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鈴木亮平さん、有村架純さん「前世は本当に兄妹?」と思うくらい自然な会話でした 『花まんま』前田哲監督

SASARU

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※この記事では4月24日(木)放送の内容をお届けします。
※公開される映画館名や作品情報は上記日程の放送時点のものになりますのでご留意ください。

【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画

映画『花まんま』前田哲監督インタビュー

今回は4月25日(金)から公開する映画『花まんま』より前田哲監督を迎えインタビューさせていただきます!

前田哲監督は、大阪府生まれ。
1998年に相米慎二総監督のオムニバス映画『ポッキー坂恋物語 かわいいひと』で監督デビュー。
エンタテイメントに軸足を置きつつ、独自の視点や社会派題材を入れ込む作家性と、登場人物たちを魅力的に輝かせることで観客に届く作品を手がけられています。
近年の主な監督作品は『老後の資金がありません!』(21)、『そして、バトンは渡された』(21)、『水は海に向かって流れる』(23)、『九十歳。何がめでたい』(24)。
2002 年の『パコダテ人』。2018 年に『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』では北海道舞台の映画を監督されています。

(C)2025「花まんま」製作委員会

映画『花まんま』は、第133 回直木賞を受賞した朱川湊人さんの小説「花まんま」を鈴木亮平、有村架純で映画化。
大阪の下町で暮らす加藤俊樹とフミ子の兄妹。兄の俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として親代わりをつとめてきた。
フミ子の結婚が決まり、やっと肩の荷が下りるはずが、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子のある秘密がよみがえる...というストーリーです。

矢武:前田監督は北海道に縁がある監督さんですよね。

前田:『パコダテ人』(02)と『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18)も北海道が舞台ですからね。僕も北海道が大好きなので、このような機会に来ることができるのは嬉しいです。

矢武:今回の企画プロデューサーも道産子の須藤泰司さんですね。

前田:北海道にはなにか縁があるんです。

矢武:『花まんま』をひと足早く観させて頂きました。
いつも通りの前田作品らしく本当に温かい作品で、関西人のリズムや雰囲気が面白かったです。また、ラストのお花のシーンや全体的な小道具の色味もすごくかわいいなと思って観させていただきました。

前田:ありがとうございます。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:この映画は原作がありますが、大人パートの部分は、オリジナルとお聞きしました。どうして原作のその後が描きたいと思ったのですか?

前田:妹のフミ子は、もうひとつの別の家族のことが気になっていて連絡を取ってたんじゃないのかなっていうのが僕の勝手な想像でありました。原作自体の最後の3行ぐらいに子供時代を振り返っているような回想のような設定です。

朱川湊人さんのお書きになった原作では、フミ子が結婚して父との“妹を守る”という約束を果たし、最後にやっと兄として肩の荷が降りたところで結婚式となり、その間がないわけですよ。
子供時代とそこを想像したオリジナルで映画化して、もっと朱川さんの世界観を届けたいという思いがありました。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:この原作の企画を長年温めていた時期からキャスティングイメージはあったのでしょうか?

前田:映画のオプション契約上の問題で、原作権を一度手放してしまった経緯がありました。縁があって再度映画化のお話を頂き、東映の須藤プロデューサーに読んでもらいました。そこから以前描いていたものとはとは違う形で再スタートとなったので、長い年月が掛かってしまいました。

矢武:最初から関西ネイティブというか、キャスト陣もスタッフも、その部分はやはり大事にしようと思ってらっしゃったんですか?

前田:キャスティングは関西の人たちにできるだけ来ていただきました。他の方言と違って関西の方は関西弁に非常に厳しいです。そこはきちんとやりたいという思いがありました。
東映の京都にある太秦撮影所のスタッフの皆さんに協力してもらって制作するというのは、東映さんにとっても良い財産になるという経緯もありました。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:鈴木亮平さん、有村架純さん、主演の2 人は関西出身の方ですが、現場でのお二人はどうでしたか?

前田:本当に前世は兄妹だったんじゃないかと思うくらい相性が良かったようで、お互い壁がなく話せたそうです。関西で撮影することや、関西弁を使うということに対して、大きく貢献してくれたと思います。自然に2人の距離は縮まるというか、最初からもう壁がない状態で、本当に兄妹のような会話を撮影以外でもされてました。

矢武:本編では結構アドリブも多くありましたか?

前田:普段イメージするアドリブというよりは、2人が役に入り込まれている中で、自然に出てきた台詞の延長上のようなアドリブはたびたびありました。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:お兄ちゃんは感情を表に出す方で、妹のフミ子さんは少し淡々とした落ち着いた性格ですよね。やはり監督からの演技の指示があったのですか?

前田:フミ子さんの場合、静かというよりは、絶えず感情を出すではなく「ここぞ!」というときにしっかり言葉を発する芯が通っている、というキャラクターの設定です。シナリオを読めば、俳優さんはどういうキャラクターか把握されるわけです。
亮平さん、有村さん、鈴鹿央士さんも含めて本読みをする際に、原作にない部分の役の生い立ちやエピソードをライターの北敬太さんが書いてくれていたので、それをベースにしてもらいました。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:映画のオリジナルキャラクターである、中沢太郎役の鈴鹿央士さんですが、どうしてカラスの専門家というなかなかユニークなキャラクターを思いついたのですか?

前田:これ面白いですよね。
これはライターの北さんの発案で、僕はもうこれが面白くてしかたがなかったです。
映画自体がファンタジーな要素もあるので、その導入としても良かったですし、こういうものが入った方が映画全体の世界観のひとつの大きな要素になるのではないかなと思います。プラスにはなってもマイナスにはならないと感じました。
また、カラスと話せるのは鈴鹿央士さんしか僕の中ではイメージできなかったので、来てくれて良かったです。自然に少しとぼけた感じで、でも研究は一生懸命で一途なところはお兄さんと一緒という役柄を見事に演じてくれたと思ってます。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:前田監督は『花まんま』のように記憶にまつわる不思議な体験、何度も同じ夢を見たりという体験はあるのですか?

前田:夢というか不思議な出来事というのは、僕自身もそういう経験は少なからずあります。
お盆に虫が飛んできたら、おばあちゃんが帰ってきたのかなというような、亡くなった方を含めて日本にはそういう文化・風習が自然にあると思っています。
亡くなったからといって、物理的にいなくなっても心の中に生き続けてるっていうことはあると思います。その人との会話をするために、お墓に手を合わせたり、仏壇に手を合わせるということもひとつの行為だと僕は思っています。

(C)2025「花まんま」製作委員会

矢武:最後に『花まんま』をこれからご覧になる方へコメントをお願いします。

前田:笑って、泣いて幸せな気持ちになってもらえる。そういう映画だと思います。
幸せを誰かに伝えたくなるような映画で、幸せが伝染していく、バトンが渡っていくような風になれば良いなと感じてまいす。
ぜひ映画館で『花まんま』観て、思いっきり感情を出してもらいたい。心のデトックスになると思います。
誰もが色々なものを抱えて生きていると思います。それを解き放つような力がある映画なので、気持ちを解放してほしいなと思いますので、ぜひ映画を観てほしいです。

映画『花まんま』は札幌シネマフロンティア、TOHOシネマズ すすきの、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか旭川、江別、小樽、釧路、北見、苫小牧、室蘭、帯広、稚内で4月25日(金)から公開です。

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