妙高市新年度予算案は過去最大224億3000万円 子育てや若者支援重点に
新潟県妙高市は2025年2月17日、2025年度の当初予算案を発表した。一般会計は224億3000万円と前年度比4億5000万円(2.0%)の増で、過去最大の予算規模となった。城戸陽二市長が重点を置く子育てや若者への支援では、10月に値上げするえちごトキめき鉄道の通学定期購入費支援や高校生向けのサードプレイス設置などを盛り込んだ。
《画像:会見し新年度予算案を説明する城戸市長》
一般会計は和田にじいろこども園乳児棟の新築工事が終了し、新図書館等複合施設建設の工事費も減ったものの、妙高山麓ゆめ基金事業の寄付額増加に伴う積立金や、児童生徒の学習用タブレット端末の更新、新井小学校区放課後児童クラブの移転改修工事などから増加した。
歳入では、市税は個人市民税の増収などにより前年度比2.1%増の45億8104万円、地方交付税は5.9%増の70億9079万円、市債は16.4%減の16億2050万円で2025年度末残高は2億1421万円減の169億1985万円。市の貯金にあたる財政調整基金は7億円を取り崩し2025年度末残高は約36億7270万円となる見込み。
子育て世帯や若者支援では、えちごトキめき鉄道の値上げに伴う負担軽減策として、高校生らが通学に使う定期券の増額分の半額を助成する。
また高校生向けのサードプレイスの設置、若者の成長を支援するユースワーカーの配置など、つながる妙高若者プロジェクト推進事業に1161万円を充てる。サードプレイスは新井駅にある「みんなの寄り道BASE」に加え、新図書館等複合施設や勤労者研修センター内への設置、ユースワーカーは市役所や新図書館等複合施設への配置を予定している。
このほか新たに、若い世代の男女に妊娠前の健康管理を促すプレコンセプションケアの取り組み、1か月児健康診査費用や妙高市在住の妊婦が他市などで里帰り出産する際の出産サポートタクシー費用の助成、日帰り型産後ケアなどを行う。
けいなん総合病院に4000万円緊急支援
経営危機のJA新潟厚生連が運営するけいなん総合病院に対しては、緊急財政支援として4000万円、他病院からの医師派遣受け入れに係る旅費などの補助に1780万円を計上した。
市制施行20周年記念し式典やイベント
4月で市制施行20周年を迎えるのを記念し、5月10日に式典を開催するほか、講演会やコンサート、ドローン展示飛行などの関連イベントも予定している。予算額は約938万円。
このほか、主な新規事業は旧サテライト妙高を活用したウイスキー蒸留所整備支援(1億9809万円)、道の駅あらいリニューアルに向けた管理運営計画の作成(821万円)、中学校体育館への冷房設置に向けた設計、あらいまつりをリニューアルした妙高市民まつり(仮称)の開催支援など。
城戸陽二市長は「さまざまな世代はもちろん、第4次総合計画のリーディングプロジェクトとなる子どもや若者の成長、交流、つながりの場づくりに特に重点を置いた」と説明し、「未来に向かって希望が持て、誰もが誇れるまちに発展させる取り組みを進める」と述べた。
城戸市長は同日の会見で、10月に供用開始を予定している新図書館等複合施設について、愛称を「まちなか+(プラス)」に決めたと発表した。
《画像:公募で決まった愛称を発表した》
愛称は昨年夏に公募し383点が寄せられ、選考委員が24点に絞った後にウェブ投票などを経て決定した。まちなか+は市内在住の細井佳奈子さんが応募したもので、「まちなかにある施設で、本と人、人と人など何かがつながる交流の場となるように」との願いが込められている。まちなかにプラスアルファを創り出す期待が感じられる点などが評価された。
城戸市長によると、工事は今春の完了に向けてほぼ計画通りに進んでいるといい、今後備品の整備や利活用に向けたワークショップなどを進めていくとしている。「図書館を核とし、生涯学習、市民交流、子育て支援の拠点となるとともに、まちなかのにぎわい、地域の活性化につながるよう着実に事業を推進したい」と話した。10月4日にはオープン記念式典が予定されている。
《画像:建設工事が進むまちなか+》