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シャンパーニュと肩を並べる「シュラムスバーグ」

ワイン王国

シャンパーニュと肩を並べる「シュラムスバーグ」

1862年にドイツ移民のシュラム夫妻がナパ・ヴァレー北部のダイヤモンド・マウンテンに「シュラムスバーグ」を立ち上げてから100年余りの歳月を経た1965年、現オーナーであるヒュー・デイヴィーズ氏の両親が施設と畑を購入。瓶内二次発酵の発泡性ワイン造りに挑戦し、シャルドネとピノ・ノワールだけを使った、商業ベース初となる米国産スパークリングワインを誕生させた。

2代目当主ヒュー・デイヴィーズ氏が5年振りに来日し、ランチセミナーを開催した。席上「ご両親はなぜ、スパークリングワイン造りを志したのか」との質問が投げかけられた。 「もともとワインに興味があり、当時はシャルドネやピノ・ノワールのような高貴品種でスパークリングワインを造る人はいなかったので、誰もなし得ていないことにチャレンジしたかったのだと思う。加えて、山を掘ったカーヴにもひかれたようだ」との答えが返ってきた。

「シュラムスバーグ」の2代目当主ヒュー・デイヴーズ氏。手にしている『ジェイ・シュラム レイト・ディスゴージュド ノース・コースト 2004年』のオリ引きは2022年9月で生産量は120ケース。正面にある『シュラムスバーグ リザーヴ レイト・ディスゴージュド ノース・コースト 2007年』のオリ引きは2024年8月で生産量は234ケース。ともに、今回のイベント用に蔵出しされた希少アイテム 右から順に 『ブラン・ド・ブラン ノース・コースト 2021年』『ブラン・ド・ブラン ノース・コースト 2018年』『ジェイ・シュラム・ブラン ノース・コースト 2015年』『リザーヴ レイト・ディスゴージュド ノース・コースト 2007年』『ジェイ・シュラム・ノワール ノース・コースト 2014年』『ブラン・ド・ノワール ノース・コースト 2018年』『ブラン・ド・ノワール ノース・コースト 2020年』

初代デイヴィーズ氏に瓶内2次発酵の製法を伝授したのは、偉大な醸造家アンドレ・チェリチェフ氏(1901-1994)の息子ディミトリ・チェリチェフ氏(1930-2017)だ。シャンパーニュ地方で1年間学んだ経験を生かし、「シュラムスバーグ」ではコンサルタントとして活躍。ちなみに、アンドレ・チェリチェフ氏はロバート・モンダヴィ、ジョー・ハイツ、マイク・ガーギッチなど、カリフォルニア・ワインの歴史に名を残す醸造家たちを指導したことで知られている。

「北海道産帆立のクルード」×『ジェィ・シュラム・ノワール ノース・コースト 2014年』 ≪国産ムール貝、柿、人参、チャイブ、柚子≫ ピノ・ノワール81%に、厳選したロットのシャルドネを19%ブレンド、ドザージュ8g/L。ブドウの収穫から9年後にリリースされるジェイ・シュラムには焼きリンゴや熟した果実、ココアやロースト香、クルミなど、層になって広がる旨味があり、余韻も長い。柚子とジェイ・シュラムの酸味が調和し、帆立を包み込む印象だった

1972年、ニクソン大統領が訪中の際、周恩来首相との会見最終日に、“平和への乾杯”としてシュラムスバーグの『ブラン・ド・ブラン 1969年』が供された。75年、昭和天皇が初訪米の折には、フォード大統領主催の公式晩餐会に『ブラン・ド・ブラン 1971年』が登場。今ではホワイトハウスの御用達スパークリングワインとして知名度を上げているシュラムスバーグだ。

「真鯛のグリル」×『シュラムバーグ』8種 ≪季節野菜のシチュー 椎茸 ブルグル トマトブールブラン≫ 左から供出順に、フレッシュさとストラクチャーの『ブラン・ド・ブラン 2021年』、フードフレンドリーな『ブラン・ド・ブラン 2018年』、熟した果実と鮮やかな酸味の『ジェイ・シュラム・ブラン 2015年』、まろやかさとコクの『ジェイ・シュラム レイト・ディスゴージュド 2004年』、エネルギッシュな『ブラン・ド・ノワール 2020年』、凝縮感と骨格の『ブラン・ド・ノワール 2018年』、旨味の『ジェイ・シュラム・ノワール 2014年』、複雑味と生き生きした酸味の『リザーヴ レイト・ディスゴージュド 2007年』。 8アイテムにはそれぞれに趣があり、“凜とした酸”が共通項。真鯛のグリルのブールブランソースの旨味は、シュラムスバーグのスパークリングワインを引き立て、美味。魚介類から肉系の食材まで、守備範囲の広さを実証したペアリングだった

フロンティア精神溢れる両親のDNAを受け継いだヒュー氏は、海の影響を受けた冷涼エリアのブドウがもたらす高い酸味が長熟スパークリングワインの要と断言し、本家シャンパーニュに拮抗する発泡性ワイン造りに励んでいる。

「クリームブリュレ、カシスソルベ、柑橘コンポート」× 未入荷の『クレマン・デミ・セック 2020年』 デザートに合わせて、オフドライタイプの『クレマン・デミ・セック 2020年』がサプライズで登場。1950年代、ハロルド・オルモ氏が開発した交配品種「フローラ(ゲヴェルツトラミネール × セミヨン)」主体のワインで、ドザージュは35~40g/L。シュラムスバーグでは1972年からヨントヴィルでフローラを栽培しており、アメリカ大統領の公式晩餐会でも幾度となく供されてきたアイテムだ。色調はゴールドで、生き生きした酸味がクレマンのクリーミーでやさしい味わいと絡み合い、好印象。「クリームブリュレにソルベやミカンが添えてあるのでバランスが良い。リンゴや桃、柑橘系フルーツをベースにしたペストリー、エスニック料理やスパイス系の料理、ドライフルーツやナッツにも合う」とヒュー氏

今年の春には、フラッグシップワイン『ジェイ・シュラム 2000年』のレイト・ディスゴージュド(オリ抜きの時期を通常より遅らせ、オリとの接触時間を長く保たせるスタイル)を発売する予定である。24年間熟成させたワインを世に出すのは初の試みだが、「われわれには自信がある。60年というワイン造りの経験があり、健全な酵母により長期間のコンタクトが可能になった」と自信に満ちたメッセージでセミナーを締めくくった。

text and photographs by Fumiko AOKI

【問い合わせ先】  WINE TO STYLE TEL.03-5413-8831

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