犬がウンチする前に『くるくる回る』理由5選 放っておいても大丈夫?行動の意味とは
1.ウンチをしやすいように整えている
犬がウンチをする前にくるくると回る行動には、排便しやすい環境を整えるという意味があります。
犬は草むらや地面を軽く踏みしめることで、自分が排泄しやすい状態を作るのです。たとえば草むらでは、草がお尻に触れるのを防ぐ、砂利ではデコボコを避けて踏んばりやすい場所を探しているという説もあるようです。
つまりこの行動は野生の名残で、犬が快適かつ安全にうんちができるように排泄場所を整えるための行動だと考えられているのです。
2.周囲に危険がないか確認している
犬はうんちをしている最中は無防備になりますので、敵に襲われるリスクがあります。そのため野生で暮らしていた頃は、うんちをする前にくるくると回って周囲に天敵がいないか安全確認をしていたのです。
その習性が人間と暮らすようになった今も消えずに残っており、安全な場所でもついついくるくると回ってしまうのではないかと考えられています。
また害虫がいないかどうか確認しているという説もあります(そのわりには、草むらでうんちをして、ダニに噛まれたという話をよく聞く気もしますが…)。
いずれにしても周囲の安全を確認して、予期せぬ危険を回避するための行動と言えるでしょう。
3.体の向き(方角)を調整している
ドイツとチェコの研究チームの報告では、犬はうんちをする際は南北の方向に合わせて体の向きを調整していることが指摘されています。
そのため犬がくるくると回るのは、地球の磁場を感じ取って最適な体の向きを決めているのではないかという説があります。ただし犬がなぜ方向を決めるのにくるくるまわるのかは今のところ明確な理由は解明されていません。
人間には理解しづらい行動かもしれませんが、犬にとっては重要な自然の感覚の一部なのかもしれませんね。
4.自分のトイレかどうかを確認している
犬は嗅覚が非常に発達しており、自分のトイレの場所を確認するためにもくるくる回っているのではないかという説があります。「ここは自分がうんちをしてもよい場所だ」と確認しているのです。これは自分の縄張りであることを確認する行動でもあります。
また自分の縄張りでうんちをすることで、マーキングをして「ここは私の縄張りだぞ」とアピールしているとの説もあります。
そのほかには、ほかの犬が自分の縄張りでうんちをしていないか確認しているという説も。犬はほかの犬の排泄物の匂いを嗅ぐことでさまざまな情報を得ていると言われています。もしかしたら、ほかの犬の情報を探っているのかもしれませんね。
5.うんちを出しやすくしている
犬はくるくると回ることで、うんちをスムーズに出すことができると考えられています。
またくるくる回りながら姿勢を安定させて、踏ん張りやすくしているとの説もあります。後ろ足でしっかりと地面をとらえることで、姿勢が安定していきみやすくなるのです。
軽い運動は腸の動きを活性化して排便を促すと言いますから、そのような効果が期待できるのかもしれませんね。
まとめ
犬がウンチをする前にくるくる回る理由には、排泄しやすい環境を整えたり、周囲の安全を確認したり、自分のテリトリーかどうかを確かめたりする本能が関係しています。
また地球の磁場に合わせて体の向きを調整するという興味深い説もあります。
このような行動は、野生の名残や独特の感覚に基づくものだと考えられてますが、なぜこのような行動をするのか、まだまだ解明されていないことも多いです。今後の研究が楽しみですね。