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「誰よりも会社と社員が好き」 アパホテル・元谷芙美子社長が語る仕事の愛し方

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「誰よりも会社と社員が好き」 アパホテル・元谷芙美子社長が語る仕事の愛し方【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

北陸地方から全国各地へ、そして海外にまで展開したアパホテル株式会社。アパホテルの成長を後押ししたのが、創業者・元谷外志雄さん(現アパグループ会長)の妻であり取締役社長の元谷芙美子さんです。華やかな帽子をトレードマークにアパグループの広告塔になり、認知度向上に貢献。営業でもトップの成績を出し、現在もほぼ毎日現場に足を運ぶという元谷さんに、成果を出す方法や仕事の楽しみ方について伺いました。

好きだから夢中になれる。「物売り」にならない営業でトップに

Q. 元谷さんは、ホテル部門の社長に就任する前は不動産部門で営業を担当し、出産後に営業成績トップまで登りつめられました。トップになった理由は何だと思われますか?

誰よりも会社のことが好きだからだと思います。 大好きだからこそ、どんな逆境に直面しても諦められなくて、かえって燃えちゃうんですよね。 深夜までお客様と商談をして、会長から「こんな時間までどこにいるんや、もう帰ってきなさい」と電話がかかってきたこともありました。それでも「お客様とちゃんとお話ししたいので、終わったら帰ります」と断って、商談を続けていたくらい夢中になれるんです。

気を付けていたのは、単なる「物売り」の営業にならないこと。「私に関わった方の人生をより良いものにしたい」という思いが働くモチベーションなので、 会社の売り上げよりもお客様が求めていることを大事にしています。 不動産の営業でも「分譲住宅を持っていただくことがお客様の将来にとって価値がある」という信念を持って商談していました。商品よりも私や会社に価値を感じていただけるようにと意識していましたね。

こんなことを言うと怒られちゃうかもしれませんが、私はお正月とお墓参りの日くらいしか休みません。唯一まとまって休んだのは、23歳と27歳の出産前後だけ。アパホテルは日曜と祝日が最高の営業日ですから、休みの日こそ現場に出てお客様や社員の顔を見たいんです。もちろん、社員にはきちんと休んでもらっていますけどね。

引っ張るのではなく持ち上げる 「No.2流」のリーダーシップ

Q. 多くの従業員を抱えるアパホテルの社長としても、アパグループの広告塔としても活躍されていますが、働くうえでのマイルールはありますか?

社員を大事にすることです。今は軽やかに転職してキャリアアップできる時代になり、自分の意志で会社を選べます。そんな状況でアパホテルを選んでくれたんですから、このご縁を大切にしたいんですよね。

武田信玄の「人は石垣、人は城、人は堀」という言葉があるように、企業は人でできています。私にとって社員は家族のような存在で、一人ひとりがかわいくてしょうがない。ずっと働いてほしいから、70歳でも本人の意志と能力さえあれば1年ごとに契約更新して働き続けられる環境を用意しています。

私は、会長のようにカリスマ性があるリーダータイプではないから、「私についてきて!」とぐいぐい引っ張る社長ではなく、いわゆるNo.2としてみんなを持ち上げて応援する母のような存在でありたいと思っています。

だから仕事であっても争いを好まず、 人にどれだけ優しくできるかを追求してきました。 アパグループは家族経営ですから、私は絶対にクビにならないでしょう? 会長の夫人ということもあって、私に苦言を呈してくれる社員はいません。最初にお飾りでトップになった部分もあるからこそ、きちんと努力して、社員に多くを与えられる優しい人間であらねばと自分を戒めています。優しい人間でいたほうが、気分もいいですからね。

先輩の長所を探すことが、会社を好きになる近道

Q. 元谷さんがこれまで経験されたことを踏まえ、20代のうちにやったほうがいいことがあれば教えてください。

私は結婚や仕事のどちらかを取るんじゃなくて、両方頑張って楽しんできました。 そんな人生にすごく満足しているので、プライベートも仕事も全力で楽しんでほしいです。20代は体力もあって、一生懸命働ける時期ですよね。心身の健康を最優先しつつ一心不乱に働いて、お仕事を大好きになってほしいと思っています。

アパグループで働いている20代の社員も立派な方ばかりで、みんな伸びしろたっぷりなんですよ。ぐんぐん成長する姿が、阿修羅のように命がけで働いていた自分の20代を思い出させてくれて、いい機運をもらっています。

あとは「いい会社に入った」と信じることも大事。先輩を尊敬できないと「なんでこんな会社で頑張らないといけないんだ」とつらくなるでしょう。社長や部長などの役職についている人だったら、どこかしら好きになれる長所があるはず。完璧な人は仏様や神様くらいしかいませんし、私だって完璧じゃありません。相手のいいところを探して連帯感を持つことが、会社を好きになるコツだと思います。

いつかあなたも誰かの上司になる日が来るでしょう。 自分自身も素敵な上司になれるように磨く時期が20代。 大変なこともたくさんあると思いますが、どうか負けないで自己研鑽してほしいです。先輩方を尊敬できるマインドを持ち、プラス思考で行動していれば、自然と運が舞い込んできます。私もそうやって運に恵まれ、ここまで来ることができました。このまま頑張れば大丈夫と信じて、前向きに働いてくださいね。

プロフィール

元谷 芙美子(もとや ふみこ)

福井県出身。県立藤島高校卒業後、地元の信用金庫に就職。元谷外志雄氏と出会い結婚したのち、1971年に外志雄氏と共に信金開発株式会社(現アパ株式会社)を創業。1994年にアパホテル株式会社(1980年設立)社長に就任してからは、「私が社長です。」のキャッチフレーズと共に自らが広告塔となり、全国的なホテルチェーンへと成長させた。現在では国内のみならず、アメリカ・カナダにもホテルを展開する。

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