「ハカ」踊る市職員研修 NZ出身ザビエルさんが指導 名張
「カマテ!カマテ!」。三重県名張市は6月28日、ニュージーランド(NZ)の伝統の踊り「ハカ」を職員研修に初めて取り入れた。市役所大会議室で午後5時40分から開かれた研修には、産業部の職員を中心に約40人が参加。NZ文化を楽しみながら学んだ。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/DdQuJkpy8Yo)〉
ハカはNZの先住民族・マオリの民族舞踊で、ラグビー代表チーム「オールブラックス」が試合前に披露し、士気を鼓舞することで有名だ。
同市には5月、NZ出身のフルグリーナス・ザビエルさん(28)が国際交流員として着任。ザビエルさんはラグビーを3歳から大学まで続け、高校からはハカの指導などもしてきたという。
着任式の際にも北川裕之市長に「ハカを教えることができる」とアピール。配属先の産業部の研修に合わせ、他の職員に伝授する機会がこの日、設けられた。
ザビエルさんは研修会場の入り口で参加者を出迎え、高校時代に踊ったという「歓迎のハカ」を迫力満点で披露。雄たけびや腕を叩く音などが、夕暮れ時の市役所内に響いた。
研修では自己紹介の後、ハカについて「結婚や葬式、誕生日のハカもある。表現したい強い感情がある時に行う」と説明。歌詞の発音や日本語訳、体の動かし方などをスクリーンに表示させながら、オールブラックスも披露する機会が多い戦いのハカ「カ・マテ」を一節ずつ繰り返しながら丁寧に伝えた。
締めくくりに目を見開いて舌を突き出す動作は、ザビエルさんが一人ひとりと向かい合って指導。ほとんどの参加者が恥ずかしがることなくこなし、笑顔もこぼれた。
研修に参加した北川市長は「ハカは強さと結束力を示すものと聞いている。これからぜひ発揮頂きたい」と職員に呼び掛けた。ザビエルさんは「皆さん上手にできていた。ハカの精神を仕事に生かしてほしい」と話した。
オールブラックスが「カ・マテ」以外に披露する「カパ・オ・パンゴ」のように、新しいハカが生まれることもあるといい、ザビエルさんは任期中に「名張のハカ」を作る構想を持っている。
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