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古き良き居酒屋文化をアップデート! 『新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯』で記憶に残る乾杯体験を

さんたつ

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新橋駅を出てすぐのJR線の高架下にある居酒屋『新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯』。若者をメインターゲットに、赤提灯を掲げる居酒屋らしいおつまみと、お酒を現代的にアップデートして提供する。名物ホルモンミックス焼きをはじめとしたこだわりのフードは、赤提灯サワーや烏森ハイボールといったオリジナルドリンクにベストマッチ。

新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯

コンセプト「酒のアダルトショップ」の意味とは?

新橋といえば、いまも昔もビジネスパーソンの街。だが、近ごろは若者や海外からの旅行者の姿も多く見かけるようになった。新橋=サラリーマンというイメージは、もう古いのかもしれない。

それでも新橋の駅周辺に親しみやすい飲み屋がたくさんあるのは、この街の変わらない魅力だ。昔ながらの居酒屋はもちろん、新しく登場したお店にも新橋らしいスタイルが見られる。そんな飲み屋の1つが2023年5月にオープンした『新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯』だ。

その名のとおりガード下に位置するおしゃれな店。出入り口の上に吊られた大きな赤提灯が目を引く。

まず印象的なのは、出入り口の巨大な提灯から店内まで、歓楽街を思わせるネオンが灯っていること。

店長の上野翔さんによると、同店のコンセプトは「酒のアダルトショップ」だという。いったいどういうことなのか。

立ち飲み専用の1階はカウンター席のみ。赤いネオンの明かりがアダルトな雰囲気を演出。

「ここはもともとアダルトショップだった物件の跡地にできたお店なんです。そんなストーリーから、“お酒のアダルトショップ”というコンセプトで運営しています。この新橋1丁目は、銀座のすぐ近くということもあって、大人の世界への入り口のようなイメージです」

2階にはカウンター席とテーブル席があり、キッチンに面した席なら調理の様子を間近で見られる。

上野さんの言葉どおり、店内は1階も2階もどこか非日常的な空間に仕上がっている。天井や壁面のネオンを筆頭に、1階に飾られた映画のポスターやカウンターに貼られたステッカーなどの装飾もスタイリッシュだ。

お酒が進む、素材にこだわった手作りメニューの数々

『THE 赤提灯』の料理について、上野さんは「素材の鮮度と手作りにこだわっている」と言う。とくに「ホルモンとマグロが売り」とのことなので、今回は名物ホルモンミックス焼き(ハーフ)748円と、マグロぶつ968円をオーダー。さらに「女性のお客さまに人気」という朝どれ野菜スティック748円を加え、計3品を用意してもらうことに。

『THE赤提灯』を代表する名物料理3品。

さっそくキッチンがよく見えるカウンター席へ移動。名物ホルモンミックス焼きの調理工程を眺めながら出来上がりを待つ。肉が焼ける心地よい音とともにタレの香りが立ち上り、食欲を刺激する。

いちばん人気のメニュー・名物ホルモンミックス焼き(ハーフ)。甘辛いタレは白米が食べたくなる味わい。

出来上がった名物ホルモンミックス焼きを冷める前に実食。プリプリ食感の柔らかいホルモンに甘辛いタレが絡み、かむほどに肉の旨味があふれ出す。卵の黄身を混ぜれば、マイルドでやさしい味わいに。

「納品日の当日の朝に締めた牛と豚のホルモンを使っています」と上野さん。新鮮なホルモンを使用しているため臭みがなく、旨味をしっかり感じられるのだとか。

2品目のマグロぶつには、豊洲から毎朝届く新鮮なマグロを使用。濃厚な旨味としっとり&もっちりとした食感を存分に堪能できる。

鮮度のよさが光るマグロぶつ。

「目利きのプロである豊洲の仲卸業者『石司(いしじ)』さんから、日本各地のマグロをお送りいただいています。青森県の大間のマグロをはじめ、そのときどきで品質がいいマグロを入荷しています」

