阪神・淡路大震災30年 ペットのための災害対策 獣医師が備え啓発
平塚、秦野、伊勢原市、大磯、二宮町で活動する(公社)神奈川県獣医師会中央支部は、相模川の沿岸部で多くの浸水被害が発生した2019年の台風19号をきっかけに、災害時のペット対策の啓発に積極的に取り組むようになった。
同支部の副支部長を務める桃浜どうぶつ病院(平塚市)の高柳博之院長は、「まずは飼い主の心構えが大切。災害時、ペットが迷子になった時に備えてマイクロチップを装着しておいてもらいたい」と呼び掛ける。
22年からは平塚市が主催する防災フェアに毎年出展し、啓発冊子を配布し周知活動に取り組んでいる。平塚市環境保全課が作成した「避難所でのペット対策・受け入れマニュアル作成のガイドライン」には、「原則は人が優先」「指定された場所で飼育・管理する」などと明記されている。高柳さんは「ケージがないと避難所に入れないと思っておいてほしい。いざという時のためにケージに慣れさせておくことをすすめる」と話す。
事前に準備を
高柳さんは「避難所を運営することになる地域住民は、ペット対策の方法をほとんど知らないはず。雨が降った時に浸水しない場所かどうかなど、事前に飼育場所を決めておいてもらえるとありがたい」と訴えた。