マイシティレポーとは?
東京都が、いま、とある「アプリ」の利用を住民に呼びかけています。そのアプリの名前は「マイシティレポート」。
どんなプリなのか、東京都建設局 道路管理部 梅津 嘉忠さんのお話しです。
MCR マイシティレポートとは
東京都建設局 道路管理部 梅津 嘉忠さん
マイシティレポートは、スマートフォンのカメラ機能と位置情報を使って、道路や公園、河川などの施設の損傷や不具合を都民の皆様が簡単に投稿できるアプリとなっています。
これまでは電話による通報がほとんどでしたけども、電話ですと通報された損傷が実際どのような状態なのか、まず職員が現地に行って確認する必要がありました。しかし、このアプリは現地の写真とGPSによる位置情報を同時に投稿していただく仕組みとなっていますので、場所の特定がしやすく、これまでと比べ格段に早く確認できるようになりました。
通勤通学等でお忙しい世代、普段道路や公園等の管理に馴染みがない世代ってどうしてもいらっしゃいますので、そういう方が手軽に使えるというところで、通報いただけてるんじゃないかなとは思っております。
・2018年に東京大学の研究室からの提案があり、開発などの準備をスタートさせ。2022年から運用しているそう。今年の3月末時点で5000人ほどの登録があり、様々な投稿が既に寄せられている。
・例えば、街灯が点いていない場合などは、昼間だと、どの街灯が点いていないのか職員側も分かりづらかったりしますが、住民がアプリに、その街灯の写真と位置情報などを一緒に投稿してくれることで、効率的に対応できるようになったと言う事例もあるそう。
・また、今までは土日にしか行けないのに土日には窓口が閉まっていて、報告したくても出来なかったと言うサラリーマンの人たちなどが、通勤時間の間にアプリに投稿したり出来るので、報告しやすくなったと言う事例も多々あるそうです。
また、他にも良い機能があると言うことで、初期から開発に携わっている、株式会社 Urbabn X Technologiesの前田 宏弥さんのお話しです。
コミュニケーション機能
株式会社 Urbabn X Technologiesの前田 宏弥さん
町に参画してるっていう意識とか気持ちってすごくいいものだと思うし、自分たちがそのレポートしたものっていうのがWebサイトで公開されてるんですよ。
なんか例えばですよ街路灯が切れてましたって言ってお知らせしたらそれがレポートとして公開されて、それに対して行政の職員がありがとうございますってこんなふうに直してこんなふうになりましたってご協力ありがとうございましたっていう一連のやり取りが公開されるっていうそういうモチベーションもあるし、アプリ自体は本当にシンプルに作ってるので、高齢の方でも簡単に使えると思います。
・マイシティレポートのサイト、またはアプリ上で、「こんな不具合見つけた」と言う投稿に対して、担当者から、「対応中」だったり「受付済み」または「対応済み」など、今どのような状況なのか、また、「投稿ありがとうございます」などとコメントが寄せられ、それを誰でも見る事が出来るようになっている。
・自分の意見が全体に公開になっている、しかもそれに対してフィードバックが来ることで、自分達がまちづくりにしっかり「参画」している意識が持てることは、レポートする側のモチベーションに繋がると好評だと言う事。
・また、アプリは、登録さえすれば投稿するときは、地図で位置を選択し、困ったレポートなのか、解決レポートなのかを選択し、あとは写真と説明を投稿するだけ、たったの3工程で終わるシンプルな作りにしているので、スマホに馴染みのある若者だけではなく、高齢の方にもぜひ利用して欲しいとのことでした。
ただ、今後へ向け課題も感じているとのこと。再び都建設局 梅津さんのお話しです。
日本全体の人口減少が今後ますます進んでいくと思われます。一方でまたインフラのですね老朽化も進んでまいりますので、それに対応する職員業者の人手不足というのは、全国で今後深刻化していくものと、我々見ております。従来のようにですね自治体の職員が、定期点検で一つ一つ損傷箇所を発見していくっていうのがなかなか難しくなっていく中で、このようなシステムであの市民と協働してインフラを管理していくっていう流れは今後ますます重要になっていくものと考えてます。
課題についてはですね、認知度向上が今後の最大の課題と思っております。これは良いシステムでございますので多くの都民の皆様にもっともっと知っていただければ幸いと考えてます。
・このアプリの普及を進めたいとのことですが、まだまだ認知度は足りていないとのこと。
・今後更に広がっていけば、将来、業者の人手不足解消にも役立ってくれるであろうとのことでした。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)