

看護師から保健師になることのメリットとキャリアパス

看護師から保健師へのキャリアチェンジには、専門性を高められることや、地域保健に貢献できることなど、大きなメリットがあります。ここでは、保健師になることで得られる魅力と、保健師としてのキャリアパスを見ていきましょう。

保健師になることで得られる専門性とやりがい

保健師は、地域の健康課題の解決に向けて、専門的な知識とスキルを発揮します。看護師として培った臨床経験を生かしつつ、疫学や保健統計、保健事業の企画・運営などの専門性を身につけられるのが魅力です。

保健師の仕事には、以下のようなやりがいがあります。

地域住民の健康を守り、QOLの向上に寄与できる 健康教育や保健指導を通じて、住民の意識や行動を変えられる 行政や関係機関と連携し、地域の健康課題の解決に取り組める 母子保健や高齢者福祉、感染症対策など、幅広い分野で活躍できる

看護の知識と経験を土台に、新たな専門性を発揮し、地域保健の向上に貢献できるのが保健師の魅力といえるでしょう。

保健師のキャリアパスと将来の可能性

保健師は、行政機関や企業、学校など、さまざまな場で活躍できる職種です。キャリアを重ねるにつれて、以下のような役割を担うことが期待されます。

保健師のキャリアパスの例 保健師(行政):保健事業の企画・運営、地域診断、保健指導など 保健師(企業):従業員の健康管理、メンタルヘルス対策、健康経営の推進など 保健師(学校):学校保健の推進、感染症対策、健康教育など 管理職(主任保健師など):保健師の育成・指導、保健事業の統括など 教員(大学、養成所):保健師の養成、研究活動など

保健師としてのキャリアを積んだ後は、管理職や教員など、より高い立場で活躍することも可能です。また、近年は企業での需要も高まっており、産業保健の分野でキャリアを築くこともできます。

保健師と看護師の平均年収の比較 保健師:508万円 看護師:473万円

(出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」)

保健師の平均年収は、看護師よりもやや高い傾向にあります。ただし、自治体や企業によって待遇は異なるため、一概には言えません。キャリアアップとともに、収入面でもステップアップが期待できるでしょう。

保健師への転職を成功させるためのポイントとアドバイス

看護師から保健師へ転職するには、しっかりとした準備が欠かせません。スムーズに転職を成功させるために、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

保健師への転職成功のポイント 保健師の仕事内容や役割を深く理解する 必要な資格や経験を確認し、計画的に準備する 志望動機を明確にし、アピールポイントを整理する 実務で役立つスキル(データ分析、企画力など)を身につける 地域の保健師の活動に興味を持ち、積極的に情報収集する

また、転職活動では以下のようなことに気をつけましょう。

履歴書や職務経歴書は、保健師としての適性をアピールすること 面接では、地域保健に対する熱意や将来のビジョンを伝えること 転職先の組織風土や業務内容を確認し、自分に合うかよく見極めること

看護師として培ってきた経験やスキルを生かしつつ、保健師という新たなキャリアにチャレンジするには、入念な準備と積極的な姿勢が求められます。一つ一つのステップを着実に踏みしめながら、理想のキャリアを目指していきましょう。

看護師から保健師への転職は、専門性を高め、キャリアの幅を広げるための有効な選択肢です。自身の目指すキャリアについてよく考え、一歩一歩着実に準備を進めていくことが大切です。看護の現場で培った力を、地域の健康づくりに生かしていきましょう。

まとめ

看護師と保健師の違いを理解し、保健師になるための具体的な方法やメリット、キャリアパスについて詳しく解説してきました。

看護師と保健師は、ともに医療や健康に関する専門職ですが、その役割や働き方、必要なスキルは大きく異なります。看護師から保健師へのキャリアチェンジを考える際は、両者の違いを深く理解し、自身の適性や目指すキャリアについてよく考える必要があります。

看護師から保健師への転職は、決して簡単な道のりではありませんが、地域の健康を守るという大きなやりがいがあります。

看護師から保健師になるためには、看護師としての経験を積んだ上で、保健師国家試験の受験や大学編入、通信教育などの方法があると紹介しましたが、それぞれメリットとデメリットがあるため、自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

保健師になれば、地域住民の健康を守り、QOLの向上に寄与できるというやりがいを得られます。また、疫学や保健統計、保健事業の企画・運営などの専門性を身につけ、キャリアアップを図ることもできます。

この記事が、保健師を目指す看護師の皆さんにとって、一歩を踏み出すための手がかりになれば幸いです。保健師への転職を成功させるには、保健師の仕事内容や必要なスキルを深く理解し、計画的に準備を進めていくことが重要です。また、地域住民に寄り添う姿勢や、多職種と連携する力を身につけることも欠かせません。

そして、保健師として活躍するには、看護の知識や経験だけでなく、地域の健康課題を分析し、解決策を導き出す力が求められます。看護師時代の経験を土台に、保健師ならではの専門性を磨いていくことが大切です。

日々の業務の中で、先輩保健師からの学びを大切にし、自身の強みを生かしながら、地域住民の健康を支える保健師を目指していきましょう。

また、保健師は地域住民や関係機関との連携が欠かせない職種です。コミュニケーション力を発揮しながら、地域のネットワークを築いていく必要があります。転職後は、先輩からの学びを大切にしつつ、自身の強みを生かしていきましょう。

地域の多様な関係者と協働し、住民の健康課題の解決に導くことが保健師の重要な役割です。看護師時代に培ったコミュニケーション力を存分に発揮し、地域の健康を支えるキーパーソンとして活躍していきましょう。

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