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伊達さゆりの「手さぐりの旅」 特別編 これまでの自分を言葉で紡いだ初作詞曲「プレゼント」

Febri

TOPICS2025.09.04 │ 18:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」特別編


これまでの自分を言葉で紡いだ初作詞曲「プレゼント」

「Web Febri」での連載「手さぐりの旅」でお気に入り楽曲を語ってくれている伊達さゆり。その特別編とでもいうべき今回は、編集部からテーマをリクエスト。昨年のバースデーイベントで初公開されたオリジナル楽曲「プレゼント」について語ってもらった。初めての作詞を通して見つめ直した自分自身の姿、そして音楽観の変化とは――

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取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/an another angelus、F i.n.t

※記事の内容は『VOICE Febri Vol.1』(2025年1月刊)に掲載されたものの再掲です

VOICE Febriインタビュー_TOPICS伊達さゆり声優

マネージャーさんに背中を押された初作詞

――撮影場所となった「ブーザンゴ」というお店は、アートや文学を中心に店主の方が吟味した古本を扱っているお店なのですが、どのような印象を受けましたか?
伊達 「秘密基地感」が強いな、と思いましたね。本がたくさんあるんですけど、頭よりもずっと高いところからドーンと並んでいるわけではなくて、目線の届く範囲に並んでいるので「本の圧」をあまり感じず、それが安心感になって落ち着ける雰囲気が素敵だなと思いました。

――気になった本はありましたか?
伊達 『描かれた歯痛』っていう……歯の治療の様子や治療に使う道具のイラストがたくさん描かれている本があって。歯をくり抜いている様子とか、載っている絵がどれもリアルで、これはいったいどういう本なんだろう……と思いつつ閉じてしまったんですけど。

――もともとは洋書で、たしかシリーズなんですよね。他に『描かれた病』『描かれた手術』という本もあって、医学挿絵を眺めながら治療の発展がわかるという。
伊達 (本を見返しながら)あ、たしかに。進化が描かれているんですね。それにしてもリアルすぎる……。今日は普段の「伊達さゆり」として生きていたら絶対に出会わないだろうなという言葉や単語にめちゃめちゃ出会いました。

――「Web Febri」での連載ではいつも伊達さんにテーマとなる楽曲を挙げてもらっているのですが、今回は「特別編」として、編集部から伊達さんの作詞曲「プレゼント」をテーマにリクエストしました。作詞をすることはどのタイミングで決まったのでしょうか?
伊達 「いつか作詞をしてみたいです」と以前から話していて。ただ、それは私にとって「必ず達成したい目標!」というわけではなかったんです。いつかそういう機会があったらうれしいな、くらいの思いで。そこから実際に「オリジナル楽曲を作ってみましょう。せっかくだから2〜3曲作りましょう」とお話が進んでいくにつれて「やってみたいな」という気持ちが大きくなっていったんです。そこであるとき「1曲だけ作詞させてもらってもいいですか?」とお願いしました。去年(2024年)の春くらいの話ですね。

――もう少しさかのぼって、オリジナル楽曲を作ることになったのはどういう経緯で?
伊達 もともと2024年のバースデーイベントで「何をしたい?」という話が最初にあって、「(バースデーイベントも)3回目だから、オリジナルの曲を歌ってみてもいいんじゃない?」とマネージャーさんに言っていただいたのがきっかけです。マネージャーさんは、私が自分からは「曲を作りたい」とは言えないとわかってくださっていたからだと思うんですけど。

――なるほど。やっぱりよく見ていらっしゃる(笑)。
伊達 はい(笑)。このお仕事を始めてからずっと、歌についても相談に乗ってもらっていたので。そのマネージャーさんに背中を押してもらえて「あ、私も自分の楽曲を作ってもいいのかな」と思えたんです。それはすごくありがたかったですね。タイミングがわからなくて「こんな自分でもいいのかな?」みたいな思いがずっとあったので。

過去の自分を見つめ直しながら言葉を紡いだ

――作詞に取りかかってから書き上げるまで、どのくらい時間がかかりましたか?
伊達 2〜3年くらい前から「いつか使えるかも」という理由で、思いついた言葉や印象に残った言葉をノートに書き留めていたんです。それを使うことができたので、思っていたほど時間はかからなかったですね。2〜3週間くらいかな? でも「よし、オッケー! 書けた!」と一度は思ったものの、レコーディングでちょっと……いや、けっこう書き換えましたね。時間を置くと自分の言葉が幼く見えてきて「いや、これ違うわ」と思ったり(笑)。あとは実際に歌ってみて「言葉の響き的にこっちのほうがいいな」と思って直した箇所もありました。今まではつねにできあがった歌詞でレコーディングしてきたので、そういう体験は初めてでした。

