私が出会ったカラフルで素敵な<ウミウシ>3選 見た目がかわいいだけじゃない?
ダイビングで観察することができる、カラフルで素敵な生きものがいます。それがウミウシです。
私は趣味でダイビングをしていて、普段は日本海を中心に潜っています。
数多く存在する水生生物の中でウミウシはマイナーかもしれませんが、その可愛さから近年注目を集めています。ウミウシのどこが魅力的なのでしょうか。
日本近海で気軽に出会えるウミウシ
実は私、ダイビングを始めるまではウミウシにはあまり興味がなく、大型のサメやクエなどの大型魚に夢中でした。
しかし、いざ海に潜ってみると、ウミウシの写真を撮るのが思いのほか楽しく、今はウミウシ中心に撮影しています。被写体の動きも少なく、撮影しやすいのも理由の一つです。
ウミウシの特徴は、頭にある触角とお尻にあるフサフサとしたえら。ウミウシにはたくさんの種類がいるので、もちろん例外もあります。
名前の由来は諸説ありますが、「触角が牛の角に見えるから」というのが一般的です。後述するシロウミウシは模様も相まって、本当にホルスタインのようです。
突然ですが、ここで問題。日本で観察できるウミウシは何種類いると思いますか?
答えはなんと、1000種類以上! 種類が多すぎて、正確な数字は覚えられないほど。これだけの種類がいるということは、つまり思いのほか“身近な生きもの”なんですね。
最近出会ったカラフルなウミウシ3種
ここで、私が最近出会ったカラフルなウミウシたち3種を紹介します。
牛そっくり!<シロウミウシ>
シロウミウシは、まるでホルスタインを思わせるかのような白黒模様と黄色いふちどり、同じく黄色がかっている触覚とえらが特徴のウミウシ。なんとも愛くるしい姿をしています。
サイズは最大で70ミリ。しかし、私が撮影したシロウミウシはもっと小さかったので、まだまだ子どもだったのでしょう。
ツチイロカイメンという海綿動物を好んで食べています。飼育下でも平均300日は生存するそうで、比較的に長生き。主に温帯海域に生息していて、日本全国の海で観察できます。
全身ふさふさな<ゴマフビロードウミウシ>
私が出会ったカラフルで素敵なウミウシ、続いて2匹目はゴマフビロードウミウシ。
黄色いボディに黒玉模様、怪しく揺らめく紺色の触覚そして葉脈を思わせるような模様のえらなど、なんとも派手でかわいい格好です。
ウミウシの体をよく見ると、なんだかフサフサしており、そこがさらにかわいさを引き立てています。
色合いには多少の個体差があり、白に近かったり、さらに色が濃くなってオレンジがかっていたりする個体もいます。ダイバーからは「ゴマちゃん」という愛称でとても親しまれています。
ウミウシを食べる!? アカボシウミウシ
最後に紹介する3匹目は、アカボシウミウシ。サイズは成体でも13ミリ程度と、ミニマムサイズなかわいい子です。
半透明な体に目立つオレンジの水玉、名前の通り「アカボシ」ですね。半透明なので、胃の中身も見えてしまいます。
でもこわい一面もあり、なんとアカボシウミウシは“ウミウシを食べるウミウシ”なのです…!
これは私の知り合いのダイバーさんから聞いた話。同じ水槽に別種のウミウシを一緒に飼育していたら、数日後にはアカボシウミウシしかいなかったそう。
ウミウシの世界はおもしろい!
今回はウミウシの魅力と共に、最近出会ったカラフルな種のウミウシを紹介しました。
水中のマクロな世界には、たくさん生きものがいます。ウミウシに興味を持ったなら、ダイビングに挑戦してみたり水族館で観察してみたりしてください。
(サカナトライター:ポンた)