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猫の『お尻から液体が出る』原因4選 ニオったり汚れていたら疑うべき病気とは

ねこちゃんホンポ

1.肛門腺の分泌液

肛門腺は、猫の肛門の左右にあるもので、袋状の中ににおいのする分泌液が入っています。猫の肛門の左右に分泌液を排出する穴があり、猫がうんちをするときに分泌液が排泄されます。

分泌液は、黄色っぽい液体だったり、黒茶色でどろっとしていたり、猫によって様々です。猫がとても驚いたときや、恐怖を感じたときにも分泌液が出ることがあり、においやおしりの汚れで飼い主さんが気づくこともあるでしょう。

子猫は、甘えているときにアピールするために分泌液が出ることがあります。

2.肛門腺破裂

肛門腺の分泌液がうまく排出されず、溜まってしまうと破裂することがあります。この場合、猫のお尻から茶色い液体や血、膿が出たり、肛門の近くに穴が開いたりします。

お尻を気にしていたり、お尻を床に擦ったり前兆が見られる場合もありますが、突然破裂してしまうことも。破裂すると痛みで元気や食欲がなくなることが多いです。

猫の肛門腺が破裂してしまったら、動物病院で洗浄、痛み止めや抗生剤を処方してもらうなど処置をしてもらいましょう。

舐めると傷の治りが悪くなるので、舐めさせないようにするエリザベスカラーなども必要になります。

3.軟便・下痢

猫が軟便や下痢をしていると、お尻から透明な腸の粘液が出てきてしまうことがあります。血が混じると薄ピンク色になることも。

軟便や下痢の原因はさまざまです。腫瘍や感染症など病気が原因の場合や、誤飲、腸内細菌のバランスの変化、フードが合っていない、ストレスなども原因となります。軟便や下痢が続く場合は動物病院を受診しましょう。

4.子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、避妊手術を受けていないメス猫で、特に中年齢以上に多い病気です。子宮内の細菌感染で膿が溜まり、急激に体調が悪くなる場合と、ゆっくり進行していく場合があります。

陰部から膿や血の混じった分泌物が出る場合(開放型)がありますが、分泌物などが出ない場合(閉鎖型)もあります。

多飲多尿、食欲不振、元気がない、発熱、嘔吐などの症状がみられますが、症状が出にくく発見が遅れるケースもあり、膿で子宮が破裂して急死するおそれや、破裂はせずとも敗血症によって亡くなる可能性もあります。発病する前のできるだけ若いうちに避妊手術を受けさせることで予防できる病気です。

まとめ

猫のお尻から液体が出るのは、肛門腺からの液体で心配のない場合もありますが、肛門腺の破裂や、軟便や下痢の影響、未避妊のメス猫は子宮の病気などが疑われます。

中には、治療が必要なケースも。猫のお尻から液体が出ていて、におったり汚れていた場合は、ほかにいつもと違うところがないか確認し、早めに動物病院を受診しましょう。


(獣医師監修:唐野智美)

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