「海でもタバコはダメ!」大阪市内全域で路上喫煙が禁止に 加熱式たばこもNG?
2025年1月27日から、大阪市内全面で路上喫煙が禁止となった。これまでは中央区などの一部に限られ、路上喫煙した者には過料が科せられていたが、今後は大阪市内全域となる。私もその市民なので電子タバコ民ではあるといえ、同様の扱いを受けるので慎重でなければならない。自宅回りはもちろんのこと、一般に大阪南港といわれる釣り場の一帯も大阪市内となるので、海でも煙草を吸ってはいけない。
大阪市内全面禁煙へ
令和7年1月27日より大阪市内全域が路上喫煙禁止となった。これにより、紙煙草はもちろん電子タバコも路上では吸えなくなる。路上というと、一般的な街道もそうだが、どうも私有地でない場所に関しては全面的にダメらしい。車の中ではOK。コンビニでも、敷地内に灰皿を置いている場所ならば吸えるが、まあ行政が何を言わんかと読み解くと、「もう煙草を吸ってくれるな」ということだろう。
筆者の実家は大阪市北区にあるが、このあたりは洗練が進んだ町で、煙草の吸殻は滅多に見かけることもない。路上喫煙者もいない。そのように美化された環境が、おそらく割れ窓理論式に喫煙者を減らし美しい景観を守っているのだろう。
この例を見ると、街中で煙草が吸えなくなると、路上に吸殻が散乱することもなく、その他のゴミなども姿を消すはずだ。これ自体は非常に良いことである。しかし厄介なのが、冒頭で述べたように、大阪南港も大阪市内であるからには、海釣り中に煙草を吸ってはいけないということだ。ポイ捨てしなければいい、というルールでもない。吸ってはいけない。
釣り場での影響
釣り場での煙草マナーについては、以前から注意が絶えないものだった。私は一度垂水漁港で、煙草をポイ捨てしたとして、警察に通報されて職質を受けている若者たちを見たことがある。当たり前のことだが、これは捨てたほうが悪い。地域住民が環境被害を被ることになる。掃除をするのもその方々だ。
今もあっちこっちの釣り場を見ていると、煙草の吸殻はよく目にする。露骨に海にポイ捨てする人もいる。こういうことが一切なくなるのだとしたら、大阪市内全面喫煙も、今後全国の釣り場に対して模範的な態度を示すことができる例となるのかもしれない。受動喫煙もなくなり、ポイ捨てがなくなる。上述のように、そのようなマナー意識の向上により、今後は釣り場からゴミも姿を消していく、はずだ。
煙草による海洋汚染
百害あって一利なしといわれる煙草は、実際、身体の健康を守るために、何も良いことがないと断言されている。煙草にはタール、ニコチン、重金属、フェノールなどという有害化学物質が含まれる。タールがいわゆる着火剤の役割を果たし、これを省いて煙を出すことができるのが今流行のアイコスなどの電子タバコだが、これも歴史の浅さから、本当に健康に害がないかはデータが少ないために不明だ。
これら有害物質は、海にポイ捨てされると、そのまま水を汚染してしまう。煙草の吸殻を浸した水に魚を入れると、4日後に死ぬという実験結果もある。「海洋汚染」という大きな規模で考えなくても、あなたが釣り上げた魚が、極度に煙草に弱いと考えてみよう。まさか海にポイ捨てする気は消えるはずだ。
釣り場と煙草の付き合い方
とはいえ海で吸う煙草の味には格別のうまさがあるのも事実である。大阪市内の取り組みは、おそらく万博を意識した取り組みの要素も強いと思われ、或いは全国から喫煙者を締め出そうという過剰な歩みと思われなくもない。当然だがJTにも従業員もいれば株主もいる。法での全面禁止には無理がある。
釣り場で煙草を楽しむのは悪くないことだ。しかし、今後もしあなたの町で路上喫煙が禁止されたとなると、そのルールは守らなければならない。煙草が吸える釣り場でも、受動喫煙への配慮や、ポイ捨ては厳禁。楽しい釣り場を守るためこれまで通り、あるいはそれ以上のマナー向上の態度が求められる。
<井上海生/TSURINEWSライター>