小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト、2025年は『椿姫』を新制作で上演
2025年3月に京都・東京の2都市で開催される小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXXI ヴェルディ:歌劇『椿姫』の公演詳細が発表となった。
「小澤征爾音楽塾」は、ローム株式会社の佐藤研一郎社長(当時)と小澤征爾がオペラを通じて若い音楽家を育成することを目的に、2000年に立ち上げた教育プロジェクト。恩師カラヤンの教えである「交響曲とオペラは車の両輪のようなもの」を持論とする小澤が「教えること」に生涯を捧げたもう一人の恩師 齋藤秀雄のスピリットを受け継ぎ、若い音楽家たちとともに学ぶ場として開催している。
「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」では、国内外でのオーディションで選ばれたアジア諸国(日本、中国、台湾、韓国)の若い音楽家たちから成る小澤征爾音楽塾オーケストラが、小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラメンバーでもある演奏家たちから指導を受け、分奏形式やオーケストラピットでのリハーサルを重ねながら、世界の歌劇場で活躍するオペラ歌手・演出家と共に高水準のオペラを創り上げるもの。21回目を迎える今回は、パリの華やかな社交界に生きるヴィオレッタと若き青年アルフレードの愛と哀しい運命を描いたヴェルディ作曲の不朽の名作『椿姫』を取り上げる。
指揮を務めるのは、小澤征爾音楽塾首席指揮者のディエゴ・マテウス。演出は、小澤征爾音楽塾アーティスティック・ディレクターのデイヴィッド・ニース、装置および衣裳デザインはロバート・パージオーラによる新制作だ。両者ともに名匠フランコ・ゼッフィレッリの薫陶を受け、これまでもこのコンビで数々の作品を世に送り出している。
ヴィオレッタ役に、欧州各地の歌劇場で活躍し、同役で高く評価されるアルメニア出身のソプラノ、ニーナ・ミナシアンを迎え、アルフレード役は躍進中の中国系オーストラリア人テノール、カン・ワンが務める。ジェルモン役には、現代を代表するヴェルディ・バリトンの一人であるアメリカ出身のクイン・ケルシー、フローラ役にメーガン・マリノ、ガストン役にマーティン・バカリ、さらにこれまで小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトでソリストやカヴァーキャストとして参加している牧野真由美、井出壮志朗、町英和、河野鉄平が脇を固める。また、小澤征爾音楽塾初めての試みとして、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で合唱指揮を長年務めたドナルド・パルンボを招聘し、このプロジェクトの教育的側面を合唱についても充実を図る。
毎年ロームシアター京都で開催される「子どものためのオペラ」公演(入場無料・一般公開なし)を、今回は東京でも開催。
また、人気のU25チケット(25歳以下の方が対象:3,000円)、U39チケット(39歳以下の方が対象:10,000円)に加えて、今回初めて「おとな+こども いっしょにオペラ券」を発売する。おとなとこども(小学校1年生〜中学校3年生)が並んで鑑賞できるお得なセット券だ。いずれも枚数限定のため、詳細は公式サイトにて確認してほしい。