第57回全日本大学駅伝 國學院大學・前田康弘監督レース後インタビュー
第57回全日本大学駅伝 國學院大學・前田康弘監督レース後インタビュー
━━4位という結果について
「惨敗ですね。最低でも2位は死守しないといけない力関係だったかなと思います。中央大学さんが目覚めたというか、力を出したという結果なのかなとも思うので。青山学院さんや早稲田さんといったところは力の差がすごいあるわけではないですし、駒澤さんは佐藤圭汰君が戻ってくれば、破壊力はありますから。やはり(佐藤圭汰選手が復帰することで主力が)1枚浮いてその結果、主要区間ではない区間に主力を配置できるところを最大限に活かした采配だったかなと思います」
━━今大会はどこかの大学を意識してオーダーを組んだ?
「特定のチームを意識して組んだわけではないです。自分たちが主導権を取った駅伝をしたい。そういった部分でキーとなる野中(恒亨、3年)で先頭に立ち、しっかり逃げ切るという演出を考えていましたが、思いのほか締めの部分の見積もりが甘かった感じだと思います」
━━この後はどのような修正を?
「これで選手たちもまた気が引き締まって、チームとしても気を引き締めて箱根に向き合えると思います。箱根は山区間もあり、本当は時間がもっと欲しいですが、あっという間に箱根を迎えてしまうので、箱根に向けて1人1人とまずは話し合いをしながら、プランニングする中でこちらの構想を強めに言っていこうかというのは少し感じました」
━━1、5、6区の2年生が頑張ったと思いますが、評価は?
「今回は(2年の飯國新太選手が駒澤4年・伊藤蒼唯選手に)5区で決定打を打たれているので。(三大駅伝)デビュー戦であの展開はきつかったと思います。結果的に(飯國選手は)区間2位ですが、もっと走れてもいい選手だと思うので、彼にはもうちょっと期待してる部分はあります。追いつかれた時点で、一生懸命ついていこうと思ったとは思いますが、思いっきりやられたという感じ。あれだけのタイム差(1分25秒)をやられることは想定外でした。佐藤圭汰(駒澤4年、7区)君と勝負をするなら先に襷を貰っていないと勝負にはならない。並ばれても粘ってアンカー勝負と思っていましたが、そんなに甘くないですね」
━━箱根駅伝に向けて
「これで終わるわけではないです。出雲駅伝で勝ったことにより良かった部分もありました。ただ、レースに向けてしっかり準備して選手たちも仕上がっていましたが、緩みといった少しの隙が最後(8区・上原琉翔選手)の差し込みみたいなことに出てしまったのかなと思います。(隙というのは)目に見えないものですが、とにかく1個1個の物事に気を引き締めて取り組むことは今回のこの敗戦でまた新たにできることだと思いますし、それは選手だけではなく私も含めて、もう一度箱根駅伝に向き合っていかないといけないと思っています。いい選手たちもいますし、正直まだまだ力を出し切れなかったなという思いもありますが、常に出せるわけではなく練習でやっていることすら試合で出せないからこの結果かと思っています。最後に一矢報いて2位を上原琉翔には取ってほしかったという思いはあります。攻めた結果で、彼はキャプテンとして仕事を果たそうとした姿勢は伝わったと思います。でも結果は自分たちの中では満足するものではなく、必ずこの負けを箱根に繋げていくしかないかなと思います」
━━手応えがあると前日おっしゃっていた中で、どこが誤算だった?
「出だしの1区(尾熊迅斗、2年)は良かったですが、2区の勝負であそこまで後手を踏むとは思わなかった。せめて20秒以内の想定だったが、30秒以上開いてしまいました。野中(3区)も攻める走りをエース区間でやるのは初めてですから。今回の3区は留学生と一緒に行けたという点があって、1人で行き切るっていうレースをしたわけではないので、ちょっと迷いはあったと思います。突き抜ける走りを彼に期待し、3区で先頭を奪い、4区の高山(豪起、4年)は単独走が得意で、3年連続同じ区間となるため、3区で逃げるという戦略ではありました。また、5、6区の2年生も力もあり、練習はできているので、伸び伸びとトップを走らせたく、後ろのチームに突っ込んで走らせ、後半に少しずつ稼いで7区に貯金を、というプランニングでしたが、2区で下がったことによって後手後手に回ってしまったところはありました」
━━収穫は?
「野中の強さを確認できたのと、2年生もデビュー戦としては区間2位とか区間4位の走りで上々かなと。どうしても、野中の残像が残っているので、あのレベルを求めてしまいますが。あと、高山の気持ちの入った走りはすごく感じました。そういった気持ちはすごい大事だと思った」
━━ 箱根駅伝5区について
「5区に関してはもう準備をしています。前回の箱根は3位で負けていますし、学ぶべきことがあったので、全日本も箱根に向けて玉を増やしたかった。そのため、野中を7区ではなく、あえて3区に置く戦略だったが、そんなに甘くはなかった。ガチっとはめないと勝てるものではない、そこまでの力の差がある今の大学駅伝ではないなと改めて感じました」
━━平林選手(現ロジスティード)が抜けた箱根駅伝2区について
「絶対的エースな黒田朝⽇(青山学院4年)くんなどと対抗できないといけない。流れはありますので。そこはもう1回考えます」