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渡辺えり、古稀を記念して『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』の2作品を25年1月に連続上演

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渡辺えり古稀記念2作連続公演『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』

2025年1月、渡辺えりの古稀記念として『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』の2作が連続上演されることが決定した。

80年代の小劇場ブームを牽引し、いまもエネルギーをそのままにひた走る渡辺えり 。彼女の作品は寺山修司や唐十郎、蜷川幸雄といった戦後日本の演劇を築き上げた人々に大いに影響を受けながらも、確固としたオリジナルを持つ。徹底的に手作りで“やっかいなこと”にこだわるその演劇を、これから演劇の迷宮に突入していく若い人に、そしてこの後の世界を生きるすべての人に届けたい。そんな熱い想いを胸に、渡辺えり古稀記念として、『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』 を2作連続で上演されることとなった。

現代日本史の中において「女性」は対等な人間と認められず差別されてきた時代がある。渡辺えり旧作『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』はそんな彼女たちの人生に迫る作品だ。切り口は違えど、両作品に共通するのは激動の時代に翻弄されながらも生きていく女性たちの姿。今こそ、苦難の中に希望を示すこの2作品連続上演を行いたい、そして、渡辺えりが70歳、古稀という節目にこの2作品の上演を選んだとのこと。

『鯨よ!私の手に乗れ』には、木野花、三田和代、黒島結菜、北村岳子、広岡由里子 、土屋良太、桑原裕子、深沢敦、小日向星一、黒河内りく、串田十二夜、小日向春平 、小出奈央、春可直子、松井夢、福間むつみ、吉田裕貴、藤浦功一、岡野一平、手塚日南人、宇梶剛士、ラサール石井の他、アイザワアイ、後藤茂、佐藤俊彦、椎木美月 、翠月瞳、宮下浩行、夢乃、青井想、金井ひとみ、鈴木楓加、東宮綾音、南条采良、 森嵜未弓、佐藤舞希子、川波幸恵、近藤達郎、そして渡辺えりが出演する。

『りぼん』には、室井滋、シルビア・グラブ、大和田美帆、広岡由里子、深沢敦、土屋良太、大西多摩恵、吉田裕貴、小日向星一、福間むつみ、藤浦功一、小出奈央、松井夢、ラサール石井、宇梶剛士の他、春可直子、岡野一平、串田十二夜、黒河内りく 、小日向春平、手塚日南人、アイザワアイ、佐藤俊彦、椎木美月、翠月瞳、宮下浩行 、夢乃、青井想、金井ひとみ、鈴木楓加、東宮綾音、南条采良、森嵜未弓、佐藤舞希子、川波幸恵、近藤達郎、そして渡辺えりと、いずれの作品も渡辺と縁が深く、さらに演劇を愛するキャストが名を連ねる。

なお、『鯨よ!私の手に乗れ』は2025年1月8日(水)~17日(金)まで下北沢・本多劇場にて、『りぼん』は2025年1月11日(土)~19日(日)まで本多劇場で上演したのち、渡辺の故郷である山形市民会館にて2025年1月22日(水)に上演予定。

【あらすじ】
『鯨よ!私の手に乗れ』
架空の地方都市の町、山崎県山崎市にある介護施設に神林絵夢がやってくる。ここは母・生子が入所しているのだ。久しぶりに見舞いにきた神林絵夢。母・生子は認知症で、絵夢の弟・公男やその妻・美代子が世話をしているものの、二人が誰かはわからない。絵夢が60歳になるまで演劇を続けてきたのは母のおかげ。晩年ぐらいは自分のために自由に生きてほしいという思いとは裏腹に、時間や規則に縛られて暮らす母の様子を見て絵夢はショックを受け介護士たちに不満をぶちまける。 介護施設には元美術教師だった藍原佐和子、看護婦のように振る舞う吉川涼子ら入所者、ヘルパーとして働く水島貴子と生子と同世代の人々がいる。彼女たちは次々に語り出す。彼女らは40年前に解散した劇団のメンバーで、主宰が行方不明になったため上演できなかった作品をいつかやりたいと約束をしていた。生子もその劇団のメンバーだった。ところが彼らの持っている台本は、認知症の患者が認知症の老人を演じるというもの。悲しい結末を知った介護士が途中から破り捨ててしまっていた。その状況に絵夢は台本を書くと言い出す——。2017年に上演された本作品。『演劇』を通して人生を見つめる。人生の中に「演劇」がある力強さを今一度、現代に問いかける。

