渡邉美穂、木村柾哉「ひとつでも必死になれることや夢中になれることを自分の武器に」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は映画『あたしの!』でW主演を務めた渡邉美穂さんと木村柾哉さんが登場。学生時代の経験やお仕事をしながら感じたことから学生へのリアルなアドバイスをくれました。
【写真】渡邉美穂、木村柾哉の撮りおろし渡邉美穂、木村柾哉が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.ひとつでも必死になれることや夢中になれることを自分の武器に
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
木村柾哉(以下・木村):勉強は徹底的にやったほうがいいと思います。僕は大人になってから「もっと勉強しておけばよかった」と感じたことがあって、多分同じように後悔する人が多いと思うんです。できている方もいらっしゃると思うんですけど、ちょっと遊んでばかりいるかもなと思う人は自分を見つめ直して、勉強もほどほどにやったほうがいいと思います。
渡邉美穂(以下・渡邉):すごく抽象的なことになっちゃうんですけど、何かひとつでも一生懸命になれるものを見つけることがすごく大事だなと大人になって実感していて。私はバスケ部で学生時代は毎日ずっとバスケ漬けの生活を送っていまして、今振り返ってみると、あのとき一生懸命部活に励んだ時間が自分の心の支えになったり、「あのときあれだけ頑張れたし、自分はまだまだできるかもしれない」と思えたりもするんです。大人になると時間がなくなったり、何かひとつのことを全力でできる環境やきっかけがだいぶ限られてくるけど、学生のときはそれを支えてくれる大人がいたりもするので、部活だけに限らず、勉強や習い事、趣味だとか、何かひとつでも必死になれることや夢中になれることを自分の武器にできたら大人になってからの自分を支えてくれるのかなと思います。
2.ビートルズの「Let It Be」はありのままの自分でいいんだと思える曲
――学生のうちに見たり、聞いたりしたらいいと思うものは?
木村:僕がよく背中を押されたのはビートルズの「Let It Be」という曲です。学生時代は「このままでいいのかな」と考えたり、なかなか自分をさらけ出せないとか悩むこともたくさんあると思うんです。その中で僕はこの曲を聞いて「ありのままの自分でいいんだ」と思えて背中を押してもらえたので、おすすめしたいです。
渡邉:ずっとバスケの話になっちゃうんですけど、『スラムダンク』ですね。読んだ?
木村:読んでない!
渡邉:あれ、バスケ部だったよね?(笑)
木村:僕は『黒子のバスケ』でした(笑)。
渡邉:そっちか〜!でも分かる。私は人生で初めて読んだ漫画が『スラムダンク』だったのもあって、夢を追いかけることやできなかったことを成し遂げられるようになることとか、この作品からすごく刺激を受けていて。特に同じスポーツをやっていたのもあって「頑張りたい!」と背中を押された作品なので、ぜひ読んでください!
木村:はい、わかりました(笑)。
3.学生のうちにいっぱい本を読んで知識を身に付ける
――これまで経験してよかったと思うことはありますか?
木村:僕は海外に行ってよかったなと思います。学生の頃、自分でお金を貯めてLAに行ったことがあるんですけど、やっぱり世界は広いんだと思えたんです。
渡邉:素敵!
木村:それこそ最近海外に行かせていただく機会が多くて、そこで「勉強しておけばよかった」と思うことがめちゃくちゃあるんですよね。だからもっと広い視野で自分を育てられるように、海外に行ってみるのもありかなと思います。
渡邉:
私は本を読んでおいてよかったなと思います
。実は学生時代に図書委員をやっていて昼休みには図書室での貸出とかをしていたんですけど、今もちょくちょく読んでいて。大人になって人前で喋ったり、たくさん人とコミュニケーションを取るようになったときに自分の伝えたい気持ちを的確に表現してくれる言葉ってなかなかないなと思うことがあって、そういうときに本で得た知識からぴったりな表現を見つけるといろんな文章を読んできてよかったなと思うんです。人を傷つけないための表現や上手な言葉の言い回しもすごく大切だなと感じているので、学生のうちにいっぱい本を読んで知識をいろいろ身に付けられたら、大人になってからも助かることがあるのかなと思います。
木村柾哉さんが演じた直己だからこそキュンとする部分がいっぱいある
――おふたりがW主演を務めた映画『あたしの!』が11月8日に公開されます。作品について、どんなところに魅力や面白さを感じましたか?
