今までの苦労は一体……。<玉ねぎ>の涙が出にくい切り方【管理栄養士が解説】
和・洋・中のさまざまな料理に使いやすい玉ねぎ。常備している家庭も多いですよね。しかし、玉ねぎを切るときに涙が出て困ることはありませんか?今回は、涙が出る理由と涙が出にくい玉ねぎの切り方をご紹介します。
玉ねぎを切って涙が出るワケは?
玉ねぎを包丁で切ると目が「ツーン」と痛くなり、涙が出ることがありますよね。
これは玉ねぎに含まれる「硫化アリル」という成分が目や鼻に入ることが原因なんです。
通常「硫化アリル」は細胞壁に覆われているため、皮をむいただけでは涙は出ません。
しかし、包丁で切ることで細胞壁が破壊され、「硫化アリル」が揮発。
鼻や目の粘膜を刺激するため涙が出てくるのです。
つまり、涙を出にくくするには「硫化アリル」の揮発を最小限にすればいいといえますね。
涙が出にくい切り方①冷蔵庫でよく冷やす
玉ねぎを冷蔵庫でよく冷やすことで、硫化アリルが揮発しにくくなります。
冷蔵庫で30分〜1時間ほど、もしくは冷凍庫で10分ほど冷やしてから切るようにしましょう。
常温に置くとすぐに硫化アリルが揮発しやすくなるため、切る直前に冷蔵庫から出すのがポイントです。
涙が出にくい切り方②電子レンジで加熱する
硫化アリルは熱に弱い特徴もあるため、電子レンジを活用する方法もあります。
皮をむいた玉ねぎをラップで包み、600wの電子レンジで1分ほど加熱しましょう。
加熱した玉ねぎは甘みが出ますが、シャキシャキとした食感は弱くなるため、煮込み料理などに使用するのがおすすめです。
涙が出にくい切り方③水にさらす
硫化アリルは水に溶けやすい特徴もあるため、水にさらしながら切る方法もおすすめです。
半分に切った玉ねぎを一度水にさらしてから切ったり、切った玉ねぎを水につけておいたりすることで、硫化アリルが揮発しにくくなります。
しかし、水にさらすことで水溶性のビタミンなど一部の栄養素が流出しやすくなります。
長時間さらしすぎないようにしましょう。
また、包丁やまな板などに付着した玉ねぎの汁からも硫化アリルは揮発します。
調理器具も適宜水洗いしながら切ることで、より涙が出にくくなりますよ。
涙が出にくい方法を比較してみた!
紹介した方法を実際に試してみたところ、すべての方法に効果がみられました。特に「冷蔵庫で冷やす」方法は、目が痛くならずにみじん切りできて◎食感も栄養価も変わらないため、特におすすめの方法です。
時間がないときや甘味を出したいときは「電子レンジで加熱する」、玉ねぎを大量に切るときは手軽な「水にさらす」方法を選ぶなど、状況にあわせて試してみてください♪
◆ライター / yuki
管理栄養士。
大学院修士課程修了後、薬局の管理栄養士として栄養指導や相談、栄養・運動講座、レシピ作成、健康食品や化粧品の販売などに携わる。
現在は2児の子育てをしながら在宅でフリーの管理栄養士として活動中。食や美容に関する記事の執筆や監修などを行っている。
薬膳にも興味があり、薬膳調整師の資格を取得。食を通じて健康な身体づくりをモットーに日々知識をアップデートしている。