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工藤阿須加「自分の持てる限りで挑む」映画「ゴールデンカムイ」で念願の月島基軍曹を演じる喜び

フジテレビュー!!

工藤阿須加さんが、念願の役を演じる喜びを語りました。

野田サトルさんによる大人気コミックを原作にした、映画「ゴールデンカムイ」が1月19日(金)より公開されます。

本作は、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーで、厳しい大自然の中で一癖も二癖もあるキャラクターたちが躍動するサバイバル・バトルアクション。

厳しい大自然の中、埋蔵金の在りかを示す、24人の囚人の体に彫られた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて、“不死身の杉元”こと元陸軍兵・杉元佐一(山﨑賢人)とアイヌの少女・アシㇼパ(山田杏奈)が大日本帝国陸軍第七師団や歴史上の人物たちと渡り合う壮大な物語です。

フジテレビュー!!では、本作で、杉本とアシㇼパを追い詰める第七師団・月島基軍曹を演じる工藤さんにインタビュー。大の原作ファンだと語る工藤さんに、原作と月島役への思い、強烈な個性を放つ他の登場人物、そして俳優活動と並行している農業について聞きました。

「もし自分が演じられるなら、絶対に月島がいい」

<工藤阿須加 インタビュー>

――工藤さんは原作の大ファンとのことですが、月島基役のオファーを受けたときの気持ちを教えてください。

原作を連載当初から読ませてもらっていたので、率直にうれしい気持ちと、「自分で大丈夫ですか?」という不安の両方がありました。連載が後半に進んだあたりでは、「もし実写化して、自分が演じるのならば…」という思いが頭にありながら読んでいました。

月島軍曹の大ファンで、「もし演じられるなら、絶対に月島がいい」と思っていたので本当にうれしかったです。いち原作ファン、そして月島ファンとして、自分の思う月島を全力でやらせていただこうという気持ちで挑みました。

――月島を演じるうえで準備したことは?

原作をもう一度読み込みました。原作はマンガなので、もちろんその絵のイメージを大事にしなければいけませんが、そこに引っ張られないように活字だけの台本から受けるイメージを自分の中でどう膨らますのかに苦心しました。

本作では月島という人物の背景については、ほぼ描かれません。僕は月島の“過去”を本作ではどこまで表現するのかを、すごく気をつけながら丁寧に役に落とし込んでいきました。

あとは、癖の強い魅力的なキャラクターがいっぱいいる中で、月島は軍人なので肉体的にも精神的にもタフでなければいけないし、銃の扱いにも長けていないといけない。自分の持てる限りで挑まないといけないと思っていたので、そういう準備は一つひとつ丁寧にやれたのではないかなとは思います。

――月島といえば鍛え上げられた肉体が魅力でもあります。映画のビジュアルが公開された際には、工藤さんをはじめ、共演者のみなさんのキャラの再現度の高さにネットがざわつきました。

この作品に出てくるほぼ全員がすごい肉体ですよね(笑)。僕に対してもそう思っていただけたなら良かったです。まずはビジュアルだけでも、「月島だ」と思ってくださる方が多いのであればうれしいですが、何よりも劇場で見ていただいたときの印象が勝負だと思っています。

1月19日という公開日が、みなさんにとって最高の1日になってほしいですし、この作品にとっても良いスタートになればいいなという思いがあります。公開初日は僕にとっても緊張の瞬間です。

――月島は一見クールですが、内に秘めてるものがとても多い人物だと思います。工藤さんから見た月島はどういう人物なのでしょうか?

まず、時代でいうと舞台は日露戦争の中頃から終結後にかけての話で、あの時代を生き抜いた人間という意味でも、月島は戦士といえる本当に強い人物です。任務を遂行するために自らをも犠牲にします。その精神力を自分で掴もうと思ってもなかなか掴めませんが、そこに重きを置いて自分の中でイメージを膨らませることを大切にしました。

本作では描かれませんが、原作では月島が第七師団に入ることになった経緯も出てきます。月島が最初から冷徹で機械みたいな動きをしながら鶴見篤四郎中尉(玉木宏)の側近として、ただ任務を遂行する人物なのかというと…。

物語の後半になればなるほど、みなさん月島を好きになる瞬間がやってくる。「月島~!そんなことがあったのかお前!」みたいな(笑)。

それを経て、鶴見中尉という大きな存在に人生を握られている中で、人として生きていくという選択を彼がしたときの葛藤には涙するものがあるというか、心を打たれるものがあるので…僕が月島を好きな理由はそこですね。

――玉木さん演じる迫力ある鶴見中尉と向き合ってみていかがでしたか?

いやもう、玉木さんの鶴見中尉は最高ですよ!鶴見中尉もそうですが、元新撰組副長・土方歳三(舘ひろし)、“不敗の牛山”と呼ばれる牛山辰馬(勝矢)のクオリティがもう半端なくて、「嘘だろ!?原作から出てきた?」と思うようなお三方なので、「ゴールデンカムイ」の世界に入った感じがして大興奮でした。

玉木さんが“鶴見中尉”という雰囲気で現場に存在してくださるからこそ、僕も月島軍曹として現場にいられる時間を本当に大切にできました。鶴見中尉が玉木さんで良かったなと心から思います。

「本当に殺しに来た」山﨑賢人との鬼気迫る戦闘シーン

――本作は北海道でのロケにもこだわっていますが、雪山での撮影は過酷だったそうですね。

とにかく寒かったです。監督をはじめ、スタッフのみなさんが朝早くから作業して撮影しやすい環境を作りあげてくださっていて。どの撮影場所に移動しても、必ず僕らが暖を取れる場所を作ってくださるので僕らも全力で取り組めたんだと思います。

本当にスタッフのみなさんに感謝です。もちろん撮影中は寒いけれど、いざ休憩所に戻ったときの暖を取れる場所や、居心地良くしてくれる配慮のおかげで、すごく贅沢な時間を過ごさせていただきました。

――大自然の中、みんなで仲良く野営をしている姿が浮かびます。暖を取りながらみなさんでほっこりとするのでしょうか?