――「言葉を書き留めている」ということは、連載の第1回(2022年9月末公開)でも話していましたよね。
伊達 すごく役に立ちました。とはいえ、書き留めるときって、たいてい自分がいっぱいいっぱいになったときなので、見返したときに「うわ、変なこと書いてるな」とか「なんかクサいこと書いてるな」という文章もあって(笑)。だから全部この楽曲に詰め込めたかといわれると、全然そんなことはないんですけど。メロディ的にも明るい楽曲なので、書き留めていた言葉を一歩引いた目線で見直す必要がありました。見直しながら「ああ、このときの自分はこうだったな」と思いつつ、今の自分の言葉に置き換えていくような作業でしたね。

――その作業は楽しかったですか?
伊達 楽しかったです。楽しかったんですけど、やっぱり同時にすごく恥ずかしかったですね。過去の自分を見つめ直すって、こんなに恥ずかしいんだと思いました(笑)。

次ページレコーディング当日まで悩んだフレーズは?<!--nextpage-->

――歌詞を見たとき、まず「こんなにワード数が多いんだ」と驚いたのですが、気に入っているフレーズや悩んだフレーズはありますか?
伊達 ワード数は自分でもめちゃくちゃ多いなと思います(笑)。最初に決まっていたのが「ぼくに僕からのプレゼント」という、バースデーイベントのタイトルですね。これをどこかに入れたいなと思っていました。

――イベントのタイトルが先にあったんですね
伊達 そうです。過去のイベントのタイトルもそうですし、写真集(『あしあと』)や「手さぐりの旅」を書籍化していただいたとき(『置いてきた傘と地図』)もそうだったんですけど、タイトルを自分で考えさせてもらう機会がけっこうあって。それを「プレゼント」の歌詞に散りばめたくて実際にやってみたら、聞いてくださった方々から「気づいたよ」といってもらえて、それはすごくうれしかったです。

――逆になかなかまとまらなかったところはありますか?
伊達 歌いだしですね。サビはけっこうスパっと決まったんですけど、Aメロや、なんなら2番の歌詞までできても、そこだけなかなか決まらなくて、最初の3行くらいがずっと空白のままでした。ストーリーを自分の中で考えているんですけど、どこからスタートすればいいのか、物語のどこから切り出せばいいのかがわからなくて、レコーディング当日まで悩んでいましたね。

――最終的にできあがった歌いだしの歌詞には納得していますか?
伊達 はい。めちゃくちゃしっくりきました。「何も浮かばなくてどうしよう」と焦っていたわけではなくて、候補になるフレーズは浮かんでいるんですけど、伝えたいことに対して文字数が合わない、みたいな作詞ならではの悩みだったんです。でも、最終的に伝えたいことをまとめられたのでよかったです。

レコーディングでは声が出なかった

――自分の作詞曲のレコーディングは、他の方の作詞曲のレコーディングとは印象が違うのでしょうか?
伊達 全然違いました! 最初は恥ずかしくて声が出なかったです(笑)。オリジナル楽曲が3曲あるうち、「ラブソング」 「1up!」とレコーディングして「プレゼント」が最後だったんです。じつは「ラブソング」も最初はなかなか声が出なかったんですけど、「プレゼント」に関してはもっと出ませんでした。プリプロ(プリプロダクション。レコーディングの事前準備、仮録音)で歌詞を見ながら「自分、何書いてるんだろう……」と思ってしまって(笑)。本番では歌えたんですけど、やっぱり怖かったですね。書いているときよりもずっと歌詞を客観視してしまって。

――書いている自分と歌っている自分とで微妙に人格が変わってしまうような?
伊達 そうですね。作詞中は書くことに精一杯だったので、それを本気で歌っている自分をなかなか想像できないんですよね。書き上げて、プリプロを経て「『プレゼント』ってこういう歌だ」と自分に沁み込ませる時間が必要でした。その途中で「自分の歌だけど自分の歌じゃない」ような不思議な感覚になってきて、それがなじんできたあたりで普段のようにレコーディングできたな……という感じでした。

――作詞をしてみて、他の方の作詞曲を聞くときの向き合い方に変化はありましたか?
伊達 私の場合、まだ1曲だけなのであまり大きな変化はないんですけど、それでも自分で作詞した楽曲を歌っているアーティストさんって、やっぱりすごいなと思いました。どうしてこんな歌詞が書けるんだろう? どうしてこんな文脈を生み出せるんだろう? その人独自の世界から生まれてきたものなのになんでこちら側にちゃんと伝わってくるんだろう?そんな風に感じて、尊敬がより大きくなりました。