3品目の朝どれ野菜スティックも鮮度には自信あり。千葉県の農家からその日の朝に収穫された野菜を取り寄せており、季節ごとに内容が変わる。取材の日はコマツナ、ニンジン、キュウリ、そしてゴールドラッシュという品種のトウモロコシ。これらをコクがあって奥深い味わいのネギ辛味噌とマヨネーズにディップして味わうメニューだ。

旬の野菜を盛り合わせた朝どれ野菜スティック。マヨネーズとネギ辛味噌は混ぜるのがおすすめ。

アルコールのおすすめは、赤提灯サワー638円や烏森ハイボール638円、バイスサワー(しそ)528円といったオリジナルドリンク。とくに自家製の酵素シロップを使った赤提灯サワーは、果物が香る爽やかな甘さで、普段お酒を飲まない人でも飲みやすい。

「酵素シロップというのは、お砂糖と季節のフルーツを混ぜ合わせて、10日間かけて発酵させたものです。夏の時季ならオレンジ、秋から春はレモンと生姜を混ぜ合わせたレモンジンジャーを用意しています」

左からバイスサワー(しそ)、烏森ハイボール、赤提灯サワー。グラスに書かれた全9種類の格言にも注目。

また、季節ごとの焼酎や日本酒、果実酒、国産のジャパニーズウイスキーなど、メニュー外のお酒も多い。これらはグラスで注文するほか、ボトルキープも可能だ。

ジャパニーズウイスキーや季節ごとの焼酎、日本酒、果実酒など、メニューに載っていないお酒も多数。

素材と手作りにこだわったハイクオリティな料理の数々は、スッキリとした各種オリジナルドリンクとの相性抜群で、お酒が進むこと間違いなし。フード1品で何杯もおかわりしたくなる。

赤提灯系の居酒屋文化を若い世代へ伝えるために

店づくりのコンセプトが「酒のアダルトショップ」なのは前述したとおりだが、店名の『THE 赤提灯』にも意味がある。そもそも高架下の飲食店=赤提灯という居酒屋文化が生まれたのは、戦前~戦後あたり。有楽町駅と新橋駅を結ぶガード下から始まったと言われている。

フードには肉、魚、野菜がそろっている。その日の気分やお酒に合わせてチョイスしたい。

「赤提灯を目印として運営されている居酒屋の文化って、日本独自のストリートカルチャーであると思うんですよ」と上野さんは語る。「その文化を大切にしていきたいなっていう思いが、店名に秘められています」。

「赤提灯系の居酒屋といえば、言葉を選ばずに言うと、ちょっと汚らしいようなイメージがあったと思うんです。僭越ながら、それをよりアップデートすることができれば、赤提灯の文化をこの先にも残していくことができる。お客さま同士、交流を深めていただく新たな社交場になれば、と思います」

お客さんとのコミュニケーションを大事にしている店長の上野翔さん(左)と、スタッフの島津さん(右)。

近年はお酒を飲まない若い世代の人が増えている。だからこそこの店では、若者へ向けて赤提灯系居酒屋の魅力を発信し、お酒に興味を持ってもらうためのさまざまな工夫を凝らしている。

その一つが、20歳の人にスペシャルなドリンクを1杯プレゼントする“はじめての乾杯体験”だ。上野さんは「ウチをきっかけとして、大人の階段をのぼるステップにしてもらえたらうれしい」と笑う。

赤提灯系ならではのにぎわいやコストパフォーマンスのよさを継承した「酒のアダルトショップ」。ここには、いまも昔も変わらないお酒を飲むことの楽しさが詰まっている。

新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯
住所:東京都港区新橋1-13-5/営業時間:16:00~23:00LO(フード22:30LO)/定休日:土・日・祝※営業する場合もあり。詳細は公式Instagramにて/アクセス:JR・地下鉄・ゆりかもめ新橋駅から徒歩1分

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=上原純

アート・サプライ
編集プロダクション
1971年創業の編プロ。「旅&食&散策」ジャンルに強く、情報誌では子供向けから鉄道やドライブでの大人旅まで。さらにグルメ系ではラーメンや唐揚げ専門情報誌をはじめ、日本全国うまいもの紹介なども手掛けている。

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