秋晴れの本祭に15万人 城下町にぎわう 伊賀市の上野天神祭
三重県伊賀市で10月20日、上野天神祭の本祭「神幸祭」があり、鬼行列やだんじりが市中心部の城下町を練り歩いた。国指定の重要無形民俗文化財でユネスコ無形文化遺産にも登録された「上野天神祭のダンジリ行事」を運営する上野文化美術保存会は、秋晴れとなったこの日の人出を昨年より2万人多い約15万人と発表した。
上野天神祭は江戸時代から400年余り続く伝統行事で、上野天神宮(同市上野東町)の秋祭り。本祭は午前9時ごろに「東御旅所」(同上野車坂町)を出発し、みこし行列に続いて大御幣(ごへい)や釣り鐘やおのを背負った「ひょろつき鬼」など百数十体の鬼行列が練り歩いた。
その後には、今年の一番くじを引いた上野福居町の「三明」を先頭に、豪華な飾り幕が目を引くだんじり9基が笛や鉦(かね)、太鼓が祇園ばやしを奏でながら東西を巡行。沿道に詰め掛けた見物客らが鬼やだんじりの姿を写真に収めようと、盛んにシャッターを切っていた。
大阪府枚方市から見物に訪れた地元出身の男性は「天神祭は6年ぶり。30年ぐらい前に鬼行列を見て泣いた思い出がある」と話し、今回が初めてだったという男性の妻は「だんじりは迫力があった。鬼行列は面白かった」と感想を話した。
「ダンジリ行事」は従来、上野天神宮の例大祭がある10月25日に行われていたが、担い手の確保などから2017年に神事を除いて直近の週末開催に変更された。今年は19日に予定していた「足揃えの儀」と宵山巡行は雨天で中止になった。同保存会によると、18日の宵々山は約3000人、19日は2万人の人出だった。