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幸区幸警察署 高齢者捜索に防災無線 市内7区で初めて

タウンニュース

覚書を手にする赤坂区長(右)と福田署長

幸区(赤坂慎一区長)と幸警察署(福田博之署長)は認知症高齢者の徘徊などによる行方不明者が発生した際、区内23カ所に設置されている防災無線を活用した情報提供の呼びかけを10月24日から本格実施する。同日には、幸区役所区長室で同事業に関する覚書が締結された。防災無線を活用した認知症高齢者の捜索は市内7区で初。

放送の対象となる事案は【1】高齢者または迷子で警察に捜索願の届出があり、防災無線の放送について届出人の承諾が得られるもの【2】凶悪事件の被疑者逃走、不審火、振り込め詐欺など区民に対する注意喚起を呼びかける必要があるもの―の2パターン。捜索願などが出され、事案が発生すると幸署から幸区危機管理担当に共有され、防災無線で幸区内全域に一斉に流れる。

試行期間に効果

両者は6月から試行的に同事業を行っており、これまでに4件の事案が発生。そのうち、6月28日に発生した事案が、防災無線で放送した約50分後に発見されたという(ほか3件は区外で発見)。福田署長は「発見までに丸一日かかることもあるので50分は早い方。元気な方は都内まで行ってしまうこともあり、川などで溺死するケースもある。早期発見で事故防止につながれば」と話す。

幸署によると、区内での行方不明高齢者数は昨年は62人、今年も9月末時点で33人発生している。防災無線を使った認知症高齢者の捜索は川崎市内では幸区が初で、神奈川県内では19市中、15市が実施している。赤坂区長は「市内7区で初の実施となったが、他の区にも良い影響が出れば。防災無線が地域で支え合う見守り活動の一助になってほしい」と思いを込めた。

試行期間中の放送では、話す速度や声質などによる聞き取りづらさを指摘する声もあったという。区危機管理担当は「地域とより連携を強化し、運用しながらより改善に努めていく」としている。

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