『りぼん』
現代の横浜。「すみれ」、「百合子」、「桜子」3人は関東大震災後に建てられ、最近取り壊された「同潤会アパート」の同じ住人であった。彼女らが住むアパートは、シベリアで抑留されていた夫を持つという「春子」、影を背負う謎の老女「馬場」ら、過去に心の傷を負った女性たちが支え合いながら暮らしていた。そしてそれぞれに「水色のりぼん」の記憶を持っていた。一方、欲情すると水色のりぼんを吐くという奇病を持つ青年「潤一」は、母の遺骨を探す旅の途中、横浜で“浜野リボン”と出会う。 リボンは、赤子であった自分の胸に水色のりぼんを縫い付け、墓場に捨てた母の消息を求め、娼婦であった母を知る人物の目に留まるようにと、自らを娼婦の姿に変え、横浜を徘徊している青年であった。母から体に水色のりぼんを十字架のように背負わされる2人は、その謎を解くために鍵となる「同潤会アパート」へと向かう。まるで水色のりぼんが彼らを引き寄せるように……。同潤会アパートで潤ーたちと春子らアパートの住人達は初めて出会い、皆の生い立ちと記憶の謎が明らかになってゆく。 住人の一人「春子」は愛娘を夫に殺されたという過去を持っていた。戦後娼婦として働かされたという春子の境遇に逆上した夫が春子と娘とを見間違え、首をりぼんで絞めてしまった。そして、実は愛娘の死体のお腹から産まれたのが潤ーであった。2003年に上演、2007年に再演された本作品。未だ混沌と尽きない悩みの最中にある現代日本で蘇る。バンドネオン・ピアノ・ギターの生演奏と共にお送りする音楽劇。
出演者コメント

■木野花
渡辺えりの作品に出演する時は、何がなくとも“意気込み”、これ無しには立てません。
声を掛けていただき、舞台に立てることは、嬉しいと同時に恐ろしいのです。
えりの期待に応えその思いを客席に届けることは、いつも命掛けの修羅場です。
そのようにして渡辺えりは、旗揚げから古稀を迎える今日まで、わが道を爆進して来ました。
むしろ近頃では、残された時間に背中を押されるように前のめりで、今回は一挙2本立てで突っ走っています。
私も引き受けたからには、一緒に前のめりで突っ走るしかありません。
この綱渡り、しっかり見届けてもらえたら幸いです。

■三田和代
私は大劇場育ちなので、アンダーグラウンドのブームが起きた時は、恐怖に近い羨望を覚えました。そして一人でこっそりのぞいたのが、劇団3〇〇の舞台です。イメージの羅列のような作品で、何が言いたいのかよくわかりませんでしたが、何か奥の方に、大きな物語が潜んでいるように思われ、毎公演を観に行くようになりました。毎回そのエネルギーに圧倒されました。今回は、観客としてではなく、演者として、3〇〇の中に潜り込むわけで、外面的にも内面的にも、どんな現象が起きるのか、ドキドキワクワクしています。

■黒島結菜
『鯨よ!私の手に乗れ』に参加することが決まってからずっと楽しみにしていたので、いよいよ始まると思うと興奮と緊張でドキドキしています。
えりさんとは『カツベン!』でご一緒してから、仲良くさせていただいています。いつも熱い気持ちを持っているえりさんはとてもかっこいいです!
今回はえりさんの古稀記念公演ということで、これまでの感謝の気持ちも込めて、精一杯やりきりたいと思います。

■室井滋
えりちゃんは少女のように無垢で鋭いハートを、ずっと持ち続けている人。それで私、「えりさん」と呼ばず、どうしても「えりちゃん」と呼んでしまうんです。だから、少女なんだから、古稀記念だなんて言わなきゃいいのにさぁ……。でも、演出してもらうのは初めてなので、もう「えりちゃん」って呼べなくなっちゃうかもしれませんね。

■シルビア・グラブ
渡辺えりさんの古稀記念公演に出演させていただく事になるとは夢にも思っていませんでした。
まだお芝居でご一緒させていただいたことのない私に声をかけてくださって本当にありがとうございます!
そして出演メンバーも素晴らしい方ばかりで楽しみで仕方ありません。
えりさんの世界へどっぷり浸かりたいと思います!

■宇梶剛士
前回公演の時に身も心もバラバラになってしまうかと思うほどに打ち込んだ『りぼん』と、劇場の客席から「この舞台に飛び込みたい」と胸を熱くした『鯨よ!私の手に乗れ』への参加は、自分にとっても集大成であり、また未来への想いでもあります。
是非、劇場にこの2作品を目撃しに来てください。

■ラサール石井
えり子(どうしても癖で子をつけてしまいます)ちゃんとは年が同じで、あとは野田秀樹さんや今は亡き勘三郎さんなんかも同い年。以前から一緒に芝居やりたいねと話していて、「じゃあ二人芝居はどうか」と言われ、とても素敵なお話だが(いやホント)、畏れ多いのと、恐れが多いので、「いっぱい出るアングラがいいなあ」と言ったら、こんなに沢山出る芝居になった。しかも2本立て! えり子ちゃんのやりたい事も盛り沢山。絶対稽古期間中に仕上がるとは思えないのだが。やっちゃうんだろうなあ。

渡辺えり コメント

躁状態の時に無謀な企画を立ててしまった! 平和への祈りも男女格差問題のメッセージもなかなか届かず、もう時間がないと焦った結果だが、こんなにも多くの演劇好きが私の熱情に共鳴してくださった! ありがたい!
長年支えてくれている信頼出来るスタッフとキャストの皆さんとオーディションで選ばれた若い力とのコラボをお楽しみください。

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