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人にやさしいまち、横浜へ 山中市長が新年の抱負

タウンニュース

取材に答える山中市長

本紙では新年を迎えるにあたり、山中竹春横浜市長に2025年の抱負を聞いた。山中市長は、子育て支援や防災・減災対策、防犯対策などの取組を積極的に進める姿勢をみせるとともに、市民の声を大切に「人にやさしいまち」の実現に向け力を尽くす考えを示した。質問に書面と対話で答えた。(聞き手/木曽祐司・添田守男)

「子育てしやすさ」実感を

――市長就任時より、子育て支援に力点を置いてきました。

「一昨年は子どもの医療費を無料化し、長年市民の皆様から望まれていた中学校での全員給食の導入を決定しました。全員給食は2026年4月の開始に向けた準備が着実に進んでおり、小学生の保護者向け試食会のアンケートでも75%の方に『良い印象を持った』と回答いただいています。

昨年は、出産や妊婦健診に係る費用への市独自の助成を新たにスタートさせました。出産費用については、国の出産育児一時金50万円に加えて最大9万円を市独自で助成することで、市内公的病院での出産に係る基礎的費用を100%カバーできるようになりました。妊婦健診の助成額は5万円を上乗せし、政令市トップの水準となりました。46万人もの子ども(中学生以下)が暮らす『日本最大の子育て支援都市』として、皆様が安心して子育てをしていただけるよう取り組んでいます」

――子育て支援では公式アプリのリリースや保育の負担減、いわゆる「小1の壁」対策等にも取り組んでいます。

「10月にリリースした全国初の総合的な子育て支援アプリ『パマトコ』は、現在5万人以上の方にご利用いただいています。例えば出産費用助成の申請は、ほぼすべての方が『パマトコ』から申請されています。また、アプリには母子手帳機能や予防接種のスケジュール管理、イベント情報のプッシュ通知など、さまざまな機能を搭載しています。ユーザーの皆様のお声を聞きながら、これからもどんどん進化させていきます。

「いざ」に備え、対策強化

また、保育園に持参するおむつなどの準備や持ち帰りの負担を減らす『にもつ軽がる保育園』も、導入する施設が広がっています。さらに、『小1の壁』の代表例である夏休み中のお弁当づくりの負担を軽減するため、すべての学童等での昼食提供をモデル実施し、95%以上の保護者から『ゆとりを感じた』との満足の声をいただきました」

市民目線の地震防災戦略

――防災・減災対策は、横浜市にとって喫緊の課題です。

「能登半島地震など大きな災害の経験を、横浜でもいつ起きてもおかしくない大規模地震への備えに生かすため、地震防災戦略を刷新し、災害対策を大幅に強化します。

【1】市民や地域の”発災前からの備え”の強化【2】誰もが安心して避難生活を送ることができる仕組みの構築【3】救援活動や緊急物資輸送の要となる横浜市初の広域防災拠点の整備【4】上下水道の耐震化や緊急輸送路の整備などを加速化する災害に強いまちづくり――の4つの柱に沿って徹底的に『市民目線』に立った取組を進め、市民の皆様の命と暮らしを守るための災害対策を進めていきます」

――地域の防犯対策も急務です。

「地域での平穏な暮らしを守るためには、行政と地域の皆様が連携して取り組むことが必要です。地域からいただいたLED防犯灯の設置要望について、当初予定を拡充し、設置基準を満たすものは全て年度内に整備するなど、スピーディーに対応します。

また、市内すべての不審者情報をGoogleマップで確認できる市独自の『こども安全・安心マップ』の活用や、学校と家庭との連絡アプリ『すぐーる』を活用した適切なSNS利用の情報発信など、ハード・ソフトの両面から地域防犯の取組を強化します」

市民・企業の行動変容促す

――脱炭素社会の実現に向けた取組みについてお聞きします。

「気候変動を食い止め、環境にやさしい循環型の社会にしていくためには、市民の皆様の行動変容が鍵になります。横浜市は、市民の皆様の身近なアクションを後押しし、環境にやさしい社会につながっていることを実感していただけるような取組を進めています。

プラスチック資源のリサイクルを拡大するため、昨年10月に先行9区でごみの分別ルールを変更しました。今年4月からは、全18区で新たな分別ルールがスタートします。他にも、消費期限が近くなったパンをお得な値段で販売するロッカーを設置して食品ロスを減らす取組や、ご家庭で揚げ物などに使った油(廃食油)を回収し、飛行機の燃料に生まれ変わらせる取組も進めています。

昨年12月には、『地球1個分で暮らそうSTYLE100』プロジェクトを始動し、地球にやさしい新しい暮らしを市民や企業の皆様と一緒に発信していく取組がスタートしました。

市内企業の99・6%を占める中小企業の皆様の行動変容につなげるため、『脱炭素行動取組宣言』制度を昨年6月に創設し、環境に配慮した経営、脱炭素経営に取り組む中小企業の皆様のチャレンジを、積極的に後押ししていきます」

1月9日(木)号に続く

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