木村:少女漫画原作のラブコメなので笑いありキュンキュンありという感じなんですけど、それだけではない淡くて苦い、甘酸っぱいシーンが盛り込まれているのが注目ポイントです。映像もすごくキレイですし、4人のキャラクターが物語を通して成長していくので、自分も頑張ろうと思えるような作品になっていると思います。
渡邉:木村さんもおっしゃっていたんですけど、映像が本当にキレイで。監督の横堀(光範)さんは監督・撮影・編集のすべてをやられていて、聞いたこともないような仕事量をこなしていらっしゃったんですけど、最初のシーンからグッと引き込まれますし、映像美という部分でも見応えがあるなと思います。あとはメインの4人のキャラクターがそれぞれ個性豊かで全く違う持ち味があるので、そういう部分も楽しんで見てほしいなと思います。
――お互いが演じたキャラクターの魅力についても教えてください。
木村:あこ子は全力ど直球なところが魅力だと思いますね。周りにもパワーを与えることができますし、直己みたいに周りを気遣ったり、本音が言えなかったりするタイプにとっては憧れるというか、羨ましくなってしまうような性格だと思います。
渡邉:直己くんは自分の過去のいろんな経験などからいろんなことを気にしちゃうタイプではあるんですけども、そこが彼の優しさでもあって、そういう部分はすごく魅力だなと思います。あとこれは多分、木村柾哉さんが演じられた直己だからこそだと思うんですけど、本当にキュンとする部分がいっぱいあるんですよ。別れ際の「バイバイ」というシーンは女性陣が大絶賛で、そういうちょっとした仕草や表情がすっごくキュートなので、楽しみにしていてください!
木村:その「バイバイ」も監督のご指導というか、「柾哉くんにこれをやってほしい」みたいなリクエストがあって。だから監督が一番キュンキュンを理解しているんです。
渡邉:監督がずっと現場でキャーキャー言っていて、一番楽しんでいました(笑)。
現役アイドルと元アイドルで境遇的にも近しいものがあった
――齊藤なぎささん、山中柔太朗さん含め4人でのシーンが多いですが、キャストのみなさんはどのようにコミュニケーションを取っていったのでしょうか。
木村:現場に入る前に読み合わせをたくさんしたので、そこで打ち解けられたかなと個人的には思っていて。カラオケであこ子と(齊藤さん演じる)充希がちょっとチャラい人に絡まれるシーンがあって、そこが直己のバイト先だったので「うちの店でイヤな思いをさせてごめんね」というセリフがあるんですけど、僕はずっとそれを……なんて言ったんだっけ?(笑)
渡邉:「うちの家で」って(笑)。実はみんな気づいていたんですけど、誰も指摘していなくて。
木村:僕も自覚がなくてずっと家と言っていて、スタッフさんに「ここって家じゃなくて店だよね」と言われて、「え、俺、家って言ってました?」と気づいて。
渡邉:そこで「実はずっと思ってたんだよね」と言ったら「言ってよ!」って(笑)。
木村:そういう些細なことで少しずつ打ち解けていけたかなと思います(笑)。
渡邉:私は齊藤なぎさちゃんとは幼馴染みの役で、撮影に入る前に仲良くなれたらいいなと思っていて。お互いに元々アイドルをやっていたこととか共通点が多かったので、撮影前にごはんに行ったら意気投合して、撮影が終わってから現在に至るまでプライベートでも仲良くさせていただいていて。それになぎさちゃんが充希だったからこそ幼馴染みという関係性がやりやすかったので、すごく運命的な出会いがあったこの作品に感謝していますね。メインキャストの4人は現役アイドルと元アイドルなので、最初に「みんな、アイドルじゃない?」みたいな話もして、境遇的にもちょっと近しいものがあったから打ち解けるのが早かったのかもしれません。
――木村さんと山中さんとどう打ち解けていったんですか?
