50歳独女の初体験未遂は突然始まった。ヘヴィオタのオフ会で彼氏候補を物色したら…【48歳で「男」を知りました。】
【48歳で「男」を知りました。】
20代でハマッたハードロック・ヘヴィメタル
パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。あなたは大好きな人に「うちに泊まっていく?」って誘われたらどうしますか? まだお付き合いはしていないけど、片思いの相手に“誘われた”ら…。
今回はしくじり恋愛ばかりしてきた私の、20数年前に訪れた“初体験未遂事件”のお話です。
◇ ◇ ◇
以前コラムでも書いたように、高校時代とある日本のバンドにハマってもオタク街道を突っ走っていた私。高校から専門学校を卒業し、社会人になってからもそれは変わらずで、いつも何かを追いかけて“オタク”をしていました。
そんな根っからオタクな私が20代からハマったのは洋楽界隈。しかも、ハードロック・ヘヴィメタルというジャンルでした。
“咥えタバコとロン毛”にゾッコン
当時はGUNS N' ROSESやSKID ROW、METALLICAなどがアメリカのビルボードを賑わせており、ちょっとしたメタルブームだった頃。スリムジーンズにウェスタンブーツ、けだるそうにタバコを口に咥えて、長い髪を振り乱しながらヘドバン(ヘッドバンギング)をする欧米人の姿は、まるで少女漫画の登場人物を見ているような高揚感を覚え、うっとりとその世界に没頭していました。
しかし、オタクをしていると一緒に音楽を楽しみたい友達が欲しくなるもの。当時巷に出回り始めたばかりのインターネットを駆使して、見つけたのがハードロック・ヘヴィメタル好きを対象とした、とある“BBS(インターネット掲示板)”でした。
友達を探しにインターネット掲示板へ
そのBBSは個人が運営しており、さまざまな場所や年齢、性別のメタルオタクが集まっていました。交わされるのは、発売されたばかりのアルバムの話やライブの話。固定のバンドが好きというよりは、音楽ジャンルとして支持する人たちが集まっていたので、真剣な議論などもよくされていました。
毎日のようにBBSに入り浸っていれば、それぞれの顔や本名は知らなくても仲良くなっていくもの。テキストでリアルタイムに会話ができる“チャット”もスタートし、夜な夜な繰り広げられる好きな音楽の話を通じて、その音楽仲間との関係はどんどん深くなっていきました。
仲が深まっていく中で「オフラインで集まろう!」という話になり、30人が集まる大規模なオフ会が東京で開催されることになったのです。
恋愛模様が渦巻いていた“オフ会”
ハードロック・ヘヴィメタルというジャンルの男女比率は、圧倒的に男性の比率が高く、BBSやチャットに集まってくるのも8割が男性という具合。オフ会の参加者のほとんども男性で、蓋を開けてみれば女性は私を含め10人以下で、いわゆる“逆ハーレム”状態でした。
女性ばかりのアパレル販売店でバイトしていたため、男性との出会いがほとんどなかった私にとっては、音楽談義以上に、男女の出会いの場として興奮していました。それは他の参加者たちも同じだったようで、BBSやチャット、オフ会を通して恋愛関係から結婚したカップルも多くいました。
ハッピーな結末ならまだしも、恋愛が拗れて他人を巻き込み絶縁したり、望まない妊娠や、はたまた不倫関係で離婚訴訟…というような泥沼もしばしば。音楽はそっちのけで、リアルな男女関係があちこちで発生する、艶かしい世界だったのです。
そんな狭いコミュニティでさまざまな恋愛模様が渦巻く中で、私もこのオフ会である男性に出会い恋をしてしまったのです。しかも今でいうところの吉沢亮くん似。国宝級のイケメンです。
続きは次回。
(mirae.(みれ)/ライター)