自分に合った「賢い保険選び」のポイント&注意点とは?FPがわかりやすく解説!
私たちの日常生活には災害・事故・病気など様々なリスクが潜んでおり、そのリスクを備えるためにあるのが保険です。
この記事では、自分に合った賢い保険の選び方と、お金のプロであるFPが実践している保険の入り方について紹介します。
生命保険とは
生命保険は、事故や災害、病気などにより今までの収入を維持できなくなった時に、経済的な負担を補う制度です。大勢の人で公平に保険料を負担し合い、いざというときにその中から経済的に助け合う「相互扶助」の仕組みで成り立っています。
生命保険は、死亡保障(死亡による遺族の生活費等の備え)だけでなく、医療保障(病気やけがによる入院・手術等の備え)や老後保障(老後に対する備え)など非常に多くの種類が生命保険会社から販売されています。
損害保険とは
損害保険は、日常生活で偶然起こってしまった事故により生じた損害をカバー出来る制度です。
例えば、自動車事故で他人や他人の物を傷つけてしまったときに備える「自動車保険」や、火災・風水災などの自然災害で建物が損壊したときに備える「火災保険」が代表的です。
生命保険と損害保険の違い
生命保険と損害保険の主な違いは、次の3つです。
保険の対象の違い
生命保険と損害保険は、それぞれ保険の対象を何とするかが異なります。
生命保険は、病気やケガなど「人」に対するリスクに備える保障であるのに対して、損害保険は、自動車や建物など「モノ」に対するリスクに備える補償です。
保険金の支払い方式の違い
生命保険は「定額払い方式」、損害保険は「実損払い方式」と、保険金の支払い方法が異なります。
定額払い方式は、実際にかかった額に関係なく、契約した一定額が保険金として支払われる方法です。
対して実損払い方式は、原則、実際の損害額が支払われるという方法です。
保険期間の違い
生命保険の保険期間は20~30年、終身(一生涯)と長いのが一般的ですが、損害保険は1年を契約単位とするのが基本で、生命保険に比べ短いのが特徴です。なお旅行保険やレクリエーション保険のように、一定期間だけ補償する損害保険もあります。
賢い「保険の入り方」のステップ
様々な種類のある保険ですが、次に挙げる5ステップを意識することで、どのような保険に加入すればよいかが検討しやすくなります。
ステップ1:現状の把握とリスクの分析
自身の年齢、家族構成、収入、資産、健康状態などを考慮し、どのようなリスクに備える必要があるかを考えます。
生命保険であれば、万が一の際の家族の生活費、死亡整理資金、医療費、介護費、老後資金などを試算します。
損害保険であれば、所有している自動車や家などの財産のリスク、日常生活での賠償責任リスクなどを評価します。
ステップ2:保険の種類と保障内容の検討
ステップ1で分析したリスクに対応できる保険の種類と保障内容を検討します。
生命保険であれば、定期保険、終身保険、医療保険、がん保険、介護保険、就業不能保険など必要な保障を絞り込みます。
ライフプラン表などを作成し分析するとより必要なものを絞り込むことが出来るでしょう。
損害保険であれば、自動車保険の補償内容や火災保険の補償範囲などを比較検討します。
ステップ3:保険会社と保険商品の比較
複数の保険会社の保険商品を比較検討します。
保険料だけでなく、保障内容、会社の信頼性や付帯サービスなども考慮しましょう。
ステップ4:加入手続き
保険加入の手続きは、保険会社、多くの保険会社の商品を取り扱っている乗合代理店ですることが出来ます。
また、最近ではインターネットから加入できる保険もあります。加入前に、不明な点は必ず保険会社の担当者に確認しましょう。
また、自身について正しく告知することも重要です。
ステップ5:定期的な見直し
結婚、出産、転職、住宅購入、子どもの独立などライフステージの変化に合わせて保険の内容を見直すことが大切です。
加入する際の注意点
保険加入時は、以下の点に注意しましょう。
● 保険料だけで判断しないこと(保障内容とのバランスが重要)。
● 保険の目的を明確にすること。
● 保険期間と保険料払込期間を確認すること。
● 特約や付帯サービスについても理解すること。
● クーリングオフ制度について知っておくこと。
● 保険会社の担当者の説明を鵜呑みにせず、自分で 保障内容を理解すること。
保険相談の活用
ご自身で保険の比較を検討することは可能ですが、時間がかかったり内容を誤って理解してしまう可能性もあるかもしれません。
保険会社の担当者、保険代理店の担当者、ファイナンシャルプランナーなど保険の専門家に相談するということも、保険相談の活用法の一つです。
我が家は、自動車を所有しているので自動車保険に加入していますが、住宅は賃貸なので家財保険に加入しています。
個人賠償の補償は自動車保険の特約に付加しているため、自転車保険は加入していません。
また、生命保険については共働きのため、万が一の生活費の保障は加入しおらず、それぞれの死亡整理資金、入院・手術の備え、がん保険に加入しています。もちろん、これらの保険に加入し続ける必要はあるのか定期的に考える時間を設けています。
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みなさんも、生命保険と損害保険のリスクの備え方が異なることを理解した上で、自身の状況に合わせて最適な保険を選んでみてください。
【執筆者プロフィール】 鎌倉 一江
キッズ・マネー・ステーション認定講師、CFP®、FP技能士1級、終活アドバイザー、日本金融教育支援機構認定講師
長野県松本市出身。音楽大学卒業後、ピアノ調律師、個別指導塾教室長を経て金融業界へ。金融業界転職のきっかけはカンボジア学校支援と相続(争続)。現在は、会社員として乗合保険代理店で社員教育・企画営業、個人で執筆・金融教育を行っている。
■キッズ・マネー・ステーションとは
「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。
(ハピママ*/キッズ・マネー・ステーション)