するときもありますし、各々の時間を過ごすこともあります。まるで本物の野営みたいな瞬間もありましたけれど(笑)。野営しているときはスタッフの方々を含めてみんなで野営しているので、そういうところも一心同体で撮影に取り組めた理由なんじゃないかなと思います。

――山﨑さん演じる杉元との、走る馬ゾリの上での戦闘シーンも見事でした。

あそこまでのアクションを本格的にやらせてもらうのは初めてのことでした。やっぱり馬ゾリの上という、不安定な場所でのアクションだったので、山﨑さんやスタントのアクション部のみなさんともいろいろお話をしながら、細かく何度も練習を重ねたうえで本番に取り組みました。今、思い返しても楽しかったですね。

――それこそ走っている馬ゾリの上で、機械のように表情を変えずに杉元を追い詰める姿には、鬼気迫るものがありました。

馬ゾリの上でのアクションは難しかったです。必死すぎてもいけないけれど、月島の冷徹感も出さなければいけない。それに、山﨑さんの「本当に殺しに来ている」という気迫がすごかったので、こちらも「確実に仕留める」という気持ちで向かいました。でも、実は必死だったんですよ。ここ(心臓)はめっちゃドキドキしていたんですから(笑)。

――出演してみて、新たな魅力に気づいた登場人物はいますか?

本作で月島が関わっているのは、第七師団の本当にごく一部のメンバーなので、言える範囲での話になりますが、双子の軍人・二階堂浩平/洋平役(栁俊太郎)のクオリティにもすごく驚きました。栁くんがあの双子を一人二役で演じ切っていて、「おお!すげえ!」って、もう本当にすごくて笑っちゃいました。

俳優と農業がお互いにもたらす良い作用、父・工藤公康からの教え

――工藤さんといえば俳優だけでなく、二拠点生活で農業も営み収穫した野菜を販売もされています。SNSでは生き生きと畑作業をする様子が多く投稿されていますが、今年新たに農業方面で挑戦したいことはありますか?

俳優仕事ではなく、ほとんど畑の写真ですよね(笑)。「安心して美味しいものを届けたい」という思いがあるので、まずは品質を絶対に落とさないということですね。毎年新しい野菜にはチャレンジさせてもらってるので、今年も何かひとつふたつでも新しい野菜にチャレンジしてみようかな思っています。

野菜を育てる土自体にもかなりこだわっているので、僕がまず自信を持って「美味しい」と思えることが第一ではありますが、やはり手に取って食べてもらった方に「美味しい」と心から思ってもらえるほうが重要です。たくさんの方に「美味しい」と言っていただけているので、それを毎年聞けるように、これからも丁寧に作っていけたらいいなと思っています。

――俳優業と農業は、どのように両立して切り替えているのでしょうか?

もちろん僕自身のわがままというか、やりたいことを事務所が理解して協力してくれているので両立できている現状があります。僕のタイミングや、作品のことも考えてくれつつのスケジューリングには本当に感謝しています。

でも、両立というわけではなく、俳優も農業も、“ものづくり”という点では一緒だと思っています。僕自身、農業を始めてからメンタル面で効果を感じたり、今までにない発想も出てきたりと、役者として作品にすごくいい形で取り組めるようになりました。本当に良い作用が生まれているんじゃないかなと思います。

僕の場合、たまたま俳優と農業だったので、「2つのことをしている」と見られがちですが、みなさん何かしら2つ、3つ、同時にやっているものですよね。仕事をしながら副業をやっている人、事業をいくつかやっている人もいますし。自分のことだけではなく、家族のこと、お子さんのこともやらなきゃいけない人もいるし。

僕が選択しているのが農業だったというだけで、みなさんと何も変わらないんですよね。誰だって新しいチャレンジをするときは複合的にやっているはずなんですよ。

――妹弟、父の工藤公康さんと一緒に畑で作業する投稿も印象的です。家族の仲良しぶりが伺えますが、今の自分を作ったと思う工藤家の教育方針があったら教えてください。

よく父は「何事も準備だ」ということを言いますね。まだまだ自分はできていないことも多いのですが、デビューして10年経って30歳を超えて責任の度合いも変わってきたと感じています。周りからの見られる目も、自分に求められることも変わってきているので、準備の大切さの度合いも変わってきていると実感しています。

自分ではしっかり準備しているつもりでも、当たり前のことですが、ちょっとおろそかにというか、甘えてしまう部分があると、いろいろな方に迷惑をかけてしまいます。自分の準備不足を感じる瞬間はこれまでに何度か経験したことで「何事も準備だ」ということの大切さを余計に感じるようになりました。本作にもそんな万全の準備をして挑んだので、ぜひみなさんに楽しんでいただけたらうれしいです。

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