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直江津空襲から80年 黒井公園で犠牲者悼み平和を考える集い

上越タウンジャーナル

第2次世界大戦中に新潟県内で初めて被害が出た空襲「直江津空襲」から80年の2025年5月5日、上越市黒井の黒井公園で「直江津空襲と平和を考える集い」が開かれた。参加者は爆弾が投下された時間に合わせて黙とうを捧げ、平和への思いを語った。

《画像:黒井公園に立つ直江津空襲の標柱の前で開かれた集い》

直江津空襲は、1945年5月5日午前11時15分頃、米軍の爆撃機が直江津の工場地帯を狙い、計7個の爆弾を投下したもの。黒井駅付近で昼食を食べていた人や水田で作業中だった人など3人が死亡し、少なくとも4人が重軽傷を負ったとされる。

集会は「直江津空襲と平和を考える会」が、黒井公園に「直江津空襲・黒井被爆の地」の標柱が建てられた1991年から毎年5月5日に実施している。標柱には同市の児童文学作家、杉みき子さんによる碑文「戦争のいたみをつねに思いおこし平和を考えるよすがとするために」の文字が刻まれている。

《画像:杉さんの碑文が刻まれた標柱》

今年は平和活動に取り組む市民団体のメンバーや地元住民ら約25人が参加。標柱を前に、犠牲者を悼み黙とうした。参加者は次々に平和への思いを語り合い、「子供たちに戦争の悲惨さを伝えることが大人の大事な仕事」「戦前の治安維持法と似たような法律がどんどん出来ている」「過去の悲劇を繰り返さないよう歴史に学ぶことが大事」などと述べた。最後に参加者全員で拳を上げ、「再び戦争による犠牲者を出すな」などと声をそろえた。

《画像:爆弾が投下された午前11時15分に黙とうする参加者》

近年は、空襲の体験を語る人や長年会を支えてきたメンバーが亡くなり、高齢化が課題となる中、同会会長代行を務める同市平和委員会会長の本間勝さん(81)は「私が生きている間は頑張りたいが、その後は若い人にお願いしたい。(世の中が)危険な方向に動き、戦前が戻ってきた気がするので、絶対に(戦争を)やらせないためにも続けていきたい」と語った。

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