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岸和田沖一文字でのノマセ釣りで38cmツバスをキャッチ【大阪】青物シーズン本格化

TSURINEWS

岸和田一文字で仕留めた38cmツバス(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

秋の青物最盛期、岸和田沖一文字で38cmのツバス1匹という物足りない釣果ではあったが、回遊状況が悪く激渋の状況下では貴重な釣果を手にして、ノマセ釣りの醍醐味を堪能した釣行となった。

岸和田沖一文字で青物狙いノマセ釣り

大阪湾は釣り人にとっても恵みの海。2024年秋も順当にブリ・メジロ(ワラサ)・ハマチ(イナダ)、サワラ・サゴシといった青物の釣果情報が続々と伝わってきた。

しかし、実際に青物が釣れる釣り場は10年ほど前に比べれば大幅に減少。神戸港の沖防波堤が釣り禁止となった今は、釣り人の数に比べて釣り場の収容面積のほうが圧倒的に足りていないというのが私(筆者)の実感である。

そうした中、沖防波堤を主戦場としている私も青物狙いでノマセ釣りをしようと、10月5日の岸和田沖一文字(通称:沖の北)への釣行を決めた。

岸和田一文字拡大図(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

2番線に乗船

前日の4日の岸和田渡船の予約専用ホームページでは、受付開始30秒足らずで始発便予約は終了、泣く泣く2番船の予約を余儀なくされた。

秋の青物最盛期、沖防波堤は釣り人でギッシリ。始発便に乗船できないと釣り座の選択肢が大幅に制約されてしまう。秋の青物最盛期は、釣行には一苦労を強いられる憂鬱な時期でもある。

岸和田渡船(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

当日4:20頃、船長から船内放送アナウンスで「沖の北はポンプ小屋から北のほうは最初の船で渡った人で埋まったので、この船のお客さんは中央のポンプ小屋から南の奥のほうまで歩いて空いている場所を探してください。どこかには入れると思います」と聞かされガックリ。2番船に回った悲哀を乗船前に早速味わうこととなった。

始発便の釣り人は北方向に居並ぶ(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

なお、岸和田一文字の詳しい特徴その他の解説は、過去の投稿をご覧いただきたい。

波止に渡るも早速苦労の連続

4:30に2番船が出船し、沖一文字に着くと、船長のアナウンスどおり始発便の先客が既に有力な釣り座を埋め尽くしていた。

2番船の釣り人は南方向奥での釣り(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

仕方なくポンプ小屋から南に50mほど歩いて空き場所を見つけて、1人あたり波止のケーソン1ブロックのルールに従って釣り座を構えたが、早速苦労の連続となった。

脚立を忘れる

まず、波止の沖向きに上るための梯子がない。当日は自前の脚立を持参するのを忘れてしまった痛恨のミスが祟り、クーラーを足場に波止の沖向きに上る危うい状況を余儀なくされた。

私のような憂き目に合わないように、岸和田沖一文字に渡る人は、ぜひとも自前の脚立を持参してほしい。

活きエサ確保に移動が必要

もう1つの苦労は、ポンプ小屋から南側の内向き(陸向き)は、海がオイルフェンスで囲まれたエリアなので、サビキ釣りには不向き。ノマセ釣りの活きエサとなる小アジ釣りのために、波止の北端付近までわざわざ移動を余儀なくされた。

ノマセ釣りを始める前からこうした面倒事を抱えてしまい暗い気持ちになったが、さらに追い打ちをかけたのが夜明け前までのタチウオ釣りの不発。平日には二桁釣果の人もいたというモーニングサービス状況は一転、当日は見渡す範囲でタチウオを手にしたのはたった1人だけという惨状。

ドジョウテンヤの引き釣りで挑んだ私も、ワインドやジグで挑んだルアーマン達も軒並み不発で、波止上は険しい表情の釣り人が目立っていた。

タチウオ釣りは不発(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

夜明け後のサビキ釣りは小アジ大漁

タチウオ釣りに見切りをつけ、夜明け後は歩いて一時的に波止の北端付近に移動。サビキ釣りでノマセ釣りの小アジの確保に挑む。タックルは磯竿5号5.4mに道糸5号を巻いた両軸リールをセットする。

撒き餌カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブルカゴ方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介する。

サビキは実績のあるケイムラ仕様のスキンの針7号、ハリス2号を選択。8号針・ハリス7号のフラッシュ仕様の船釣り用のサビキの組み合わせといういつものパターン。

小アジの確保が必須なので選択肢として飛ばしウキを当初セットしていたが、当日は竿下サビキ釣りで事足りた。

1回落とすごとに二連、三連と小アジが掛かる活況ぶりで、わずか10分余りで小アジが大漁となった。釣った小アジを入れた海水バケツを手に歩いて、再び南方向の元の釣り座に戻る。

