猫の『お耳のケア』はサボっちゃダメ!お手入れ方法のコツと注意点
お耳のお手入れへの関心度はどれくらい?
とあるペット関連企業が、犬猫を飼っている飼い主さんに対し、耳掃除に関するアンケートを実施したところ、耳掃除をしたことがあると回答した割合は、およそ6割という結果になりました。
過半数の飼い主さんが関心を持っている一方で、残りの4割は、耳掃除をしたことがないと回答していることもまた事実です。
一般的に猫の耳アカは、自浄作用によって自然に排出されるため、頻繁な掃除は不要とされています。
しかし、湿度が高まる季節や、その猫の体質によっては、お手入れの頻度を調整していく必要があります。
ここからは、正しいお手入れ方法や注意点を確認していきましょう。
お手入れ方法のコツと注意点
お耳は非常にデリケートな器官ですので、お手入れの際は傷つけないよう配慮する必要があります。
ぬるま湯に浸した「コットン」や、猫の耳掃除専用の拭き取りシートを使って、お耳の外側をなぞるように優しく拭き取ることがコツです。
一方で「綿棒」は、摩擦によって耳の中を傷つけたり、かえって汚れを奥の方に押し込んでしまったりする危険性があるため、使用は避けることが望ましいでしょう。
汚れが取れないからといって、無理やり拭き取ったり、こすり続けたりすることも、絶対に避けてください。
爪切りやブラッシングと同様に、不快感を示す猫もいますので、猫の気持ちに寄り添いながら、無理のないケアに努めましょう。
いきなり耳掃除を行なうのではなく、まずは耳を触れる信頼関係を築くことが大切です。
お耳の異常に早く気付くために
実際に掃除をすることだけが、お耳のケアというわけではありません。
様子を観察することもケアの一環となりますので、日頃から意識するようにしましょう。
その際に、耳アカの量が異常に多い、匂いがする、赤く炎症を起こしているなどといった異変が見られる場合は、早めに動物病院に受診してください。
しきりにかゆがっている様子が見られるのであれば「耳ダニ症」や「マラセチア性の外耳炎」などの感染性の外耳炎にかかっている可能性が考えられます。
折れた耳が特徴的な「スコティッシュフォールド」などの猫種は、特にトラブルが起こりやすいとされていますので、ケアを怠らないようにしましょう。
まとめ
猫のお耳は、私たち人間以上に活用の幅が広く、音を聞き取る手段としてはもちろん、自由自在に操ることで、自分の感情を豊かに表現しています。
お耳は非常にデリケートな器官であり、正しくお手入れしてあげることが重要です。
掃除をする際には、綿棒ではなくコットンを使い、優しく拭き取ってあげることがコツです。
日頃からお耳の様子を観察することを習慣づけ、耳アカの量や匂いなどといった異変に、いち早く気づいてあげましょう。
お手入れには苦手意識を感じる猫もいますので、猫のタイプに寄り添いながら適切に対応し、健康の維持に努めてください。
(獣医師監修:葛野莉奈)