<大金>大学生のわが子の国民年金保険料は誰が払う?「親が立て替え」「猶予」それぞれのメリットは
わが子が大学に進学して、ホッとひと息。これまでかかった教育費はかなりの額だったけれど、今後必要な分はおおよその目処がついた……。そんなふうに油断しているところに届く、”あれ”の支払いを求める通知。20歳になったわが子が支払わなくてはいけない保険料、つまり国民年金保険料の通知です。
半数が「親払い」。社会保険控除を受けられるメリットも
通知を受け取るのは親ではなく、支払い義務のある本人=子どもです。すでに働いて収入を得ていれば別ですが、問題はわが子が大学や短大・専門学校などに通う学生の場合です。
『大学生のお子さんの国民年金、どうされていますか?』
ママスタコミュニティに投稿がありました。いろいろな意見を聞いて参考にしたいとのこと。コミュニティのアンケート機能を使い尋ねたのですが、結果は「親が払っている」が約半数、「猶予申請をしている」がそれにやや足りないものの半数近く。「子どもが自分で払っている」は、わずか1票でした。
『最近20歳になった。親が払うよ。院進するだろうから、払う期間が長い……』
大学の多くは4年制ですが、医療系などのように6年制という場合も。また大学院に進学しても”学生”の時期が長く続きます。アルバイトで収入を得ている子もいるでしょうが、その使い道の大半は小遣いであることが多そうです。 ちなみにアンケートで「子どもが払っている」と回答した方の理由は、「(わが子は)バイトをしているから」というものでした。
『就職するまでは親が払うつもり。年払いしたけど、けっこうな額だわ』
毎月の納付額は1万6,980円(令和6年度の場合)。まとめて支払うと「こんなにかかるの?」と、より実感しそうです。親は自分たちの分に加えて支払うことになるので、ずっしりきますね。「子どもふたり分を払っている」という声もありましたが、歳の近いきょうだいがいる家庭はさらなる負担感でしょう。
『社会保険料控除を受けられてお得だから、親が払うよ』
親が大学生のわが子の年金保険料を支払った場合、社会保険料控除を受けられます。社会保険料控除は、社会保険料(国民年金、国民健康保険、健康保険・厚生年金保険など)を納めたときに受けられる所得控除のこと。自分自身だけでなく配偶者やその他の親族、つまりわが子などが負担すべき社会保険料を納めたときも同様です。
残り半数は「猶予」を申請。大きな理由は年金制度に対する不信感
「親が払っている」の次に多かったのが、「猶予の申請をしている」という回答でした。
『(子どもが65歳になる)45年後に年金がもらえる保証もない。学費や自動車免許のお金は親が負担してるから、本人が必要だと思ったら追納すればいいと思う』
『この先どうなるかわからないお金を、月に万単位で支払う意味が不明。だから猶予にしておく』
老後の大切な資金となるはずの年金ですが、果たして今のママパパ世代だって十分受け取れるのか? 不安を感じている人も少なくないでしょう。さらにその先の世代である、わが子たちのときは一体……? 年金制度に対する不信感を抱いている人が目立ちました。「この子たちがもらうまで、年金制度はあるのかな? 真面目に払うの、少しためらっちゃう」という声に、頷くママもいそうです。 子どもが20歳を過ぎても学生で、本人所得が一定以下の場合、年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。ただし、これはあくまで「猶予」。将来満額の老齢基礎年金を受け取るためには、10年以内に保険料を支払う「追納」が必要です。
子どもに任せるか、親が負担するか?親子で相談してみては
子どもが支払う代わりに、親が”建て替える”という方法を取っている家庭もあるようです。
『うちは2年前納で親が一括で支払ったあと、バイトをしている子どもにその分を少しずつ返してもらう予定。支払えるほどのバイト代がなかったら、親が出すつもり』
この方のお子さんはまだ20歳前とのことですが、この先必要となるであろう費用(学費・交通費・年金保険料・自動車学校代)を貯金しているそう。学費と交通費は親持ちで、年金保険料と自動車学校代はバイト代から分割で返してもらう予定とか。バイト代から無理のない範囲での分割ならば、支払いにそこまで苦しまずに済みそうです。 ちなみに保険料は、まとめて前納すれば割引も! 口座振替で2年分を前納すると、月払いより1万6,590円お得になります(令和6年度の場合)。
原則、学生が保険料免除制度を利用することはできません。親が払うのか子ども自身が払うのか。はたまた猶予の制度を使うのか。家計に余裕があっても「子どもを甘やかしたくない」と考える家庭もあるでしょうし、余裕がなくても「子どもの将来に負担をかけたくない」と考える場合もありそうです。わが家の場合はどうするのか? いつかは必ず訪れる判断のときまでに、親子で話し合っておいてはいかがでしょうか。