小アジはノマセ釣りで活きエサとして使うので、2つの海水バケツに小アジを分け、うち1つは内向きの海中に沈めて活かしておくことにした。

わずか10分余りで小アジを十分に確保(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

ノマセ釣りのタックル

ノマセ釣りのタックルは、竿とリールはサビキ釣りと同じで、接続する自作のノマセ仕掛けは、クッションゴムの先には、カン付き丸セイゴ12号とカン付きチヌ1号の親針と孫針の二本針。小アジの掛け方は、親針は背掛け、孫針は尾びれの近くに刺す。タナは3ヒロで、沖向きに可能な限り仕掛けを遠目に投入する。

ノマセ釣りの活きエサの針付け(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

両隣はルアーマンだったので、左右に広くは流せず、こまめに打ち返してトラブルを避けるよう心掛けた。幸いにも潮の流れは緩く、両隣のルアーマンも私のノマセ釣りを受け入れてくれる心優しい人たちだったので、肩身の狭い思いをしながらも、気遣いの範囲内でノマセ釣りを続けることができた。

小アジ釣りのタックル(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

回遊状況が悪く激渋の状況

出船前に船長が、近況はサゴシ中心に朝マヅメによく釣れていたと話してくれていて、釣り人たちは期待感いっぱいだったが、一転して当日は夜明け後朝7時過ぎまで、見渡す限りエソしか釣れておらず、青物の気配は全くうかがえない激渋の状況。

ルアーマン達はあらゆる手を尽くして挑むが、回遊状況が悪ければ青物のいない海に向かって、誰が何をしようと青物は釣れない。皆口数が少なくなり、表情の険しさは増すばかり。波止上は暗い雰囲気が漂っていた。

38cmのツバスを手中

キャスティングを繰り返しても釣れないので、片側のルアーマンが休憩に入った。この間は私のノマセ釣りが心持ち左右の幅を広げて活きアジを泳がせることができる。

ノマセ釣りは青物さえ回ってくれば、ルアーよりも釣れる可能性が高いという思いは、このタイミングで7:20頃に現実のものとなった。

ウキがスパッと海中に沈み、しばらくして魚が走り始め、スピニングリールのスプールから道糸がパラパラと出て行った。ドラグを調整し、巻き上げるタイミングを見計らう。

私の動作に気付いたもう片側のルアーマンが「来た?」と声をかけてきたので、私は「来ました。少し迷惑をかけますがすみません」と返して、巻き上げにかかるとヒット。

竿に魚の反応が伝わって来るが、引きが弱く、ドラグが滑る締め込みもない。半信半疑で慎重に魚を手前に寄せてくると、小さいツバスが姿を見せた。

周りのルアーマン達の注目を浴び、隣のルアーマンが一旦釣りを止めてくれているという申し訳なさがプレッシャーとなったが、魚体が小さかったこともあり、無事タモ入れに成功。「おおー」「良かった」という労いの言葉を貰って喜びはひとしお。

検寸すると38cm、ハマチには至らずツバスではあったが、貴重な1匹はノマセ釣りのセオリー通りの狙って釣った誇れる1匹となり、ノマセ釣りの醍醐味を堪能できた。

ノマセ釣りで仕留めたツバス(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

2回目のアタリもあったがヒットに至らず

私の1匹が呼び水となり、周りのルアーマン達は活気を取り戻し、一斉にキャスティングを繰り返す。私も戦線復帰して追釣を狙う。しかし、激渋の状況は根本的には好転しない。

そうした中でもわずかなチャンスは訪れた。8時頃の満潮前に、海面付近でボワッ、ボワッと青物が小魚を食べようと勢いよく跳ね回るボイルという現象が表れたが、私はタイミングを逸してボイルの所には活きアジを送り込めずに不発。

さらにその10分ほど後に、ウキがスパッと沈みスプールから道糸がパラパラ出ていく2度目のアタリに遭遇したが、結局は食い込みに至らず不発。2度チャンスがありながら、ヒットに至らず釣果を伸ばせなかった。

最終釣果

10時過ぎまで粘ったが追釣はならず、10:30の迎え便で波止を後にした。

最終釣果は38cmツバス1匹、小アジ多数と、あまり自慢できるものではなかったが、乗船場に戻って船長に報告する釣り人の釣果も、タチウオ1匹、サゴシ1匹、ハマチ1匹といった散発的な釣果で、激渋の状況下では、私は釣果があっただけラッキーだった。

最終釣果はツバスと小アジ(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

釣果は自宅で夕食のおそうざいとなり、釣行の喜びを呼び起こしながら美味しくいただいた。

釣果は夕食で賞味(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

<伴野慶幸/TSURINEWSライター>

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