交通安全協会 逗子・葉山共に3月末、閉鎖 会員減少で資金難
逗子市と葉山町の両交通安全協会が3月31日(月)を最後に閉鎖する。逗子、葉山ともに会員数の減少などから資金面で運営が厳しくなっていたことに加え、3月から運転免許更新時の手数料がキャッシュレス化したことによる収入源の消失が追い打ちをかけた。葉山は解散、逗子は組織を残し、ボランティア活動は続けていくとしている。
交通安全協会は「交通の危険防止のため交通道徳の普及高揚を図り、交通秩序の確立と交通安全の実現に寄与する」ことを目的とした組織で、警察と連携してはいるが民間団体。県や市町からの補助はあるが、運営費の多くは入会、更新時の会費と収入証紙の販売、顔写真撮影の手数料などで賄っている。
逗子安協の小林壽志会長によれば5年ほど前から会員減少が激しくなり、赤字運営で蓄えを取り崩してきたという。若い世代の車離れ、高齢者の免許返納などが進み、2024年の新規入会と更新は約600人。かつては倍の1200人だったこともあるという。約2年前に「もうやめるしかない」と判断し、県交通安全協会に相談したところ、「もう少し経営努力をしてほしい」と言われ、人件費などを見直し続けてきたが限界に達した。キャッシュレス化を理由に閉鎖する協会が多い中、逗子に関しては直接的な要因ではないという。
葉山も会員減少は同様で23年度の新規入会は1275人だったが、ピークだった1996年ごろは約3700人と約3倍だったという。加藤清会長は「続けたい気持ちはあっても、キャッシュレス化により収入がなくなれば、どうしようもない」と胸の内を語った。
逗子はボランティア継続
逗子安協は解散はせず、ボランティアとしての活動は続けていくという。小林会長は「交通指導員の活動や花火大会、市の行事の際の交通整理など命を守る活動をこれまでしてきた。免許更新の事務的なことはもうやむを得ないが、交通安全を守るボランティアは意地でも続ける」と気持ちを奮い立たせる。なかでも子どもたちの意識向上にもつながる「交通安全ポスターコンクール」はぜひ残したいと強調した。