――また作詞をやってみたいという気持ちはありますか?
伊達 自分の中で「こういうことを伝えたい」というテーマが定まったらぜひやらせていただきたいです! 「プレゼント」が今の自分の思いを全開にして書いたものだったので、次にどんなものを書きたいのか、まだ全然思い浮かんではいないんですけど。めっちゃ明るいポジティブなものとか、ちょっとキュンキュンするようなものとか……。

――今のところは「次回作」に向けて貯金をするといった段階ですか。
伊達 そうですね。でも、すごく時間がかかりそう。もしかしたら5年くらいかかるんじゃないかな(笑)。でも、3年で1曲は書けたから、次はそれよりも早くできたらいいな……。

――作曲に興味はありますか?
伊達 できたらすごく楽しそうだし、カッコいいなと思うんですけど、どうやって表現したらいいのか、なかなか想像できないですね……。「こういうメロディが好き、こういうのをみんなにも聞いてもらいたい」というのは自分の中にあるんですよ。だから憧れはあるんですけど。

――できるものならやってみたい。
伊達 できるものなら。でも、まずやり方がわからないので、ちょっと怒り気味で言いたいですね。「できるものならやってみたいよ!」って(笑)。

伊達さゆりだてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』 一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビュー。他の出演作に『アサルトリリィ Last Bullet』(石塚藤乃役)、TBS日曜劇場『下剋上球児』(宮沢役)など。自身初の作詞曲「プレゼント」 を含むオリジナル楽曲全3曲が好評配信中。 Twitter/

@SayuriDate

 Instagram/sayuridate_official関連情報

【開催情報】
『伊達さゆりBirthday Fan Meeting 23rd 〜また明日も〜』

■東京公演
開催日:2025年9月30日(火)
昼公演 13:45開場/14:30開演
夜公演 17:15開場/18:00開演
会場:ニッショーホール

■仙台公演
開催日:2025年10月11日(土)
昼公演 13:45開場/14:30開演
夜公演 17:45開場/18:30開演
会場:仙台PIT

詳細:https://apollobay.jp/

■伊達さゆり オリジナル楽曲 好評配信中!
配信URL:https://lnk.to/SayuriDate_BirthdayParty_22ndWE

『VOICE Febri Vol.2』
2025年11月7日発売!

 

「Febri」発、「声優」にフォーカスしたビジュアル集の第2弾は、月音こなが自身初となるカバー&巻頭特集に登場。そして主演作のオンエア後も精力的なライブ活動を続け、年末に待望のソロライブを控える前橋ウィッチーズの5人がバックカバー&巻末を飾ります。
さらに来栖りん、七瀬つむぎ、伊達さゆり、ペイトン尚未の4名を加えた全6組の魅力をボリュームたっぷりの撮りおろしでお届け!

◆発売記念イベント
『VOICE Febri Vol.2』発売記念 月音こなさん特典お渡し会
開催日:2025年11月15日(土)
会場:都内某所
応募方式:HMV&BOOKS onlineにて購入された方を対象に応募抽選制
受付URL:https://www.hmv.co.jp/news/article/250818105/

『VOICE Febri Vol.2』発売記念 七瀬つむぎさん特典お渡し会
開催日:2025年11月24日(月・祝)
会場:都内某所
応募方式:全国アニメイトにて購入された方を対象として応募抽選制
受付URL:https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=113800

◆店舗別オリジナル特典
【一迅社オンラインショップ購入特典①】
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【一迅社オンラインショップ購入特典②】
前橋ウィッチーズ メンバーソロ オリジナルミニ色紙(全5種)
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※さらに期間中に前橋ウィッチーズ オリジナルミニ色紙付きの『VOICE Febri Vol.2』を予約いただいた方から抽選で合計30名にメンバー直筆サイン&宛名入りの撮りおろしブロマイドをプレゼント!

【セブンネットショッピング購入特典】
来栖りん オリジナルブロマイド(全2種)
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【アニメイト購入特典】
七瀬つむぎ オリジナルブロマイド(全2種)
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【ゲーマーズ購入特典】
伊達さゆり オリジナルブロマイド(全2種)
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VOICE Febri Vol.2
定価/2,640円(本体2,400円+税10%)
発売予定⽇/2025年11⽉7⽇
判型/A4変形判・128ページオールカラー
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