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【入門編】エンタメとして気軽に楽しめるフランス映画4作を厳選

ciatr[シアター]

『デュオ 1/2のピアニスト』

フランス映画は、映画史において長い歴史を誇り、独特の美学が息づいています。こだわり抜かれたカメラワークや色彩の豊かさ、構図への細かな配慮によって、芸術的な映像表現が大きな魅力となっています。

さらに、人間関係や社会問題を深く掘り下げるストーリーが多く、哲学的なテーマやウィットに富んだ台詞、キャラクターの視線や仕草から生まれる繊細な心理描写も特徴的です。

また、フランスの豊かな文化や美しい街並みを背景にした映像美も楽しむことができます。特に「ヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波)」と呼ばれる革新的なムーブメントは、世界中の映画監督に影響を与え、多くの名作を生み出しました。

今回は、フランス映画に興味があるけれど「作品の多さや難解なイメージから、どれを観ればいいのかわからない」という方に向けて、初心者にもおすすめの名作から最新作まで4作品を厳選して紹介。

フランス映画は難しいと感じている方でも楽しめる、エンタメ要素のある入門編作品を取り上げながら、その魅力を深掘りしていきます。

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『最強のふたり』(2011年)

第24回東京国際映画祭で最高賞となる東京サクラグランプリを受賞、第36回日本アカデミー賞最優秀外国作品賞を受賞するなど、世界的に大ヒットした実話を基にしたヒューマンドラマです。

パリに暮らす大富豪フィリップは、パラグライダーの事故で首から下が麻痺し、車椅子生活を送っています。そんな彼の介護者として、不法移民の黒人青年ドリスが採用されます。介護経験のないドリスですが、彼の破天荒な性格と率直さが、フィリップに生きる喜びを取り戻させていきます。

社会的な格差や障害といったシリアスなテーマを扱いながらも、軽快なユーモアとテンポの良い会話で観る者を惹きつけ、心温まる友情の物語を紡ぎ出します。爽快感と感動が詰まった一作です。

『エール!』(2015年)

2015年フランス映画祭で観客賞(最高賞)を受賞し、フランスで750万人を動員する大ヒットを記録。リメイク版『コーダ あいのうた』が第94回アカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞したことで、再び注目を集めた作品です。

フランスの田舎町に暮らすベリエ家は、長女ポーラ以外の家族全員が聴覚障害者。家族の通訳として生活を支えるポーラでしたが、ある日、音楽教師トマソンにその歌の才能を見出され、パリの音楽学校のオーディションを勧められます。しかし、彼女の歌声を聴くことができない家族は、その才能を信じることができません。

家族の期待と自身の夢の間で葛藤するポーラの姿を通じて、音楽が人と人をつなぐ力や、家族の愛の尊さを描いた心温まる感動作です。

『アメリ』(2001年)

フランス国内のみならず、日本でも記録的なヒットを記録した、ジャン=ピエール・ジュネ監督によるロマンティック・コメディ。公開から20年以上が経った今でも、デジタルリマスター版が上映されるなど、多くの人々に愛され続けている不朽の名作です。

風変わりな両親のもとで育ったアメリは、幼少期を空想の世界で過ごし、大人になった今はモンマルトルで一人暮らしをしています。ある日、偶然の出来事をきっかけに、人々を幸せにすることに喜びを見出した彼女は、様々な方法で周囲を助け始めます。しかし、そんな彼女もまた、ひとりの青年に恋をし、どう接していいのか戸惑ってしまいます。

色彩豊かな映像美、モンマルトルの美しい街並み、個性的な登場人物たちが魅力的に描かれ、観る人の心を温かくする一作です。

『デュオ 1/2 のピアニスト』(2025年2月28日公開)

アカデミー賞受賞作『コーダ あいのうた』や『エール!』のプロデューサー、フィリップ・ルスレが贈る感動のドラマ。難病によって夢を絶たれた実在の双子の天才ピアニスト、プレネ姉妹の数奇な運命を描きます。

幼い頃から厳格な父の指導のもと、ピアノに情熱を注いできた姉妹、クレールとジャンヌ。ドイツの名門音楽院に入学し、ソリストの座を目指しますが、次第に両手が動かなくなる難病に侵されてしまいます。ピアニストへの夢を断たれた二人は、それでもピアノが自分たちにとってかけがえのない存在であることを再認識し、家族の支えを受けながら、自らの運命を変える一歩を踏み出していきます。

美しいクラシックの旋律とともに、夢を諦めずに挑戦し続けるふたりの姿が感動を呼ぶ作品です。

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