木村:そもそも柔太朗くんのことは以前から知っていて、僕がオーディションを受ける前にダンスを教えていた時期がありまして。だからまさかの奇跡的な共演というか、先生と生徒の関係が共演者になるというぎこちなさもありつつ、でもここで再会できたのがものごく嬉しくて。その話もたくさんしながら距離も縮められたかなと思います。
朝が苦手なんですよだからこそ朝活をして充実させたい
――現場で流行ったことはありますか?
木村:何が流行ったかな。
渡邉:くだらないことをいっぱいやったよね。でも一番はペットボトルの……。
木村:あ、ペットボトルフリップ。確かに、それだ。
渡邉:4人連続で成功するまでやろうみたいな流れになって、撮影が終わってからやったら成功したんだよね。映像も残っているんですけど、あれはアツかったです(笑)。そういう小さいことをいろいろやったりしたよね。
――作品のキャッチフレーズに「友情も恋もあたしの!」とありますが、おふたりにとってこれだけは譲れないものはありますか?
木村:あります。朝活です。
渡邉:めっちゃいいじゃん!
木村:でも譲ってしまうときもたまにあって。
渡邉:人間だもの。
木村:そう(笑)。自分、朝がめっちゃ苦手なんですよ。だからこそ充実させたいという気持ちが強くていつも挑戦しようとするんですけど、できない日のほうが多いというか。なのでこれからは「朝活は譲れない」という強い意志を持って早く起きたいなと思います。
――例えば何をするんですか?
木村:近所を散歩してその日一日を整理してから始めたり、本当に何も考えずにまったりしたりとか、そういう時間ができたらいいなと思っていますね。
渡邉:私はお風呂です。湯船に浸かるのが大好きで、自分にとっては一旦いろんなことを忘れられる時間なので、ちょっと疲れていてもお風呂の時間は譲れないですね。
――お風呂での必需品はありますか?
渡邉:いっぱいあります。私、お風呂にいろんなものを持ち込んじゃうんですよ。入浴剤もそうですし、落としたら危ないと思いつつスマホやタブレット、飲みものも持って入ったりしますね。お風呂のお湯がぬるくなるくらい入っちゃうときもあって、なぜだかわからないけど、それくらいあの時間と空間が好きなんです。
PROFILE
渡邉美穂
2000年2月24日生まれ、埼玉県出身。2017年8月にけやき坂26の二期生として加入。2019年2月にはグループ名が日向坂46に改名された。2022年6月に同グループを卒業。本作が映画初出演にして初主演を務める。今後は2024年11月スタートのドラマ「ラブライブ!スクールアイドルミュージカルthe DRAMA」(W主演)、2025年に映画『青春ゲシュタルト崩壊』(W主演)の公開が控えている。
PROFILE
木村柾哉(INI)
1997年10月10日生まれ、愛知県出身。サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生した11人組グローバルボーイズグループ「INI」として2021年にデビュー。ドラマ「君の花になる」(22)で俳優デビューを果たす。本作が映画初出演にして初主演を務める。
映画『あたしの!』11月8日(金)全国公開
真っすぐで素直過ぎる性格で、思ったことは即⾏動、自分にも他人にも嘘をつけないあこ子。あこ子の隣には、小3からの親友・充希がいつもいた。新学期、初登校の日、学校イチの超人気者・直己が、まさかの留年により2人の同学年に降臨!直己に一目ぼれしたあこ子は、ド直球なアプローチを開始。充希は「カッコイイと思うけど恋愛って感じじゃない」と好きではないと断言するものの、充希の怪しい動きを察知するあこ子。先手必勝!と、直己に告白するあこ子だが、「彼女つくる気ないから」とあっけなくフラれてしまう。落ち込むあこ子だが、直己の親友・成田から直己が彼女を作らない理由を聞き、彼を好きでい続けることを決意。
一方で、充希も直己に近づきはじめていて…
恋の戦に出陣!!
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取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子