いづも巳之助の一株コラム:高級時計のリユース「羅針」をM&AしたヨンドシーHDの財務分析
昨年、時計のリユース企業「羅針」をM&Aしたヨンドシーホールディングス。大幅な増収増益は喜ばしいですね。でも懸念事項はしっかり書いておきましょう。
本業はもちろんの事だが、「羅針」がこの勢いを維持できるかでこの先が決まる。わかりきっている事だがフリーキャッシュフローを見ると、いきなりマイナス75億円に転落。有利子負債も150億円。やっぱり社運を賭けた大勝負を仕掛けたんだね。せっかく配当は83円で利回りが4.81%と株主を喜ばせているのに、フリーキャッシュフローが今後マイナス続きだと、自社株買いはおろか減配リスクもでてくるからね。
フリーキャッシュフローのマイナスって結局、稼ぎよりも投資が上回っている状態だからなー。IT企業や不動産でもないから一時的だったら気にしなくていいけど、「羅針」案件は常に重要チェック事項として、四半期ごとにチェックが必要だね。
そして、「羅針」の有利子負債150億円ですが、このままの勢いであれば7年くらいで返済可能とのこと。じゃあ時計のリユース事業は今後どうなるのかが、かなり心配になってくるね。イロイロ調べていくと国内は2024年度で1000億円規模の市場だそうだ。順調にいくと2030年には2000億円が見えてくるので、伸びる市場だと。
時計はグローバルな裏の通貨と言われ、日本の真贋はかなり厳しいチェックなので信頼できる。だから日本のマーケットが発展するのだと.....。信じるか信じないかは──あなた次第です。
▶巳之助メーター 1ニョロ 素通り
この借金額は、なかなか落ち着かない感じだね。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前から分散投資を手がけ、まもなく保有株式評価額1億円。流通株を得意としている。たまに神社仏閣への祈祷、お祓い、占い、風水などスピリチュアルな方法で、売買を決定する時がある。